「ねぇ、ダーリン。もうすぐ修学旅行だね。楽しみっ♪」
「え?あ、そうなんだ。いつだっけ」
「『いつ?』って明日だよ?」
「マジで?!」
「え、知らなかったの〜??」
「うん」
「何班とかおぼえてる?確かダーリンは私の班じゃなかったけど」
「おぼえてねぇ、全く」
「先生に訊きに行ったほうがいいよ〜。あ、ほら田山先生来たよ」
僕は翔子に背中を押されながら、訊きに行った。
正直、修学旅行なんてどうでもいいんだけど・・・。
それなら、家で寝てたい・・・。
「あのぉ、先生」
あぁあぁぁ、先生の顔が、あのデレデレの顔と二重に見える・・・。
「宮部先生とは上手くいってますか?」
僕がそう言うとポーカーフェイスだった先生の顔が一瞬崩れた。
ちょっと、おもしれぇな・・・。
「ん、まぁな・・・。来月には結婚しようと思っている・・・」
少し照れ気味に先生が言った。
その表情で幸せが垣間見えた。
「おめでとうございます」
「訊きにきたのはそれだけか?」
「いえ、あの。僕って修学旅行の班、何班でしたっけね?」
「確か、西山は行動班は三班、就寝班は一班だ。行動班は千田、中山、里田と同じで、就寝班は高田、葉山、葛城とおなじだな」