「えぇーっと、これはだな・・・深い理由があってだな・・・」
深い理由ってなんだよ。
「先生・・・いいです。説明は」
「いや、でも誤解なんだぞ?!」
「大丈夫ですから、誤解してませんって」
先生は空咳して、メガネをかけ直した。
「とりあえず、保護者に連絡して・・・」
「先生」
宮部先生が、田山先生の声を遮る。
「なんですか、宮部先生」
「何度電話しても、つながらないんですよ」
それもそのはず、うちの親は二人揃って秋葉原に行っているのだから・・・。
そう、秋葉原っていったら、オタクの聖地。
うちの親も、オタクなのだ。(二次元の方の)
家中には、フィギュアで埋め尽くされている。
そんな中でこんな平凡な僕が育ったのは奇跡だと思う。
余談だが、めっちゃラブラブなのだ。
さっきまでの田山先生と宮部先生みたいに。
二人がつながっているのは、赤い糸じゃなくて、オタクの絆(いと)じゃないかっておもうほど。