小説『Blood of the scarlet.』
作者:樹緑()

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「&lt;&lt;マリンアックス&gt;&gt;……」
そうつぶやいた、蒼の手には青色の長柄の斧が握られていた。


兄は驚いたように目を見開き、妹は羨ましそうに見てた。
「さすがに声にはださないんだな」
「予想外だけど多少は常識を捨てないといけないと猫に教わったからさ」
「まぁ、半分は予想していたということらしいから別段に驚いたりはしないが…」
「すっごーい!それどうなってるの?」
「妹さんはずいぶんとおてんばなんだな」
「よく言われる、落ち着きもないってさ」
また、足の甲をかかとで踏まれた。
「おてんばっていうのは認めるけど、一言余計よ」
「はいはい、さいですか」


〜数分後〜
「んじゃ、話し込んでるところ申し訳ないがそろそろ説明していいか?」
「「あっ、どうぞ…」」
「今、俺が持っているのがさっき猫が言っていた【ライトアーツ】簡単に言えば【光の武器】」
「その光の形を変えて武器にしてるのか?」
「まぁ、そういう感じのものだと思っていいぜ」
「そう簡単には発現させるのは無理そうだね」
「何回かここにくればいつかは発現できるさ」
「それまで、何回もここに来ないといけないわけか」
「んじゃ、そろそろ学校を出るとするか」
「あんな得体の知れないやつがいるのに?」
「その得体の知れない奴に対抗するためにこれがあるのさ」
蒼は手に持った長柄の斧を前に差し出して見せた。


「んじゃ、そろそろいこうか」
「やっと説明終ったかー?」
「今終ったところさ、そろそろ行くぜ」
「りょーかい、だそうだ全員武装しとけよーいつもどおり突っ切るぞ」
蒼と兄妹以外の全員が蒼と同じように武器を発現させた。


槍やレイピアみたいな実際にあるような武器から。
錨やパチンコみたいな一見武器として使えないようなものもある。


「走るぞ!」
その掛け声にあったように扉を開け。
緋色の槍を持った例の彼女と青色の長柄の斧を持った蒼が一気に道を切り開く。


その後ろに続くようにその他の武器を持った人たちと手ぶらの兄妹が走り出す。


夜はまだ遠い…。

-9-
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