小説『約813の問題児が異世界からくるそうですよ?』
作者:tasogare2728()

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第十五章

それから、歩いていると

ガヤガヤガヤガヤ…
「(なんか、騒がしいな…)」
龍嗣は、周りに気を使っていると

キャアァァァァアアアーーー!!
「「「あの人間むちゃくちゃだぁぁ!!!」」」
耳をつんざくような絶叫が聞こえる、龍嗣が周りを見渡すと、見物衆の視線の先
巨大な時計塔が崩れ落ちているのだ
「(誰がこんなことを!?)」
視線の先には、金髪ヘッドフォンの少年とウサギ

「(あいつらぁぁぁぁあ!)」
そういうと、見物衆の視線がそちらに向いてるのをいいことにして、龍嗣は自分の身体能力をバネにして、壁を走り、一気に建物の屋上にでて、そこから飛翔するスキル『闘士の翼賛(チアファイターズ)』で飛翔し始めた。


バサッ!!バサッ!!

ズゴゴゴゴゴゴ〜
視線の先には、崩れる塔
「建造物破損とか、でかい出費ってレベルじゃねぇぞ!!」
そういいながら、スキルを使わないで速度を上げる龍嗣、視線の先には、黒ウサギと十六夜

「っ、十六夜さん……!」
「射程距離だぜ黒ウサギ」
舞い落ちる残骸を蹴り飛ばしたりしている二人。千手の攻防を繰り返している二人。

「ったく、仕事増やすんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!」
絶叫とともに
重力を司るスキル『躯重量(グラビト)』を周囲一体といっても全瓦礫に作用させ、地面に全て激突する寸前で止めた。

「ふぅ・・・」

その頃――他人の苦労も知らないお二人さん
「あー……コレは、アレです、引き分けなので、互いに命令権を一つ得たみたいです」
「そんなことはどうでもいい、腹の底からどうでもいい、俺が気に入らないのは「あぁ、俺も気に入らないな」はっ…?」
「えっ・・・?この声は」
そういって、声のした方を見る二人

「龍嗣!?」
「龍嗣さん!?」
二人は、そこに修羅を見た
「なぁ、黒ウサギ」
「あぁ〜…もしかして、もしかしなくても十六夜さんの言うことわかる気がします」
「そっか、なら」
十六夜が構えだし
「逃げるぞ!」
「はい!」
全力疾走で逃げ出す二人――そして、龍嗣も逃がすまいと
「逃がすなスサノオ!!捕縛しろ!」
「了解!!」
一回戦、黒ウサギvs十六夜→二回戦、スサノオ(邪神)vs十六夜&黒ウサギの一方的なゲームが始まった。
そして、
「そこまでだ貴様ら!!」
厳しい声音が歩廊に響く――龍嗣の周囲には焔の龍紋を掲げ、蜥蜴の鱗を肌に持つ集団が集まっていた。
それに気づいた黒ウサギは、逃走を止め痛烈に痛そうな頭をかかえ、両手を上げて降参する。
しかし、龍嗣は
「(能力で固定化しているから、少し無理だな…)」
若干降参できない感じだ
「おい、降参しろ」
「いいけど、今僕が支えているがれきが歩廊に激突するけどいいの?」
「それは、困ったな」
「あぁ、それと、少し時間をくれれば治すけど、ある程度」
「まさか、そんな〜」
「はぁ、実証しろってか、はいはい、やりますよ」
「えっ?まさか、逃げるのか?」
「しねぇよ、クソが」
そういうと、龍嗣は作業に取り掛かり始めた。

それから、数刻の後
「えぇ〜と…このがれきは、この形だから、ここにハマるのかな?う〜ん、これ新たに生成したほうが早いんじゃね?」
『大将〜、こっちの瓦礫どうしますか〜』
「型と状況は?」
『西面で結構ひどいです〜』
「三番区画に回しとけ〜」
『うぃーっす』
「時計塔のメインフレームは壊れてないからな、ってか、派手にやってくれたな…」
そう見上げながら壊れたところを見ている。現在、北側の;階層支配者;サラマンドラの憲兵と一緒に塔の修復作業を行っていた。直しかたは簡単 とりあえず破壊された瓦礫を集め→その次に建物の外壁部分の凹凸を真っ平らにそこに杭とボルトを打ち込んで、上の部分にそれに対応するように穴を開けはめ込むんだり継ぎ目でくっつけていくという作業だ

「よ〜し、はめ込むぞ〜外装作業員撤退〜いくぞ」
『『『『うぃーっす』』』』
軽々と重力操作で持ち上げる。ちなみに、精密作業なので中に待機してもらってる憲兵に指示を仰ぎ
「お〜し、いいか〜?」
『大将、右に三センチです』
「う〜ん」
『三〇度傾いています〜』
「お〜い」
超精密作業です――それから数秒後

ガコンッ!!

