小説『最強彼女』
作者:櫻井音羽(音羽.Com)

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「山ノ内・・・さん?」

「そーだよー!」

山ノ内さんは、嬉しそうに笑った。

レジの人は クラスメイトの山ノ内翔子だったのだ。

山ノ内は、あいつの二番目にモテてる・・・らしい。

放課後の教室で誰かが(男子)話しているのを聞いたことがある。

でも・・・・

「うちの学校、アルバイト禁止じゃなかったっけ?」

「・・・・・まぁ」

山ノ内さんは、気まずそうに目をそらした。

「内緒にして?お願い!!」

「いいけど・・・」

後ろを振り向く。

「後ろ並んでるから早くしてくれるかな」

「あ、ごめんごめん」












「おっはよ〜」

教室に入って、まず声をかけて来たのが、彼女だった。

変わらない日常。

「あぁ、おはよ」

「西山く〜ん」

ゲッ。

甘い声とともに、あいつが僕の体に後ろから飛びつく。

そう、山ノ内翔子。

「昨日は楽しかったね。またきてね」

山ノ内さんが、満面の笑みで(後ろにいるからみえないけど)笑ったような気がした。

彼女の頬がぴくっと引きつるのが分かった。

彼女が切れたときのサインだ。

ヤバい!!

そう思った瞬間、彼女は鬼の形相になっていた。

「西山ぁあああああっぁぁぁぁぁぁ」

僕かよっ!!

山ノ内さんじゃねぇのかよっ!!

山ノ内さんは、身の危険を感じたのか、すっと僕からはなれた。

僕を見捨てるなぁああ!!

逃げようとしたが、彼女に二の腕をつかまれる。

「てめぇええええ、昨日あいつと何したんだぁあああああ」

「何にもしてないってばぁっ」

「嘘つけぇえ」

辺りは、しんとなって彼女と僕だけを凝視していた。

「嘘じゃねぇええええってば」

「しらじらしいっ、こうしてやるわっ」

しらじらしいも何もあるかっ!

何もしてねぇんだから!

僕は、後ろから首を絞められる。

く、くるしい!

必死にもがくが、彼女の手は決して離れる事はない。

僕は目を白黒させた。

っていうか、これ殺人じゃねぇ?

どんどん強くなって行く首を絞める力。

がららと、扉の開く音がした。

先生が入ってくる。

先生は僕たちを見て、目を見開く。

そして、すっと青ざめた。

h,help me…….(た、助けて・・・)

僕は、目の前が真っ暗になった。

これ死んだんじゃね?

この物語もう終わりなのか・・・?

僕・・・死ぬのか・・・?







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