小説『最強彼女』
作者:櫻井音羽(音羽.Com)

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ゆっくり目を開ける。

僕はベッドに寝かされていた。

消毒液のキツいにおいが、鼻を霞める。

白い天井・・・

ーーーーここは・・・?

起き上がってみる。

首がじんじん痛んだ。

その痛みで、記憶がよみがえる。

ー彼女に首を絞められたんだった・・・。

どうやら、ここは保健室のようだ。

よかった・・・と思わせてもしかして、ここ冥土だったりして・・・なんてね。

「おきた〜?」

今まで何かを書いていた保健の宮部智美先生が振り向く。

「おきまし・・・って先生!?そのカッコ・・・」

なんと、先生は天使の格好をしていたのだ、白衣じゃなくて。

「これ?これねー」

「もしかして先生天使なんですか?!!」

「は?」

先生がぽかんと口を開ける。

先生の頭の上で揺れる輪っか(?)。

「僕死んだんすか?!」

「えっとね・・・」

先生(天使)は、言いにくそうに目を伏せてこぶしを額に当てた。

やっぱり!

僕殺されたんだ?!!

「ここ、どこなんすか?!天国?地獄?」

僕が先生にすがりつく。

「えっと、ちがうのよ」

「へ?」

今度は、僕がぽかんと口を開けた。

「これコスプレなのよね〜」

「コスプレ!?」

「潤ちゃ・・・田山先生にもらって・・・ね、試着してたとこなのよ。そこに西山君が起きたってこと」

田山先生とは、うちのクラスの担任ー田山潤一である。

あの真面目で硬派な田山先生が!?

そう、田山先生の授業中、しゃべったら実験のモルモットにされるっていうくらいの噂が流れているくらい。(オーバーすぎだろ)

笑顔なんか見た事がない。

だが、そんな先生のファンは多い。

そして、宮部先生も結構モテる。

先生目当てに休み時間、保健室に来る男子がいるっていうくらい。

女子にもトモちゃんって呼ばれて親しまれている。

そんな先生がコスプレ?!

ってか、田山先生が一番ありえねぇ!!

そんな事を思っていると、扉が音を立てて開いた。

「トッモちゃん〜♪」

「潤ちゃん♪」

二人は、僕の前で抱き合いやがった。

バカップルか?

僕は、心の中で毒づいていると、田山先生が僕に気づいた。(今頃?!僕ってそんなに存在薄い?!)

「に、に,に,に,に、西山?!」

『に』が五つ多いよ・・・先生・・・・・・はぁ。


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