「「「「「「おぉ〜!!」」」」」
路上からの歓声が湧き上がった。その頃

「なんだ、ありゃ…」
軍服のマンドラは驚いていたと同時に若干絶句していた。無理もない目の前で、それもこの短時間で修理が行われたのだ。
「ふぅ・・・終わった、終わったと」
そういって、地面に降りてくる龍嗣
『んじゃあ、スイマセンが、マンドラさんがうるさいんで、連行させてもらいますね?』
「ん、手荒くするなよ?」
『もちろん、VIP待遇です』
「いや、そこまではいいわ」
そういうと、黒ウサギと十六夜と龍嗣は運営本陣営の謁見の間まで連行された

「随分と派手にやったようじゃの、おんしら」
「ああ、ご要望どうりに祭りを盛り上げてやったぜ」
「胸を張って言わないでくださいこのお馬鹿様!!」
スパッーン!!
黒ウサギのハリセンが十六夜の頭にヒットする
「冤罪だ白夜叉、俺は何もしていないだろ?マンドラさん」
『『『えぇ、もちろん』』』
『う、うむ』
納得するマンドラと憲兵の幾人か
「ほぅ、何故ココにいるじゃ?」
 ・
 ・
 ・
数秒の沈黙の後
「なんでここにいるんだ?」
龍嗣がそういうと

ズガァァン!!
その場にいた関係者が全員がコケた
「ってかさ、俺こいつらが壊した塔を直したんだった」
「ほぉ〜塔を直したか、やるなお主」
「どうも」

「ふん!;ノーネーム;の分際で我々のゲームに騒ぎを持ち込むとは!相応の厳罰は覚悟しているか!?」
「えっ!?」
「おい、エッ!?とはなんだ、えっ!?とは」
「だって、一応二人の仲間だし」
「・・・」
黙り込むマンドラ
「まぁ、よい、サンドラ殿」
「はい、;箱庭の貴族;とその盟友の方、此度は、;火龍誕生祭;に足を運んでいただきありがとうございます、貴方達が破壊した建造物の一件ですが、もう素手にお仲間方が修繕してくださいました、負傷者は奇跡的になかったようなので、この件に関して私からは不問とさせていただきます」
そういうと、舌打ちをするマンドラ。
「あぁ〜そのことについてひとついいか?」
「はい、なんでしょう?」
「参加コミュニティって、もう締め切られている?」
「えぇ、そうですが、ですが、そちらは白夜叉様がエントリーしているはずじゃ」
黒ウサギと十六夜が顔を見合わせる
「いや、ひとつコミュニティが参加してないんだよ」
「はい?」
そんな中、白夜叉が真剣な顔をして、威圧感全開で龍嗣に言ってきた。
「やめろ龍嗣、あれは公には出来ぬ存在――わかるであろう?あれは、こちらのJOKERカードじゃ、単独行動は許さん、それに勝手に動くようなら;平天大聖;全勢力 私、斉天、平天、覆海、混天が動くと思え」
「ちょっと、白夜叉様――どういうことなのですか!?黒ウサギは、説明を要求します」
「はい、コミュ二ティ;ノーネーム;マスターとして要求します」
「小僧、黒ウサギ、すこし黙っておれ、分かっておろうな、四桁の我らを相手にするということは?」
冷や汗が龍嗣からこぼれ落ちる
「はいはい、わかりましたよ、オーナー」
そういう龍嗣だった

「あ、あの――白夜叉様」
「おぅ、すまんな、熱くなってしまった」
サンドラがこの状況を突き破るように言ってくる
「さてと、いい機会じゃ――昼の続きを話しておこうかの」
白夜叉が連れの者に目配らせをする。サンドラも同士を下がらせ、側近のマンドラだけが残った。

-17-
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