教室がざわめいている。
なぜなら、僕たちのクラスに転校生が来たからだ。
僕は、それより彼女の事を考えていたので、三月の今頃に転校生が来るなんて珍しいなくらいしか思ってなかった。
でも転校生の顔を見たとたん、自分の目を疑った。
だって、そのチャラ男はこの前の彼女と一緒にいたチャラ男だったのだから、
「北山雅(きたやま みやび)や!よろしゅうな」
雅というチャラ男は、名前にふさわしくない程、チャラ男だった。
名は体を表すというけれどあれは嘘なのか?
まぁ、そんな事はどうでもいいや
とにかく、心中はしてないみたいだし。
僕は、密かに安堵の息を漏らす。
「よろしゅうな!和也」
「うわぁぇああぁああ?!!」
僕はいきなり話しかけられて飛び上がった。
周りの視線が僕へと集まる。
ぁああ・・・もう。
「どうかしましたか?西山くん」
田山先生が訝しげに僕を見る。
「い、いえ、なんでもありません。すみません」
「そうですか。では、授業を始めましょう」
先生は黒板に向き直り、また文字を書き始めた。
・・・ったく、チャラ男が隣の席だとは・・・。
早くクラス替えしねぇかなぁ。