小説『魔法少女リリカルなのは―ドクロを持つ転生者―』
作者:暁楓()

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e49.久々の学校ですよー





シグナムとの模擬戦は敗北という、まあ予想通りの結果。とりあえず俺個人での魔導師ランクが出たそうなのでよしとしよう。

それから3日かけて、シュテル、レヴィ、ディアーチェの力を借りてそれぞれ模擬戦をした。模擬戦にはなのは達が協力してくれて、クロノも相手になってもらった。
で、結果は・・・



1、シュテルユニゾンver対なのは
なのはの問答無用のバスター連射に防戦一方。そのうち防御仕切れずにKO。

2、シュテル人形化ver(昼時)対ザフィーラ
なのはに一方通行された腹いせにブラストファイヤー連発。
そしたら烈鋼襲牙が何度も返ってきてKO。

3、シュテル人形化ver(夜時)対ヴィータ
夜の人形化はまさに俺無双。近接、遠距離両面でヴィータをフルボッコにした。
そしたら人形化を解いた後でヴィータが泣きながらシバいてきた。

4、レヴィユニゾンver対フェイト
速さ、技量、経験、魔力とほぼ全てにおいて負けてる俺。先手必勝ということで初っ端からスプライトで行く。
しかしフェイトはもうこの時点では開発途中段階らしい真・ソニックフォームになったため速さで負け、ガーディアン有りでも防御力は薄くなったため敗北。
ちなみに、俺のスプライトは制服の夏期正装(枷無し)状態・・・自分で設定したんだけど、バリアジャケットと言えるのか?これ・・・。

5、レヴィ人形化ver(昼時)対クロノ
クロノの設置型バインドがうざかった。超うざかった。
バインドとたまにくるスティンガーをよけてばかりで近づけず、結果タイムアウト。引き分け。

6、レヴィ人形化ver(夜時)対シグナム
人形化の6倍速に加えて、スプライトでさらに速度強化をすればさすがのシグナムでも対応できまい。
そう思って実行したら、俺が速さを制御仕切れず壁に大激突。
教訓、速度の強化はほどほどにしましょう。
敗北。

7、ディアーチェユニゾンver対はやて
今更ながら、ユニゾン状態ではそれぞれのオリジナルには勝てなくね?と思い始めた俺。
しかし今回は、はやてはそもそも戦闘型ではないということもあって、接近戦に持ち込んでなんとか勝利。

8、ディアーチェ人形化ver(昼時)対シャマル
近づくとクラールヴィントの宝石部分が飛んできてうざいため遠距離でちまちま攻撃することに。
しかし風の護盾に何度も阻まれてイラッときた。最終的には判定勝ち。

9、ディアーチェ人形化ver(夜時)対リインフォース
夜の人形化では6倍強化を軸にしていくのが基本。
6倍速でダガーや砲撃を避け、隙を見て反撃。これで勝利。
ただ、リインフォースが手加減というか遠慮をしていた。かく言う俺も少し遠慮していたが。



・・・ということで、最初の1戦も含めれば4勝5敗1分けという、俺にしてはよくやったな、と思える結果に。
でも、人形化に頼ってるって言うのが正直言うところだ。はやては前述の通り前線に出るタイプじゃないんだし。
それぞれ1回ユニゾンしたら1日使えなくなるという欠点はあるけど・・・さすがに訓練した方がいいか。

そしてリンディ提督や、なのは達にカニバルについての情報と、対処にはシュテル達が持つプログラムで浄化させる他はないことを説明した。
ちなみにシュテル達は以前におふくろに説明した時と同じく――だと、大火星王の宴がバレてしまうため、ある日拾ったユニゾンデバイス、という説明にした。
それはいいとして、とにかくカニバルの出現には、俺が対処する、ということで納得してもらった。





さて、7月17日、久し振りの学校である。
ホントに久し振りだ。なんせ10日以上も学校には行ってないんだから。

朝食を取り、玄関に立つ。
相変わらず背中の古傷を隠すためにコートを着て、エニグマのアザを隠すために右手に革手袋。

「行ってらっしゃい、キリヲ」

今までは想像で音を再現していた世界。
だけど、今は違う。

「・・・行ってくる」

ただ一言、俺は言って、家を出た。
相変わらず、頭上ではワシャワシャと3人が動いている。





久々の通学路に色々目を向けながら歩く。
懐かしいな・・・そういや、7月に入って俺ってまだ2日しか学校に行ってないんだっけ・・・。
いかんな・・・授業ってどこまで進んだのか・・・中学だからって甘く見たらいかんからな・・・・・・。
そう思っていたら

「どーーーんっ!」

「っ!?」

後ろからの衝撃&声。
少しびっくりしたが、このタックル・・・すぐに検討がついた。


:おはよう、キリヲ君
先週ずっと来てなかったみたいだけど、大丈夫?


