小説『約813の問題児が異世界からくるそうですよ?』
作者:tasogare2728()

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第十三章

そして、現在
「色々あるな〜」
二人は、赤いガラスの歩廊を歩いていた。足元には、キャンドルスタンドが二足歩行したりしている。まさにハロウィンのようなところだった。
「いつ見ても、にぎやかねこの町は」
「そうだな、にぎやかだな〜」
龍嗣とスサノオは肩を並べて歩いていた。そんな中
「テクタイト結晶か〜」
赤窓の歩廊の中心にある、龍のモニュメントの前で休憩することにした。龍嗣は、看板を見ると
『出展コミュニティ"サラマンドラ"――タイトル 霊造のテクタイト大結晶で彫像された、初代頭首"星海龍王"さま 製作者・サラ』

「へぇ〜でかいな」
そう感嘆の声を上げる龍嗣。
「(なんか、モンハンのミラ〇ーツに似ているな‥・)」
「そういや、サラマンドラって、主催者じゃない」
「あぁ、今宵の火龍誕生祭のな」
「ってことは、もしかして、このサラって人が?」
「コミュニティーのトップかもな」
「ふ〜ん」

視線の先には、かぼちゃのお化け
「(さすが・・・あれは、ジャックオーランタンってかな)」
飛んでいるかぼちゃのおばけを見ながら休む龍嗣。それから、周りを見渡してみると、
「(鼠のステンドグラスか・・・)」
やけにそれが目に付いた。



周りを見渡している中――南東の方角から異様な気配を感じた
「(この気配・・・なんかどっかでおんなじ感覚したんだがな・・・)」
龍嗣は、"この感覚はどこでしたものか"という質問を答えを知るスキル『模範記憶(マニュアルメモリ)』で解答を出してみると
「(・・・あの時のかよ!?)」
予想外の回答に龍嗣は若干戸惑う
「(けど、なんか違うな)」
パズルの1ピースやふたピースが間違ってくっついているかのように何かが違う感覚がする。
同時に龍嗣はその感覚の答えを得るために、千里眼のスキル『眼の届く場所(エリアフリー)』、地獄耳のスキル『話は聞かせてもらった(リッスンバイチャンス)』で周りの人の声や会話などありとあらゆる情報を解析する。
そして、数分もかからずに
「(BINGO・・・)」
同じ南東の方角の先に龍嗣の神になるスキル『過身様ごっこ(スペックオーバー)』と悪魔になるスキル『飽くまで遊び(タイアードプレイ)』合わせたような気配の少女を見つけた。同時に――

「あの店は・・・白夜叉だからなんでもアリか・・・」
そう呟く龍嗣――視線の先には四〇〇〇〇〇〇外門・三九九九九九九外門、サウザンドアイズ旧支店がある高台。あの店は、話を聞く限り移動しているわけではなく"境界門"と似通ったシステムで数多の入口が全てひとつの内装につながるようになっているらしい。まさに"どこで〇ドア"のような感じだ

時刻はちょうどいい感じだった。龍嗣は動こうとしたとき
「龍嗣、そんな怖い顔をしてどうしたの?」
突如、スサノオが龍嗣の顔を覗き込んできた。
「ん、ちょっとな」
「なになに?」
興味津々で聞いてくる
「聞くな――」
「わかった、なら気分転換に、ハイ」
スサノオが二つあったクレープのうち一つをこちらに差し出してくる
「これは?」
「クレープっていう美味しい食べ物なんだよ?食べたことある?」
「ん〜ないな〜」
遠い日の記憶を探る士郎
「なら、食べてみな、美味しいよ」
「わかった」
かぶり
龍嗣はそれをかぶりつくと、チョコムースの甘い感じが口いっぱいに広がる
「おぉ、うまい」
口元にベッタリとムースがついてしまった。何かで拭おうとしたとき
「あ、龍嗣動かないで」
「???」
スサノオがそういった直後

ペロリ・・・
「///!!」
突如頬についたムースをスサノオが自身の舌でそれを舐めとった
「な、スサノオ!?」
「いいじゃんこんくらい」
猫のように行ってくる彼女。今に始まったことではないとは理解はしているが、いざとなるとやはりドキリとするものだと感じる龍嗣――そんな中、なにかに気づいたように龍嗣は彼女に言った。
「あぁ〜ちょっと見に行きたいものあるんだけど?一人で行ってきていい?」
「えぇ、いいけど、迷わない?」
「大丈夫だよ」
「ん、わかった――じゃあ、そうね――何かあったら、サウザンドアイズの旧支店で集合ね?」
「わかった」



そういうと、スサノオと別れる龍嗣――そして、龍嗣は動き出した

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