小説『約813の問題児が異世界からくるそうですよ?』
作者:tasogare2728()

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第十一章

ギフトゲーム名 ;FAIRYTALE in PERSEUS;
プレイヤー一覧 逆廻 十六夜
久遠 飛鳥
春日部 耀
九十九 龍嗣
スサノオ
・;ノーネーム;ゲームマスター ジン=ラッセル
・;ペルセウス;ゲームマスター ルイオス=ペルセウス
クリア条件 ホスト側のゲームマスターを打倒
敗北条件  プレイヤー側のゲームマスターによる降伏
  プレイヤー側のゲームマスターの失格
  プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合
・舞台詳細・ルール
ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない。
ホスト側の参加者は最奥に入ってはいけない
プレイヤー達はホスト側の人間に姿を見られてはいけない
姿を見られたプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへの挑戦資格を失う
失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行することはできる

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、ノーネームはギフトゲームに参加します ペルセウス ;印;


契約書類に承諾すると――7人は、光に飲み込まれ、ゲームフィールドに到着した
「姿を見られれば失格か、つまりペルセウスを暗殺しろってことか」
白亜の宮殿を見上げ、胸を躍らせるような声音で十六夜が呟く。
「みたいだな、まぁ、おおかた寝ているわけはないと思うがな」
十六夜の言葉に龍嗣が呟いた
「でしょうね、その前にまずは宮殿の攻略が先でございます、伝説のペルセウスと違い黒ウサギたちはハデスのギフトを持っておりません、不可視のギフトを持たない黒ウサギ達には綿密な作戦が必要です」
黒ウサギが説明する
「見つかったものは、ゲームマスターへの挑戦資格を失ってしまう、同じく私たちのゲームマスタージン君が最奥にたどり着けずに失格の場合、プレイヤー側の敗北、なら大きく分けて三つの役割分担が必要になるわ」
飛鳥の隣のスサノオと耀が頷く
「だな、黒ウサギは、審判だしな」
龍嗣が言う
「えぇ、まずはジン君と一緒にゲームマスターを倒す役割、次に索敵、見えない敵を感知して撃退する役割、最後に失格覚悟で囮とつゆ払いをする役割」
「春日部は鼻が利く、耳も眼もいい、不可視の敵は任せるぞ」
十六夜の提案に耀が頷く
「そうだな、流石に俺も、相手の視覚を完全にシャットアウトするのは不可能だしな、かと言って――見られたら死ぬのスキル使っても見られることが前提だし、俺と飛鳥とスサノオで露払いするわ」
「わかった、悪いなお嬢様、俺も譲ってやりたいのは山々だが、勝負は勝たなきゃ意味がないからな、あの野郎の相手はどう考えても俺が適している」
「まぁな」
「……ふん、いいわ、今回は譲ってあげる、ただし負けたら承知しないから」
飄々と肩をすくめる十六夜
「まぁ、気をつけないといけないのわ、あいつ自身じゃなく、アルゴルの魔王だな」
龍嗣が余裕の表情で言う
「はい、隷属させた元・魔王様ですからね」
「そうだな、ま、こっちにも対抗策はあるがな」
龍嗣の手元に赤紫色のエネルギー体が現れる――そんな中
「ってかさ、黒ウサギ」
「はい、なんでしょう?」
「ビームで直線でぶち抜いたらマズイのかな?」
あっさりという龍嗣にその方法はなかったわと思う黒ウサギ
「あぁ〜…ルール上は問題ないですけど、あとあと大変ですよ?」
「なにが?」
「色々です」
その中には、ゲームの華的な意味でだろう。この箱庭でもやっていいことと悪いことはある。
「そっか〜」
そういうと、とたんにやめる龍嗣。やめるのをみて少しホッとする龍嗣

「んじゃあ、開幕一発目のドア開けヨロシク、十六夜君?」
「おっけー」
そういうと、ヤハハハと笑って門の前に立ち
ズドォォォォン
轟音と共に、白亜の宮殿の門を蹴り破り

「BOSSの力で石になりな!」
龍嗣は、十六夜が扉を蹴り破った直後――門の近くにいた兵士を全て、石化させた



「さてと――どうみる?」
「ん?吹き飛ばしていいんじゃない?」
「そうだな〜飛鳥もそうするみたいだし」
正面階段広場は、飛鳥の奮戦によって大混戦になっていた。
「ええい、小娘一人に何を手間取っている!」
「不可視のギフトを持つ者は残りのメンバーを探しにいけ、ここは、我々が押さえるぞ!」
既に発見されている龍嗣と飛鳥とスサノオは、ゲームマスターへの挑戦権を放棄している。
「おっと、そうは、させないんだな〜」
バリバリバリバリ!!ズドォォォォン!!
火を司るスキル『間違いなく放火(エキジビションマッチ)』と雷を司るスキル『千脚万雷(ボルトレッグ)』で豪焔と豪雷を作り出し――不可視のギフト保持者を圧倒する
「さてと――吹き飛びなさい!!」
ズドガァァァン!!
スサノオは、自身の暗黒の槍で周りを破壊していく
二人の破壊ぶりは飛鳥の水流操作が可愛らしいと思えるほどだ。