・・・やっぱり、優香か。
確か・・・優香はあの時、俺の自宅前に来ていたはずだ。あの暴走だって見たはずだ。
なのにこうして接してこれるのは、コイツの優しさなのか。


:ああ、今日から来れるようになった


筆談で話しかけてきたため筆談で返す。
ここで喋れるようになったことを明かすのもいいのだが、いちいち1人1人驚かれるより、纏めて一辺に明かしてやった方が楽だろう。


:うん、今日もよろしく♪


そう書いて見せてきた後、左腕に引っ付いてきた。
諦めて、さっさと歩こうとする。
すると

「キーリーヲー君っ!」

またタックルされた。
・・・もう予想はついている。
すずかだった。


:おはようキリヲ君
やっと来れたんだね

:色々あったんだ
仕方ないだろ

:そっか
じゃ、一緒に行こ


すずかが右腕に引っ付いてきた。
会話能力が低下するんだけど・・・やろうと思えば普通にできるけどさ。





すずかと優香の口論を直に聞きながら教室へ。
1週間開けていたことがあってか、教室に入った瞬間何人かに驚いたような表情を向けられた。
とりあえず席につく。まだ変わってないから助かった。

「あ、そうだ」

優香が(もう腕には引っ付いていない)、思い出したように手を合わせ、そして何やら書き出した。


:キリヲ君、休んでた分のノート、必要ない?
良かったら貸すよ


「ちょっ、ずるいよ優香ちゃん!」


:キリヲ君、私のノートも借りていいよ?


お前達・・・ありがたいけど、クラス違うだろ・・・。いや、そんな大した違いはないだろうけどさ。

とりあえずは声を出すタイミングをどうしようか考えつつ、ここはまだ筆談がいいかとメモ帳を取り出した時だった。

「よお、久し振りだなぁサイレンス!先週は丸々と不登校だったっていうのに、随分と図太い神経だな!」

神崎がやってきた。
何気に、コイツと顔合わせるのも久し振りだな。いつ以来だっけ?

・・・あ、そうだ。
忌束キリヲということで1つ、使ってみたかった台詞があったんだよな。
バラすのにも頃合いだろうし・・・・・・よしっ。

思い立った俺は座ったまま腕を、そして人差し指を真っ直ぐ神崎へと向けた。

「・・・・・・?」

頭に疑問符を浮かべる神崎に向け、口を開く。

「神崎拓也・・・25点で赤点。ナルシストすぎ」

沈黙。

赤点宣告された神崎も、隣にいたすずかと優香も、あと友達と雑談したり、本読んでたり、その他諸々・・・この教室にいる、なのはとフェイトを除く全ての人が凍り付いた。

「は?・・・・・・え?」

「わからないのか?赤点だと言ってんだ」

未だに状況を呑み込めていないようである神崎にもう一度言う。

そしたらようやく理解したのか、神崎の両目が大きく見開かれた。

「しっ、喋ったぁぁぁぁぁぁっ!!」

「うるさい。10点減点」

王様キリヲによる個人採点。

一度はやってみたかったことである。





「びっくりした!キリヲ君、いつの間に声が出るようになったの!?」

「なったもんはなったんだ。別にいいだろ」

神崎が気味悪がって退散していった後、我を取り戻したかのようにハッと慌てた様子ですずかが聞いてきた。
だが治した方法が方法なだけに、適当にあしらうことに。

「でもよかったぁ。これでいじめもなくなるといいね」

「俺は気にかけもしてないけどな」

それはそうと、優香はどうしたんだ?
さっきから、ずっと俯いて何やら震えているんだけど。
と、思ったら、優香いきなり顔を上げてきた。

「―――すっごいっ!」

・・・はい?

「すごいよ!ずっと音の自由が効かないって理不尽を耐え続けて、遂に音を取り戻した・・・理不尽を正したんだね!さすが隊長だよ!」

あー、うん。確かにそうだね・・・。正確には治してもらったんだけどね・・・。
つーか、俺はもう隊長として認定されたの?

