小説『最強彼女』
作者:櫻井音羽(音羽.Com)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

「えぇーっと、これはだな・・・深い理由があってだな・・・」

深い理由ってなんだよ。

「先生・・・いいです。説明は」

「いや、でも誤解なんだぞ?!」

「大丈夫ですから、誤解してませんって」

先生は空咳して、メガネをかけ直した。

「とりあえず、保護者に連絡して・・・」

「先生」

宮部先生が、田山先生の声を遮る。

「なんですか、宮部先生」

「何度電話しても、つながらないんですよ」

それもそのはず、うちの親は二人揃って秋葉原に行っているのだから・・・。

そう、秋葉原っていったら、オタクの聖地。

うちの親も、オタクなのだ。(二次元の方の)

家中には、フィギュアで埋め尽くされている。

そんな中でこんな平凡な僕が育ったのは奇跡だと思う。

余談だが、めっちゃラブラブなのだ。

さっきまでの田山先生と宮部先生みたいに。

二人がつながっているのは、赤い糸じゃなくて、オタクの絆(いと)じゃないかっておもうほど。

-13-
Copyright ©櫻井音羽 All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える