「ウラウラウラァァァァアァー!!」
ピカァンッ!!ズドォォォン!!
某白い魔王の砲撃を彷彿とさせる巨大光線が四方八方ためらわずに打ち出される。そんな中
「ちょっと、龍嗣!!こっちにも飛ばさないでよ!?」
「あ、わりぃ」
と言いながらも
ズドォォン!!ズドォォォン!!ズドドドドォォン!!
容赦ない攻撃――そして、いつの間にか


ズドォォン!!ズドォォォン!!ズドドドドォォン!!
「ちょ、えっ、や、やりすぎなのですよおぉぉぉぉおおお!!」
「なんだこりゃああああ!!」
白亜の宮殿の最上の最奥の闘技場で黒ウサギとルイオスがものすごい規模の光線で破壊されていく宮殿に向かって叫んでいた
そして、黒ウサギに至っては、二三発その光線が頬をかすった

「ん?なんか、黒ウサギの声が聞こえた気が」
「気のせいじゃない?」
「だな」
ズドオォォン!!ズドォォォオオン!!
黙々と破壊活動をしていくのであった。
「アハハハ!!アハハハハ!!」
笑いながら喜々とした表情で破壊していく。とやっていると

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ、グラグラグラグラ!!
宮殿自体が揺れていく
「…あれ?ヤバくね?」
嫌な予感がする(主に自分の所為で)。
「…確かにヤバいわね」
周りを見ると、周りの柱がほとんど壊されている。
「まさか、崩れる?」
「でしょうね〜」
「ヤバイじゃん!?」
そういうと、龍嗣は走って飛鳥のいる玄関まで行き

「飛鳥、逃げるぞ!」
「えっ、ちょっと、龍嗣君!?」
説明を求める飛鳥を問答無用で抱きかかえ、龍嗣は空に飛んだ。その直後
ズドォォォン!!

轟音と砂煙と爆風と共にそこが崩れ落ちた

「…うっそ」
それから、安全なところで降りる三人
「やりすぎたわね」
「あぁ、主に俺の所為でな」
「…どうしてこうなってんのよ」
若干、呆れたようにいう飛鳥だった。

その頃、十六夜と耀とジンは
「俺の目が間違いじゃなければ、崩れたな」
「・・・うん」
「崩れましたね、見事に」
そういうと
「「「(やりすぎだ…)」」」
そうおもう三人だった。

「ま、しょうがないこの調子で破壊していくか〜」
そういうと、飛鳥をそこに置いて、龍嗣とスサノオは破壊活動を嬉々とした表情で再び行うのであった。
それから、二人を避難させたあと、ある程度のところを更地に変え、二人は闘技場に向かっていった。


「図に乗るな!」
「テメェがな!」
ハルパー片手に疾駆するルイオスを、十六夜が蹴り上げていた

「おぉ〜やっているな、結構」
「そうね〜」
そして、龍嗣とスサノオは黒ウサギの後ろに突如として現れる
「って、龍嗣さん!?スサノオさん!?」
あいかわらずその登場に驚いている黒ウサギ
「おぅ、黒ウサギ、ある程度更地に変えてきたぜ!」
親指を突き立てて満面の笑みでいうと
「やりすぎですぅぅ!!このおバカ様ぁぁ!!」
バシッ!!バシッ!!
「ワッ!!」
「オッホ!!」
スサノオと龍嗣は黒ウサギから痛いハリセンを喰らう――そんな中

「もういい、終わらせろ!アルゴール!!」
不協和音と共に、褐色の光を放ってくる
「――――――カッ、ゲームマスターが、今さら狡いことしてるんじゃねぇ!!!」
十六夜が褐色の光を踏み潰す、それは、まるでガラス細工を砕くようにだった。
「ば、馬鹿な!?もう一発だ、アルゴール!!」
そういうと、今度は龍嗣、スサノオ、黒ウサギ、ジンのところに迫る
「おっとこれは危ない危ない」
そういうと、余裕飄々で龍嗣はその光線を反射する。そして、十六夜がすかさずボコボコにする
「ったく、まぁ、これ以上のものは出ないだろうな」
「でしょうね、というか、アルゴールが拘束具につながれてた時点で察するべきでした」
「まぁ、わかってたが、お前には未熟すぎるってことをな」
「ッ!?」
黒ウサギと龍嗣がいう。そして、ルイオスの瞳に灼熱の憤怒が宿る