「この話をしたら隊員達ももっと希望持てるし・・・それに規模を拡大させられるかも・・・」

「やめてくれ」

本気で第2の神崎勢力化しかねん。
あれ、つーかその理不尽\隊って、規模はどれくらいなの?存在以外は全然知らないけど。

「優香、理不尽\隊とやらの隊員って、今どのくらいなんだ?」

「ん?隊員は・・・・・・私とキリヲ君を含めて10人ちょっと。男女も学年も関係なく、殆どがキリヲ君にいじめとかから助けてもらった人達で結成されてるよ」

ポケットから取り出した紙を見ながら答える優香・・・それ、まさか名簿か?

まあいいや・・・まあ、確かに、助けたやつは男子だったり、あと稀に先輩方だったりもしなくはなかったが・・・。
・・・待てよ?俺が助けたやつが集まってできているってことは、これから俺が助ければ助けるほど、人数が集まっていくってことなのか?
おいおい、冗談はやめてくれ。ホント、取り巻きとか作ろうなんて思ってないんだから。できるだけ学校では静寂に暮らしたい派だから。最近ますますその静寂から懸け離れている気がしなくもないけどっ!
それに、もし勢力が拡大していったら、せっかく黒歴史作ってまで神崎勢力を削り取った意味がないじゃないかっ!?

・・・けど、どう対処すればいいのか、それが思いつかないのもまた事実・・・どうしたらいいのさ。

「はぁ・・・別にいいけど、下手に騒ぐようなことはするなよ?」

「わかってますよ隊長♪隊員もチーム神崎みたいな人柄の子はいないから」

そうか?ならいいけど。
つか、この会話あれじゃね?部下に忠告する隊長と抜かりないと返す部下の絵じゃね?もう俺隊長として板についていたりしてんのかおい?

「あ、そろそろ朝のホームルームの時間・・・じゃあねキリヲ君、お昼一緒に食べよ?」

「ああ・・・」

時計を確認してそう言った優香は、颯爽と去っていった。
そういや、すずかほったらかしに会話してたけど、すずかも会話に入ってこなかったよな・・・何してんだ?

・・・チラッ。

「・・・私も、隊員になれたりするのかな」

「やめてくれ」

すずかの呟きに、俺は反射的にそう返した。
小さく呟いていたようだが、背を向けられない限りは、まだ当分は使える読唇術で筒抜けだ。
それとしつこいようだが、俺は第2の神崎勢力みたいな事態になるのは嫌なんだからな?

ともかく、こうして俺の音有りでの学校生活は始まったのであった。





授業の話?音が聞こえなかろうが聞こえようが、書いてて面白くないだろ?





さて、昼休みだ。昼食時である。
約束通り、俺は優香と屋上で昼食を取ることにした・・・なのは達と一緒に。
先週の内に、優香と原作5人とは友達関係になったらしい。なお、あの時優香は俺の異変やら、魔法を見たこともあって色々打ち明かしたんだとか。

・・・今更思ったんだが、コイツら5人って他の女子と一緒にいたりする場面って見ないな。

「いやーそれにしても、こうして聖祥5大美女のみんなと一緒にお昼を食べれるって、恐縮だなー」

「それ、先週も言ってなかったっけ?」

「でも、ホントに恐縮なんだよ〜。ファンクラブ会員が抜け駆けなんて言われたら怖いし・・・」

「そのファンクラブがいるのは結構だけど、そのせいで女子の友達が全然できなくなってたのよねー」

まあ、恐れ多いよな。
聖祥5大美女の友達ってのも恐縮もんだろうし、なったらなったでファンクラブから叩かれる可能性だってあるし。

「うんうん。今でも楽しいんやけど、もうちょっと友達がおってもええよなーって、そう思ってたんや」

おめでとう優香。お前はその5人の希望を叶えたんだ。

「ねぇキリヲ君」

「ん?」

なんだすずか。
おかずのエビフライを尻尾ごと食いながら、すずかに視線を向ける。

「キリヲ君も何か喋ろうよ。ここに来てから、食べてばっかりだよ?」

「そうよ、アンタ声が使えるようになったんだから何か言いなさい!」

確かに、俺は黙々と弁当食ってた。
これでは俺が悪いように思えるが、ずっと黙りっぱなしだった俺に罪はない。

「じゃあ言うけどな、俺とお前ら、男女の比率を考えてみろ。1:6だぞ?男子がたった1人という状態で、女子の会話の輪に遠慮なく入るとか、例え俺が不良で通っていてもそんな無神経でも、図太くもないからな?」

