小説『百獣の王』
作者:羽毛蛇()

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”スパンダム?”



〜Side ゾロ〜



「スパンダムの狙いがプルトンの私物化にある以上、少なくともフランキーはあの島にまだいるハズだ」


先行していたサンジと、無事救出されたチョッパーを途中で回収して、ロビン奪還失敗の報告を聞いたタクミは、特に慌てた様子もねェ。

今はエニエスロビーを目の前にして、旋廻を続けるロケットマンの中で、眠っていたルフィを起こしてから、中断されていた(というよりは脱線して有耶無耶になっていた)最終確認を始めていた。


「敵が戦力の分散を避ける事を考えれば、ロビンとフランキーの護送は同時と考えるのが自然、となれば、目標は長官室のある”司法の塔”に絞られる。そして……俺の占いがそれを真実だと証明した」


おもむろにタクミが紫煙を吐き出すと、そこには”99.9999%”の文字が浮かぶ。

占いが証明だなんて聞いたら、他のヤツらは大笑いするんだろうが、この一味においては、ソレは絶対の指針になる。

タクミの言葉に異を唱えるヤツは誰もいねェ。


「主戦力は俺たち”麦わらの一味”、職長達とフランキー一家はサポートに回ってもらう事になる。問題無いな」

「ルッチ達との戦いを見て、アイツらに勝てるのはお前らだけだっていうのは解ってる」

「アクアラグナをぶった斬ったアンタらに勝てない相手なら、おれ達にはどうにもできねェんだ。すまねェけど、アニキを頼む」


この短期間で、タクミはこの連中からの信頼も得たみてェだな。裏方に回れっていう無常の宣告にも、反論はあがらねェ。

辺りを見渡したタクミは小さく頷くと、さっきより声を張って説明を続けた。


「エニエスロビーの兵力は約一万人だ!! 一丸になって突撃しても構わないんだが、それだと全員が辿り着くまでに、目標が動き出す可能性が高い!!」


”一万人”って言葉に反応して周囲がざわついてやがるが、タクミは表情を崩さずにおれ達を見据えた。


「よって大規模殲滅技で、ある程度の兵力を削る事にする!! 一番槍はビビ!!!」

「はい!!!」

「あの嬢ちゃんが!!?」

「大丈夫なのかよ!!!?」


フランキー一家や職長連中はビビの実力を知らねェから、おれかタクミがソレを務めると思ってたみてェで、随分と驚いてるが、タクミは反応一つ見せない。

何時に無く真面目に背筋を伸ばして返事をしたビビを見つめて、周囲のざわつきが止むのを待った。


「お前の力を世界政府に見せてやれ!!! 加減はいらん、雑兵共を殲滅しろ!!!」

「了解!!! とっておきの新技を魅せてやるわ!!!」


…………殲滅命令を受けて悦ってやがる。一国の王女様が、見る影も無いな。

そのあんまりな光景はフランキー一家の連中を思いっきり引かせたみてェだが、一味の誰も気にしていない……大丈夫か? この一味? 仮にも王女が高額賞金首になりかねない事をやらかすのはマズイと思うんだが。


「ビビの大規模殲滅技を放った後は、変則の”鳳天舞の陣”を敷きながら中央突破!!! 前衛に俺とチョッパーとビビ、後衛にルフィ、ゾロ、サンジ、中央にナミとウソップだ!!!」

「後衛って後ろで戦うんだろ? おれは前がイイぞ!!!」


ルフィの意見には概ね同意だな。タクミはともかくビビとチョッパーを前に据えて、おれ達が後ろってのはイマイチ納得いかねェ。


「お前とゾロは前を行かせたら一本道でも迷子になるからな。俺としては、サンジを保険につけても不安が残る……今回はいつも以上に俺も本気なんだ、黙って言う事聞いてくれ」

「おれはゾロと同類扱いされてたのか……」

「そんなにショックか!!!? おれだってお前ほど方向音痴なつもりはねェよ!!!」

「「「「「「…………」」」」」」


……何だコイツラらのこの視線は。可哀想なモノをみるような眼でおれを見やがって。


「ゾロ……がんばれ……超がんばれ。大丈夫、そんなゾロを、おれは応援してる」

「トニー君の眼が慈愛に満ちてるわ!! ゾロ、この期待には応えなくちゃね!! たぶんムリだと思うけど!!」

「ッ!!!?…………善処する」


反論は無駄みてェだ。コイツら人の事をバカにしやがって!!


