小説『Allegrissimo〜急速に進む俺の物語〜』
作者:緋村()

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彩音 「早河くんの荷物はそれだけなんですか?」


学園に向かってる最中に俺にそういってくる姫崎さん
俺が今、持っているのはミドルサイズのショルダーバッグ一つ

中に入ってるものは転入手続き関連の資料と暇つぶしのための小説が2、3冊くらいだ


慶一 「ほとんどは引越しの荷物とともに送りましたからね。おそらく、寮のほうに届いているかと」


そういえば言っていなかったがここ大宇宙市には学生が人口の大半を占めるので寮が完備されているのだ
大宇宙学園の近くにその一つがあり、俺が今日から住む場所だ

部屋は二人で一つのなんだが、俺の部屋のルームメイトにはまだ挨拶どころか名前すら知らないので行ったらしっかりと挨拶しようと思う

まぁ、部屋の相手は大体同い年だから大丈夫だと思うんだけど


彩音 「へぇ〜、そうなんですかぁ」


姫崎さんはなんか興味深く頷いてるけど


慶一 「別にたいしたものはもってきていませんよ?」


俺は姫崎さんにそういう
すると、姫崎さんは笑い出し


彩音 「あはは、寮の部屋ってあんまり広くないですしね」


そういう
パンフレットどおりなら俺が持ってきた荷物5つ分は入るのだが・・・

女の子は荷物が多いからかな?
ちなみに、大宇宙学園に通う生徒は全員俺のこれから住む寮にすんでいるため姫崎さんもその一人だ


彩音 「あ、つきましたね」


慶一 「お、ホントだ」


見上げるといつの間にか大宇宙学園についていた
大きいなぁ〜。人がかなり入りそうだな

そうそう、学校はこの大宇宙学園以外にもここから東にある大宇宙第2学園や西にある大宇宙第3学園も存在するんだ。
名前に第2第3がついても学力とかそういうのは同レベルで、ただ単に自分の住んでいる寮によって学園が違うだけなのだ


彩音 「じゃあ、このまま中もご案内しますね。本当はまず担任の先生のところに行くべきなんですけど、急な職員会議が入ってしまったそうなので」


そう申し訳なさそうに姫崎さんは言うけど、姫崎さんが悪いわけじゃないと思うな


慶一 「はい。それじゃ、お願いします」


そういうと姫崎さんが歩き出し中に入っていったので俺もその後を追うように大宇宙学園に入っていった


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彩音 「校舎内はこんな感じだよ。できたばっかでそれなりに新しいから綺麗でしょ?」


へ〜・・・やっぱり広いなぁ
道に迷っちゃいそうだ
しかも床も周りもピカピカ
掃除系の能力者でもいるのだろうか?

と、バカなことを考えながら歩く

そういえば、この学園って朝比奈財閥(あさひな)の資本が入ってるんだっけ?

すげぇよな。
つうか、どんだけするんだろう。0が10桁ぐらいは軽くいってそうな・・・


すると、姫崎さんがとある教室の前で止まった

そしてそこのドアをガラガラと開ける


彩音 「はい。ここが、私たち2年B組の教室。早河くんは、明日から転入なんですよね?」


慶一 「その予定です」


そういうと姫崎さんは何か考える仕草をする


彩音 「部屋も片付けないといけないのに大変ですね・・・。私、何か手伝えることがあったら手伝いましょうか?」


そういってくれるのはありがたい
だけど


慶一 「大丈夫ですよ。荷物はあまり多くはありませんから」


彩音 「ふふふ、そうですか。同室の人と仲良くなれるといいですね」


姫崎さんはそういう
仲良くか。感じのいい人だといいんだが・・・

すると、姫崎さんが何か思いついたように人差し指を立てて


彩音 「そうだ!後で私のルームメイトも紹介しますね?その子も同じクラスで、すごく仲良しなんです」


へ〜。それは、ありがたい
姫崎さんと仲良しならいい人なんだろうな


彩音 「早河くんとちょっと雰囲気似てるし仲良くなれると思いますよ?」


そうだといいな
転校してきて話相手なしなんて嫌だしな


慶一 「それって男?それとも女?」


俺はとりあえず疑問になったので聞いてみた


彩音 「女ですよ」


女か。ていうか、俺って女の子と雰囲気似てるのか?
想像しがたいな、その女の子は・・・


彩音 「あ」


慶一 「ん?」


と何か思い出したのか姫崎さんがこちらを向いて


彩音 「早河くんって今、敬語で喋ってるよね?私もだけど・・・・・・その、明日からクラスメイトなわけだし、もうちょっと普通に喋らない?」


・・・・・・そうだな
敬語、今まで使ってたけどなんか疲れた


慶一 「・・・そうだな。こんな感じでいいか?」


自身の楽な姿勢をとり、はぁ〜と息をはいて姫崎を見る
姫崎はそれを見て


彩音 「うん♪それじゃ、改めて自己紹介。私は姫崎 彩音」


そう笑顔でいう姫崎


慶一 「俺は早河 慶一だ」


彩音 「それじゃ、よろしくね早河くん♪」


慶一 「こちらこそよろしく、姫崎」


彩音 「うん♪」


と満足そうに笑う姫崎を見て俺は笑みを浮かべるのだった


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