小説『約813の問題児が異世界からくるそうですよ?』
作者:tasogare2728()

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第十四章

「ちょっと、すいません?」
「あら、なにかしら?」
無機質な声で返答が返ってきた
龍嗣の目の前にいるのは、白黒の斑模様のワンピースをきたかわいらしい少女
「すいません、ちょっと此処にきたのが初めてで、案内してもらえますか?」
「案内?なぜ、私が?」
「そのきれいだからですよ、お嬢さん」
「・・・」
その言葉に絶句?する彼女――いや、黒死斑の魔王(ブラック・バーチャー)ペスト
「ま、行きましょうか」
そういうと、魔王とのデート?が始まった。


「はい、これ」
「どうも」
クレープを買って、二人で食べながら龍嗣は回廊を歩いていた。
「ここはステンドグラスとかが有名なのよ」
「へぇ〜勉強になります」
「それにしても、あなたどこから来たの?」
「えぇと、異世界から来て間もないのです」
「へぇ、どんな世界だった?」
「まぁ、平凡な世界でしたよ――人が殺し合い、人が笑いあいっていう世界さ」
「平和だったの?」
「そうですね」
スカートを翻しながらこちらを見る彼女
「(ますます、こいつ欲しくなったな)」
少し黒い笑みを浮かべると、こちらを向く彼女
「あなた――面白そうな人ね?」
「よく言われますよ」
龍嗣も微笑むと
「ちょっと、あなた、来なさいよ?」
「ん?なんですか?」
少し警戒するものも、言われたとおりついていくと

人気の無い店と店の間の横道の路地裏につれこまれた。そして、ある程度のところまでいくと

ドンッ・・・
壁際に追い詰められ、彼女が腕をついて腕と壁で龍嗣を囲みこんだ。
「ちょ、あの」
流石のこれは、予想もしなかった展開なので龍嗣は、あせり始める。そして、彼女がゆっくりと迫ってくる。その姿は、まるで獲物を見つけた小悪魔が全力で襲ってくる感じだ。
「ねぇ、あなた――」
紅い瞳が龍嗣を嘗め回すように見る。そして、ワンピースの下のスカートの部分にある、彼女のふとももを龍嗣のふとももに擦りつけて、突き放そうとした手を絡め取り、完全に龍嗣の動きを動けなくさせる。
「私の相棒(パートナー)になってみない?不自由ないわよ?」
相棒(パートナー)ですか・・・?」
「そうよ――気に入ったわ、貴女私のものになりなさい」
「えっ・・・」
突如、そんなことを言われるものだから龍嗣は何が起こったかさっぱりわからない状況だ。

「あ、あの・・・そんな、何も出来ないですよ、僕?まだ来たばっかりだし」
「隠さなくていいわよ?私は、色々とわかるんだから」
上目遣いで見てくる彼女。どうじに控えめな胸を押し付けてくる――少し油断すれば、吸い込まれそうな感覚に堕ちるのは明白だった。
それから、龍嗣が何かを言おうとした時

「ンッーッ!?」
突如として頬に唇が触れた
「あらあら、赤いわよ・・・?」
まるで、悪魔むしろ悪魔、いや魔王だった
ミイラ取りがミイラなったみたいに遭ったのだった。

それから隙をうかがうように、なすがままにされる龍嗣
「(なんで、襲われてるんだよぉぉぉ!?俺の馬鹿やろぉぉぉ)」
能力は使わないものの、その大胆な行動に心拍数が常に上がりっぱなしであまりよろしくない状況だった。というか、刺激が強すぎて困る。助けをよぼうと思うが、ここで姿をばらしては問題になってしまう。それから馬乗りになり、ちゃくちゃくと龍嗣を喰う彼女だった。

それから、数刻後
「あなた、名前は?」
「九十九龍嗣です」
「へぇ〜龍嗣ねぇ・・・私はペストっていうのよろしくね」
無邪気に微笑むペスト
「よろしく」
「それで、あなた火龍誕生祭でるの?」
「えぇ、どうやら怪しい気配がしましてね――」
心の中で少し自嘲する龍嗣
「へぇ・・・そうなんだ」
顔を曇らせるペスト
「まぁ、いいわ――私の所有物には、変わらないんだからね」
独占欲が強い魔王少女様であった。

それから、彼女の元を離れる――ほっぺには、親愛の証として斑模様の斑点がある。というか、何か色々と厄介事が増えてる気がするのは気のせいだろうか?

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