「クエッ!! クエクエクゥ〜〜?」

「ん? そうだな……カルーはナミを乗せて走ってくれ。張り切りすぎて、陣形を崩さないように注意しろよ? この陣形は近距離戦闘の苦手な……苦手な?……苦手な、ナミとウソップを護りながら進軍する為の陣形なんだ。覚えておいてくれ」


久々に活躍出来るとあって、カルーは勢い良く頷いてんだが……アイツ今ナチュラルにカルーと喋ってたな。

まぁ、今さら何があっても驚かねェけどな。タクミはカルーの頭を軽く撫でると、今度はフランキー一家の方に向き直って指示を続ける。


「俺たちが突入する時に、外縁の柵を曲げておくから、俺たちの突入から二分後に、お前らはロケットマンで柵に突っ込め」

「ンマー!!? ちょっと待て!!? 鉄柵をロケットマンの発射台にしようって言ってるのか!!?」

「何ィ!!? 着地はどうするんですかイ!!?」


この海列車で飛べってか?? いくらなんでもムチャクチャだ。

本気でそんなこと考えるヤツは頭がおかしいとしか……何で何も言わねェ……まさか?


「……大丈夫だ。問題ない。人間はそう簡単に死にはしないんだよ。根性で乗り切れるハズだ」

「てめェコラァ!!! おれ達に死ねってか!!?」

「銀獅子さん!!!? 冗談ですよね!!!?」


まさかの”根性”で乗り切れ発言に、ブーイングが発生してるんだが、タクミは無視する構え。

ロビンが絡むとアイツは常識が通用しねェ。つくづくこっちサイドでよかったと実感するな。


「あー、取りあえず五月蝿い。無事に着地を決めたお前らは、ソドムとゴモラを両翼先端に据えて”鶴翼の陣”を敷きながら、向かってくる雑魚共を潰せ。現場指揮官はアイスバーグさんに任せる」

「戦闘は専門じゃ「アイスバーグさんが仕切ってくれるんなら、安心して戦えます!!」……そうか、わかった」


暗に戦力外通告された事に気づいてねェな? おれ達が通った後の道で、数を囮に雑魚を引き付けるだけの役目なんだが……伝えねェほうが幸せか。


「ちょっと待って? コイツらはこの海列車で特攻をかけるとして、わたし達はどうやってあの島に上陸するわけ?」


確かに、誰も今までツッこまなかったが……タクミが笑った?……嫌な予感がしやがる。


「説明は終了だ!! これより、”エニエスロビー全壊!! ロビン奪還作戦!! 星になろうツアーもあるよ?”を開始する!!」


言うや否や、突然壁をぶち破り、ビビを掴んで振りかぶったタクミの暴挙を、おれ達は誰も止められなかった。



〜Side スパンダム〜



「暴くぞ暴くぞ!! お前達の強さ!! まず、カリファ……2200道力!! ブルーノ820道力、カク……!! 3600道力!! ルッチ……むむっ!! 4800道力!!!」

「4800だと!!? 真面目に測ったのか!!!?」

「すっげェ!!! そんな道力聞いた事ないっしょ!!?」


ウォーターセブンに派遣していたメンバーが帰還して早々、フクロウのヤツが体技の力量を測る技「手合」を仕掛けたせいで、ジャブラとネロが騒がしくて敵わん。

それにしても、ルッチとカクはさらに成長したな。秘書として潜入していたせいで鈍っているだろうと思っていたカリファも、僅かに道力を上げているとは、喜ばしい限りだ。


「騒ぐなジャブラ!! ネロ!! 仲間の強さを認めてその上を目指せないヤツは、何時か強さの上限を迎える事になる。お前達はおれと違って時間があるんだ。弛まず鍛錬に励め」