「まぁ、そう熱くなるなって、所詮は七光と元魔王様なんだから」
吐き捨てるように言う龍嗣、そして、その前では十六夜が失望したような顔をしている
「ん、まぁ、徹底的にやっちゃいな、十六夜?」
「わかってるよ」
そして、凶悪な笑みを浮かべる十六夜
それから、龍嗣も参戦し、徹底的にコミュニティを貶め続けた。


そして、レティシアが目覚めた時だった
「「「「「じゃあ、これからよろしく、メイドさん」」」」」
「「え?」」
「……えっ?」
「え?じゃないわよ、だって今回のゲームで活躍したのって私たちじゃない?貴方達はホントにくっ付いてきただけだったもの」
「うん、私なんて力いっぱい殴られたし、石になったし」
「ってか、俺は、破壊しただけだけど、一応無理矢理挑戦させるまではしたし」
「つーか、挑戦権を持ってきたの俺だろ?、所有権は俺たちで等分、2:2:3:3でもう話はついた!」
「何をいっちゃってんでございますかこの人たちは!?」
完全にツッコミが追いつかなくて混乱する黒ウサギ、実にみものである
「んっ……ふ、む、そうだな、今回の件で、私は皆に恩義を感じている、コミュニティに帰れたことに、この上なく感動している、だが、親しき仲にも礼儀あり、コミュニティの同士にもそれを忘れてはならない、君達が家政婦をしろというなら、喜んでやろうじゃないか」
「レ、レティシア様!?」
今までにないくらい焦る黒ウサギ
「私、ずっと金髪の使用人に憧れていたのよ」
「よろしく、いや、主従なのだから、『よろしくお願いします』のほうがいいかな?」
「使い勝手がいいのを使えばいいよ」
「そ、そうか、いや、そうですか?んん、そうでございますか?」
「黒ウサギの真似はやめとけ」
ヤハハと笑う黒ウサギ、そんな中、龍嗣がしめるように
「おかえり、レティシア」
龍嗣が手を差し伸べながらそういった。



それから、三日後
「えーそれでは!新たな同士を迎えた;ノーネーム;の歓迎会を始めます!」
ワッ!!
黒ウサギの声で、子供たちの歓声があがる。
「だけど、どうして屋外で歓迎会なのかしら?」
「うん、私も思った」
「黒ウサギなりの精一杯のサプライズってところじゃねえのか?」
十六夜が言う中、少し苦笑いする龍嗣――無理も無い、財政上;ノーネーム;は想像以上に悪い状況だ。しかし、それも一時の事で、これから3ヶ月しのげば――龍嗣の開拓というか改変したあの農場がものすごいレベルで稼動し始める。そうすれば、多少なり余裕は出来るだろうとジンと黒ウサギは言っている。
「無理しなくていいって言ったのに・・・・・・馬鹿な子ね」
「そうだね」
飛鳥と耀は、苦笑いしながら笑う
龍嗣は、スサノオと一緒に、黒ウサギたちの料理を食べている。ちなみに、食材に関しては、龍嗣が調達したものが結構ある。

「それでは本日の大イベントが始まります!みなさん、箱庭の天幕に注目してください!」
黒ウサギが大きな声を上げて注目を促すと、一斉に天幕に注目すると

ヒュ〜ン
「・・・・・・あっ」
星を見上げているコミュニティの誰かが声を上げた。
それから、連続して星が流れた――流星だ。
「おぉ〜」
龍嗣も歓声を上げる。それから十六夜たちや、子供たちに聞かせるような口調で語る
「この流星群を起こしたのは他でもありません、我々の新たな同士、異世界からの4人と新たなこの世界の同士がこの流星群のきっかけを作ったのです」
「えっ?」
歓声の裏で龍嗣を含めた十六夜たちが驚きの声を上げた

「どゆこと?」
龍嗣はスサノオに問うと
「まぁ、黒ウサギからあるわよ」
そういうと、黒ウサギの説明が始まった
「箱庭の世界は天動説のように、全てのルールが此処、箱庭の都市を中心に回っております、先日、同士が倒した;ペルセウス;のコミュニティは、敗北の為に;サウザンドアイズ;を追放されたのです、そして、彼らはあの星々からも旗を降ろすことになりました」
その説明で、龍嗣含める4人は絶句する
「な、まじかよ」
「ホントよ?星に願いをかけるもよし、皆で観賞するもよし、ね」
「そうだな、ゆっくりと眺めるか」
そういうと、空を眺めるのであった

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