小説『最強彼女』
作者:櫻井音羽(音羽.Com)

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「ダーリン、順位発表見に行こ!」

順位発表とは、今回のテストの結果を中3の全員中1〜50番まで総合点で順位がつけられて

掲示板にそれを書いた紙を貼られることである。

ちなみに、1年の時からそこに僕と翔子はランクインしたことがない。

いわずもがな、彼女は、毎回1位だ。

翔子と廊下を歩いていると、掲示板に数十名、人が集まっているのが見えた。

なぜかその集まりは、どよめいていて皆同様に、驚いていた。

かすかに、声が聞こえた。

「軽山田、一位じゃないのかよ?!」

えぇえ?!

心の中で、驚きの声をあげる。

ありえない、あいつが一位じゃないなんて。

「めっずらしーっ!なんかあったのかな??」

横からきこえる翔子ののんきな声。

で、誰が一位なんだろう?

僕の疑問はすぐに解けた。

「一位は、先間京華らしいぜ!」

マズマキョウカ?

聞き覚えの無い名前に首を捻る僕。

そんな子、いったけな?

「『phantom of beauty』かよ!転入したばっかなのにすげぇな!」

ふぁんとむ おぶ びゅーてぃ?

「なんじゃそりゃ?」

「美しき幻影・・・」

「うをっ」

後ろから、つぶやくような声が聞こえた。

それにびっくりする僕。

そこには、切れ長の目に黒い長髪。

賢明そうで整った顔立ちの女の子が立っていた。

「だ、だれっ?!」

「先間京華・・・」

「君が?!」

「そう・・・」

先間はにこりともせずにうなずいた。

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