「はっ!! 長官!! お見苦しい所をお見せして申し訳ありませんでした!!!」

「そんな事言ったって、先輩がたの強さはちょっとおかしいっしょ? いくら鍛錬したってそうがばらッ!!!?……」

「誰だお前は? 新人か? 長官殿に逆らうなら死ね」


新人のネロは、ルッチに蹴り飛ばされて、壁を突き抜けて隣の部屋まで飛んでいった。

本気でトドメを刺しに行きかねないルッチに、おれは軽く眩暈がしてきた。


「ルッチ!!……ヤメロ」

「はっ!! 長官殿!!」


おれの命令にすぐさま姿勢を正して敬礼するのはイイんだが、アイツはおれに幻想を抱きすぎだ。

いくら家が代々CP9の養成機関に出資してきたからといって、おれ個人に恩義を感じる必要はねェんだがな。

だが、ココでは、ルッチ程じゃねェが、全員がおれをたてるのを当然のようにしている……まぁ、長官なんだから当然といえば当然か。


「ネロはお前らと違って、養成機関で修行してきたワケじゃねェんだ。カリファと同じエリート組なんでな、最近前線に出ていないおれに反発するのも当然だ」

「どうりで、眼が濁ってると思いました。コネでCP9を名乗るとは……長官殿、ヤツを単独でヴィラの鎮圧に向かわせてはいかがでしょうか?」

「長官!!! わたしとアレを一緒にしないで下さい!! わたしは長官を尊敬していますし、コネでもありません!! コレ以上おっしゃるならセクハラです!!」


ヴィラ……確かクーデターが激化してるんだったな……そこまでネロが気に食わないか。

ルッチとネロは作戦行動を共にするのはしばらくムリだな。だいたい「四式」って何なんだ? そんな半端者を推薦してくるCP7長官は何がしたかったんだ?

まぁイイ。カリファのセクハラ発言も相変わらず使いどころがおかしい。尊敬してるとか言いながら、昔から月に一度はセクハラ認定されてたからな。

ラスキーさんの教育が間違っていたのか、カリファが天然なのか……おそらく後者だろう。

久しぶりに一同に会した面々を眺めて溜息が出てきた。コイツらを纏めるのがおれの仕事だからな。コレじゃろくに鍛錬も出来ない。


「長官殿? 溜息など吐かれてどうなさったんですか? ご気分が優れないのでしたら、罪人の護送の手配はカリファに任せられてはいかがでしょう?」

「平気だ。それよりブルーノは五年間も何をやってたんだ? 情報収集の保険としてお前を酒場に配置したのはおれだが、暇な時間に鍛錬は出来ただろ? せめて指揮官であるおれの道力くらいは超えるように努力しろ」

