小説『魔法少女リリカルなのは―ドクロを持つ転生者―』
作者:暁楓()

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e21.因果応報と言うべき、かな・・・





皆さん、突然ですが大変です。
え、何が大変なのかって?
いや、とりあえずは俺の頭の上なんだが。

「♪」

すごく上機嫌で俺に抱き付き、俺の頭に頭を乗っけてくる、金髪の少女。

近くでマテリアルズがその頭をどかすよう言うが、この子は聞く耳を持たず。

で、そんな俺達の前では・・・

「         」

「         」

話し合う、おふくろと紫の髪の女性。

え、なんて言ってるのか読み取れ?

まあ待て。その前に一旦説明しようと思う。
こうなった理由を、さ・・・。

それは・・・ほんの1時間ほど前のことだった・・・





今日は休日であり、俺は買い物に出かけていた。

母さんはキャバ嬢として基本夜はいない。よって晩飯は俺1人だし、今までおふくろの作り置きだったが最近は自分で作るようになっている。結果として、こうして食材の買い出しも結構俺1人でやるようになっている。

さて・・・今日の晩飯は何にすっかな・・・。

そんなことを思いながら歩く。





・・・・・・ゴフゥッ。

誰かにタックルされた。誰だ。





・・・・・・・・・ん?

おっかしーなー。俺の目が悪くなったのかなー。

9歳児のフェイトがいるよー?

フェイト(?)が顔を上げた。

『久し振りだね、キリヲお兄ちゃん!』

・・・ホワッツ?

え、お兄ちゃん?え、待て待て。お兄ちゃんって、どういうこと?え、俺、フェイトのお兄ちゃんになったっけ?同い年なのに?

いや、待て。なんか思い出しそうな気がする。なんか随分前の何かが・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・あ。
理解したかも・・・・・・。

ゼンマイ巻かれたロボットみたいに、ゆっくりこの子の後ろを見る。

『久し振りね、キリヲさん。4年振りかしら』

すっげー見覚えのある女性が、笑顔で会釈してきた。

同時に、将来のバッドエンドが半分以上は確定的だと思った。



な・ん・で!プレシアとアリシアが海鳴市に来てんだぁぁぁ!!
言葉が出ない。言葉は出せない?違う違う。言葉が出ない。

あまりの展開に愕然としていると、プレシアの方からやってきた。

『ふふっ、驚いたかしら。私達も、あなただとわかった時は驚いたのよ?でもアリシアはすぐに喜んで駆け出したんだから』

そんなプレシアの言葉は耳を通過するのみだった。

そして俺はメモ帳を取り出して、手早く書くことを書く。

で、見せる。


:少し訳ありで耳が聞こえないため、筆談でお願いします
そして聞きます
なんでここにいるんだ!!!


筆談というワードにあらあらと少し驚いているプレシア。
プレシアに見やすいようにしたため、未だに俺に抱き付くアリシアからは高さ的に見えない。

プレシアはそのメモ帳とペンを受け取って書き出した。


:虚数空間に落ちたってことになってはいるけど、犯罪者だから管理局を避けながら生活していたの。
でもアリシアを学校に通わせた方がいいし、だから管理局が手出ししづらい管理外で、かつあなたがいる地球にしたのだけれど、海鳴市にいるだろうって見当以外であなたの居場所の手がかりがないから、運がよかったわ


・・・長文乙と言いたい、いや、書きたい・・・。

管理局が手出ししづらい、ねぇ・・・。


:残念ながらこの世界のこの街、管理局員がめっちゃいるぞ
フェイトもいるんだが


そう書いて返した時、プレシアの表情が少し歪んだ・・・気がした。多分、フェイトの存在のところを読んだ辺り。
最初は失敗作への、偽物への憎悪だろうかと見たが、なんか違う。悲痛そうな表情にその考えは消えた。こういう時にチャンネル[es]が使えたらなぁ・・・。

まあそれは後の祭。

俺は買い物は中止にして、とりあえず話を詳しく聞くために家に連れて行った。





で、今。

居間では、おふくろとプレシアが談笑している。
最初こそプレシアとアリシアを不思議そうに見ていたおふくろも、俺が知り合いだと言ったらすぐに警戒心を解いた。不用心すぎないか?

アリシアはさっきから胡座をかいている俺に背中から抱きついている。頭を俺の頭の上に乗せ俺と2人で母親2人の会話を眺めている。
マテリアルズはアリシアに頭をどかすよう奮闘中。アイツらにとって、俺の頭は鳥の巣みたいな感じで落ち着くらしい。もう俺はそれについて何も言わないことにした。

で、おふくろとプレシアは何を話しているのか。

全部ではないが軽く読み取ったところ、現在プレシアとアリシアはこの世界で住む場所を探しているらしい。
だが、庭園の損失と4年間の生活で資金は0に近い状態。
色々困っていたところで、俺と再会し、現在という流れになっているようだ。

で、おふくろの導き出した答えは・・・、

『なら、ここで一緒に住みましょ♪』

予想通りとは言え、なってほしくない答えが来た。

どうやら、俺に死亡フラグが立ったようだ。

『ええ!?いいのですか?』

『キャバクラで働いていると、キリヲを1人にさせてばっかりでね。できれば一緒にいてくれる人がいたらな〜って思ってたのよねぇ〜』

まさに好条件。断る理由がない。

だがプレシアはまだ悩んでいるようだ。まあ、人の家で厄介になるのには後ろめたさがあるようだ。

あ、おふくろがアイコンタクトしてきた。俺が説得しろってか。・・・道理だけど。

・・・うーん、だからって直接ここに住まわすのを誘うのはだめだな。死亡フラグの回避は諦めるとしても。
つまり、プレシア自身がはっきり言い切るような何かをすりゃいいんだな。よし、思いついた。

メモ帳にガリガリ書く。


:アリシアはどうしたいんだ?


これをアリシアに見せる。

直後頭に振動が来る。アリシアが何か言ってるみたいだ。

『それじゃあ、これから厄介になります』

『いえいえ、こちらこそよろしくお願いします』

うちに居候ができた。

やっぱ親バカプレシアには、アリシアの言葉が判断基準になるようだ。

もう・・・どうでもいいか。元からリインフォースの件で死亡フラグかBADエンドフラグは立てているだろうし・・・・・・と、遠い目をする俺であった。

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