小説『Allegrissimo〜急速に進む俺の物語〜』
作者:緋村()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

2人の会話も終わり筑黄泉先生は理事長に話があるとかで理事長室に向かい、残された俺は姫崎そして美琴に学園を1通り案内され、今度は俺の住むことになる寮のほうへと向かっている


彩音 「早河くんと美琴ちゃんって幼いころどんなことして遊んでたの?」


興味津津に俺と美琴の幼いころの過去を聞いてくる姫崎
幼いころにどんなことして遊んだ、か


慶一 「そうだなぁ……こいつと遊ぶ場合なんでもかんでも勝負事になっちまうから、体を動かす遊びが多かったなぁ。それで、毎日俺が負けてこいつにからかわれて……『男が女に負けるとか笑える〜』とか言われた時は、もう泣いたね」


美琴 「うぅぅ。悪いと思ってるわよ」


その言葉を聞いて美琴は若干涙目
だって、こいつの運動神経ありえないからな?
その代わり頭は結構かわいそうだけどな


彩音 「早河くんの泣いてる姿かぁ〜。今じゃそんなの想像もできないけど」


褒めているのか褒めていないのかよくわからないな
まぁ、褒めているということにしておこう


美琴 「今やったらどっちが勝つかしらね?もちろん、『マスター・ギア』込みでいいわよ?」


美琴が俺にそう挑発してくる
…こいつの自信を見るとそれ相応の能力を持ってるってことか?
ああ、やだやだ。ただでさえすごい奴がさらにすごくなったら俺には勝ち目ないじゃん
よって…


慶一 「嫌だよ、お前がそうやって自信もっていうときってのは俺が負ける時だからな」


美琴 「ふっふ〜ん、わかってるじゃない」


彩音 「そういえば、早河くんの『マスター・ギア』ってどういうものなの?」


美琴が自慢げに胸を張っているなか姫崎が俺にそう聞いてくる
俺のマスター・ギア、か


慶一 「その時がくれば教えてやるよ」


俺の『マスター・ギア』は珍しいらしいけど、自慢できるほどでもないし
ていうか


慶一 「お前らのはなんなんだ?」


そういうと、美琴が最初に口を開く
どこか自信ありげだった


美琴 「私の『マスター・ギア』はマーメイド。能力は水の中でも息ができることと周りの水分を操ることができること」


うわ〜…チートやん
ここは、海に浮かぶ島のようなものだし街の中も水で溢れかえっている

しかも、水分ってことは室内でも使えるのか?
水蒸気とか、水素とか他にも水が含まれている気体はたくさんある

…はぁ、やっぱり勝てる気がしねぇや


美琴 「でも、それよりも彩音のほうが強いのよ?」


………え?
この、ほわほわしてて頼りなそうな姫崎が美琴より強い、だと?


彩音 「ほわほわなんてしてないよ!それに頼りになるって言われてるもん!」


おっと、声に出ててらしい
姫崎はご立腹のようだ。一応、姫崎にどんな能力なのか聞いたが秘密といわれた
美琴も本人が言わないなら言わないらしいので答えてくれなかった
というか、


慶一 「…人って見かけによらないよな?」


美琴 「うん。私も初めて会ったときはそう思った」


どうやら美琴も俺と同意見のようだ


彩音 「2人ともひどいよぉ〜」


姫崎は涙目だ
からかいすぎたかな?


慶一 「悪い悪い。なんか奢ってやるから機嫌直せよ?」


するとどうだろう。涙目だった瞳からは涙が消えて満面の笑顔になり


彩音 「じゃあ、いちごパフェ!」


そういう
姫崎ってパフェ好きなんだな
ま、金には余裕あるしいっか


美琴 「私はチョコバナナパフェ!」


慶一 「お前は自分で買え」


さりげなくそういう美琴
ったく、こいつは…
美琴は頬を膨らませている


美琴 「ぶぅ〜慶一のケチンボ!!」


彩音 「いちごパフェぇ〜♪」


その後、寮に行く前に喫茶店に行きパフェを姫崎に奢った
美琴はしっかりと自分の金で払わせたけどな

-6-
Copyright ©緋村 All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える