「申し訳ございません!! 今後の鍛錬で挽回してみせます!!」

「チャパパパパ、おれもお前も長官の道力の半分以下だからなー。でも、ネロの420道力に比べればマシだー。チャパパパパ」

「420!!? あのガキそんなに弱かったのかよ!!? CP9の選考基準は500道力以上じゃなかったのか!!?」


…………五月蝿い。コイツらの相手をしていたら、何時まで経っても罪人の尋問が出来やしない。

尋問官の手柄にしたくないから、ココで情報を吐かせたいってェのに……そうだ、アレがあったんだったな。


「カク、カリファ、お前達に長期任務達成の褒美がある。受け取っておけ」

「「「??」」」


騒ぐのを止めておれに注目する部下達の前に、おれは引き出しから取り出した箱を投げてやった。


「コ、コレは!!? ”悪魔の実”!!? よく二つも入手出来ましたね!!?」

「何!!? おいっ!!! ソレをコッチに近づけるんじゃねェ!!!」

「何バカな事を言うとるんじゃ?」

「お前らはソレを持って別室に行け。おれはコイツらに話があるからな」


部下達の興味は”悪魔の実”に移ったらしく、素直に退出していったんだが、カリファだけがこの場に残った。


「どうした? ”悪魔の実”には興味が無かったか?」

「いえ、コレは大変ありがたいのですが、長官にご提案したい事がありまして、この場に残らせていただきました」


カリファはいつになく真剣な面持ちで、コチラを真っ直ぐに見ている。


「提案? 話してみろ」

「はい。わたしは、ニコ・ロビンを、CP9に推薦させて「その話はもうイイわ」!!?……どうして!!? アナタこのままじゃ処刑されるのよ!?」

「私の仲間は、必ず私を助けに来てくれる。私だけ保険がある状態で助けを待つだなんて、皆に失礼だもの」


冷静に話すニコ・ロビンに、カリファは辛そうな表情を浮かべて俯いてしまった……話が見えてこないな。


「……ちょっと待て、”麦わらの一味”がココに向かってきているのか!!? ニコ・ロビンを助けに!!?」

「えぇ、護送中に一度襲撃を受け、その場は退けたのですが、あの調子だと簡単に諦めるとは「何故それを真っ先に報告しない!!!?」!!?……申し訳ありません。入室した途端にフクロウが「手合」を仕掛けてきたもので」


何て事だ!!? ココに向かってきてるだと!!? あの”麦わらの一味”が!!?

クソッ!!! 青キジ殿に話を聞いてから、あの一味の素性を細かくあらったが、アイツらはとんでもない一味だ!!!

CP9長官の座について10年は経つが、おれは一海賊団をコレほど恐怖に感じたことはねェ……本格的に計画を変更しなければならんかもしれんな。


「おい貴様!! フランキーとか言ったか。設計図はどうせ体の中に隠しているんだろ? さっさと出せば命は助けてやる」

「!!? てめェ!!! 何でソレを知ってやがんだ!!?」


こんなバカに、貴重な駒を半数も割いていたとは……情けなくなってきた。


「カマをかけただけだ。貴様はサイボーグなんだろ? 何かを隠すなら体の中に隠すのが一番安全だ」

「ック!! お前ら政府の人間は何時もそうだ!!! 8年前トムさんをおれの船で罠に嵌めたときだって「トム?」……何だァ!?」


「フフフ……ワハハハハハハ!!! そういう事か!!! 貴様、カティ・フラムだな?」

「!!!? だァー!!! また余計な事を喋っちまったァ!!!」


「貴様にオモシロい事を一つ教えてやろう。当時のCP5長官から相談を受けて、あの作戦を提案してやったのはこのおれだ」

「な!!?…………てめェがトムさんを陥れた元凶だったのか」


静かな怒りに燃えているといった様子だが、可笑しなことを言うヤツだ。


「陥れるも何も、ゴール・D・ロジャーの船を作ったのは大罪だ。そんなヤツが、海列車を作ったくらいの功績で、生きててイイわけがないだろ?」

「てめェ!!! トムさんを侮辱するってェならでぇぼぁら……」


おれに飛びかかろうとしていたフランキーは、カリファの一蹴りで、ネロが飛んでいった方向に錐揉み回転しながら飛んでいった。

サイボーグじゃなければ死んでたな。まあ、設計図は殺した後に解体(バラ)して手に入れれば……いや、ヤツの意思で取り出さなければ処分されるような仕掛けが施されてるかもしれん。

迂闊には手が出せんという事か、面倒だな。


「カリファ、ソイツの体の中にはプルトンの設計図があるんだ。丁重に扱え」

「申し訳ありません。我慢の限界が来てしまいまして。尋問室に放り込んでおきます」


カリファがフランキーを回収するべく退室すると同時に、部屋に電伝虫の呼び出し音が鳴り響いた。

コードイエロー、侵入者を告げる電伝虫の送話器を落ち着いて取ると同時に、見張り台に立たせている部下の、困惑した声が聞こえてきた。


『『長官……水色の髪の女が、正門に向かって飛んできています』』

「あァ!!? 女が飛んできたァ!!?」


送話器を下ろしたおれは、双眼鏡を手にして正門の方を窓から覗く。

…………いた!!! 情報によると、あの女は確か、アラバスタ王国の王女、ネフェルタリ・ビビ!!!

