小説『最強彼女』
作者:櫻井音羽(音羽.Com)

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おそるおそる、教室に入った僕は、思わず胸を撫で下ろした。

そこには、いつも通りの風景がひろがっていた。

だが、どこか、わびしい感じがする。

なにか、物足りない気がするのだ。

クラスメイトの声がした。

「美夏ちゃん、どうしたんだろ」

「風邪だってきいたけど」

「マジで?大丈夫かなぁ」

風邪?!

あいつが?!

昨日まで元気だったのに。

看病に行こうかな・・・。

いや、いや。

僕は慌てて首をふった。

何で僕がっ!!

ってか、僕そんな答えに至るんだ?!

あいつなんか・・・。

僕は、あいつの悪行を思い出してみた。

それは数えきれないほどあった。

「カズ!」

僕は慌てて、前を見た。

そこには、慶太郎が仁王立ちしていた。

「なに?」

「お前、美夏ちゃんの看病に行くなよ!!」

「い、いかねえよ!!んなの」

「いや、信じらんねぇな。だってお前美夏ちゃんの事好きだろ?」

「なっ!!?」

「やっぱりなぁ、そうだと思ったよ」

慶太郎が勝手に納得して、鼻をフフンと鳴らした。

「ちがっ!!」

「ま、覚悟しとけ」

違うってば、何で僕がアイツのこと・・・。

-7-
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