青キジ殿の情報では特に戦力としての警戒はなかったが、不確定情報として自然系の可能性が上がってる危険因子だったハズ。

慌てて送話器を取り直し、部下に特殊弾使用の指示を送ろうとしたが、その瞬間、正門を越えた本島前門の辺りに巨大な水柱が出現した。


『『侵入者の女は、水柱の上からコチラを見下ろしています!!! 能力者のようです!!!』』

「その女は自然系だ!!! 監獄弾を使って捕獲しろ!!!」


おれの指示はすぐさま前門の衛兵に伝えられたようだが、女の位置は監獄弾の射程範囲外らしく、撃たれた網は、虚しく地面へと落下していった。


「雨女さん!!? 一人で突入してきたの!!?」

「おれの前で罪人が許可なく口を開くな!!!」


足枷もせずに放置していたニコ・ロビンが窓に駆け寄ろうとしてきたが、おれの気迫に押されて足を止めた。

マズイ!!! 水の能力者なんてヤツが敵となると、武装色の覇気が使えるルッチか、海楼石の武器を使うカクじゃねェと戦いにすらならん!!!

おれが次の指示をどうするべきか悩んでいると、部下から不可解な報告が上がってきた。


『『侵入者の周囲に、無数の水球が出現しています!!! 敵の攻撃準備だと思われるのですが、指示をお願いします!!!』』


仲間から雨女と呼ばれたアイツの技……次々と掌から生み出され、周囲を埋め尽くしていく水球……どんな技だ!!? 効果の見当がつかん!!!


『『長官!!! 指示を!!!』』

「……巨人を呼べ!!! アイツらに監獄弾を直接投げさせろ!!!」


『『二人は只今就寝中でして「叩き起こせ!!! 寝ている衛兵も全てだ!!!」了解!!!!』』


そうこうしている間にも、水球は増え続けていき、雨女の周囲を大きく旋廻し始めた。その数は目算で700個といったところ。


「間に合え。間に合え。間に合え! 間に合え!! 間に合え!!! 間に合え!!!!」


何もすることが出来ないおれは、ただただ同じ言葉を繰り返すとしか出来なかった。


おれの願いを嘲笑うかのように、双眼鏡の向こうの雨女は、両手を広げ、不敵な笑みをコチラに浮かべた。

あり得ない事なのは解っている。それでもあの女は、確かにおれを見て笑った。


『『長官!!!「”哀羊豪嵐弩(メリーゴーランド)”!!!!」ぐあァァ!!!?「おい!!! おい!!? 応答しろ!!!」……』』


雨女の生み出したおよそ1000の水球は、その一つ一つが10程の雨、いや、矢となって降り注いだ。

部下の通信に、ノイズ交じりで雨女の声が入ってきた直後の部下の悲鳴。呼びかけても、返事はもう返ってこなかった。

あの万の矢は、まだ起きてもいなかった衛兵達にも等しく降り注いだ事だろう。

この状況……正門から前門にかけての衛兵はほぼ全滅だろうな。


ネフェルタリ・ビビ……アイツは僅か三分で、このエニエスロビーから、どれほどの兵力を削ぎ落としたっていうんだ!!!?


すぐにCP9を召集するべき状況だったが、おれはしばらく動けそうになかった。



 
  
〜おまけ〜



「ビビの周りを水球が回ってる? てっきり”大津波”を使うもんだと思っていたんだが……そういえば新技を使うとか言ってたな。どんな技なんだ?」

「ビビの技なんだから、エグイ技に決まってるわよ!!! そんな事より!! わたし達の事もビビみたいに投げるつもりじゃないでしょうね!!?」


「どんどん数が増えていくな……ん? 投げるけど?」

「ふざけんじゃねェ!!! おれをお前らみてェなバケモノと一緒にすんな!!! 普通に死ぬわ!!!」


「ルフィを最初に投げるから、風船で受け止めてもらえよ。いけるだろ?」

「おう!! 任せとけ!!」

「『任せとけ!!』じゃねェェエエ!!!! 跳ね返るんだよ!!! お前のアレは!!!」


「そこら辺は臨機応変に。お前らも大概バケモノだから大丈夫だよ」

「「誰か助けてーーーー!!!!」」



〜Fin〜
 
 
 

-114-
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