「大丈夫だよ!キリヲ君は不良なんかじゃないって、それを私は証明したんだから!」

そういう問題じゃねぇ。

「優香、問題として定義してる場所がずれてる。・・・それに、だ。お前らが普段どういう話をするのかも知らないし。今まで音なしだったからこっちの普段の話とかもない。・・・・・・怪談話だったら本気出せるけど」

「お願いだから、今ここでは怪談はやめてね?」

それぐらいわかってる。
そもそも、昼間から怪談ってことがまずないから。
・・・ってか、それはどうでもいいとして。

「とにかくだ。話せる状態じゃないし、話す内容もない」

「なら、私達で話題を振ればいいんじゃないかな」

今度はなのはが提案してきた。
その考えはあったけど・・・。

「一体何の話を出すんだ?基本的にテレビとかは見てないんだけど」

「じゃあ、私から1ついいかな?」

フェイトから?
一体何を・・・

「アリシアとは普段、どんな感じなの?」

「俺とアリシア?」

「あ、それ私も気になってたんだよね。キリヲ君のことをお兄ちゃんって呼んでるのは聞いたけど」

そこは知ってんのね・・・。

「普段から甘えん坊だ。なぜかプレシアよりも俺に甘えてくる」

そのせいで何度プレシアに恨みがましい目で見られたことか・・・。
時と場合によっては、アリシアがいない間に電撃を放ってきたこともあったし・・・

やべっ、当時のこと思い出してきた・・・。

「き、キリヲ君どうしたの!?大丈夫!?」

「なんか、すごく顔色悪いし、震えてるよ!?」

「だ、大丈夫だ・・・・・・数週間前のことを思い出しただけだから」

手で軽く優香を牽制し、その内に気分を落ち着かせる。
だ、大丈夫だ。大丈夫・・・プレシアが電撃放ってくるのって、大抵俺に非があったりするんだから自業自得なんだ。主に才能を利用してアリシアをからかったりとか。

・・・よし、落ち着いてきた。

「まあ、とりあえずだ。俺とアリシアは普段仲良し・・・あれ、逆に仲が良くなかった時ってあったっけ・・・」

アリシアは基本ベタ甘だし、俺もなんだかんだ言って甘いし・・・それに、無音の時は感情表現はしづらかったからな。あれ、仲が悪かった時なんてねぇや。

「妹キャラでキリヲ君にベタ甘なアリシア・・・・・・あかん、このままだとリインフォースが不利や・・・」

「おい子狸、俺には読唇術があるのを忘れたのか。小声で呟いても全部筒抜けだぞ」

「誰が子狸や!ってか、全部読まれたんか!?」

読んだよ。・・・リインフォースか。
アイツが俺のことを想ってるかどうか、それはわからんが・・・俺は、アイツを幸せにすることはできないだろうな・・・。
確かにあの時、俺とリインフォースは謝り合って、それで関係は改善された。だけど、言い換えればそれだけ。付き合うって訳じゃないし、俺がアイツにしでかした罪が消えた訳でもない。

それに・・・俺にはまだ、影(シャドー)化の危険性が残ってる。
俺の、才能が存在する限り影(シャドー)化の因子も抱えることになる。もう影(シャドー)化しないなどという確証はないし、影(シャドー)化を治す手段ももうないんだ。そして影(シャドー)に呑まれれば、間違いなく一番近くにいた人に襲いかかる。
それがリインフォースになるなんてことは・・・絶対に嫌だ。
だから、アイツとも・・・他の誰とも、付き合うことはできないだろう。
そして、影(シャドー)化が再発した時には・・・今度こそ、1人で・・・

寂しくないと言えば嘘になるけど・・・もう悔いはないさ。俺の行動を正しいと言ってくれる人がいた。それで十分なんだから。

・・・こんな思考はやめだ。鬱るだけだし。
ま、それに自滅は現時点での合理的な最善手であって、これから先にどうなるかわかったもんじゃないし。
うん、それがいい。

「・・・ところで、話ばっかで飯はいいのか?もう少しで昼休み終わるぞ?」

「へ?・・・あーっ、本当じゃない!急いで食べるわよっ!」

「にゃー!?私まだ卵焼き1つしか食べてないー!?」

「奇遇ですねなのはちゃん!私もですー!」

「ところで、そう言うキリヲ君はどうなんや!?」

「もう完食した」

『裏切り者ーっ!』

今はまだしばらく、この日常に浸ることはできるだろ。





―side・拓也―


学校から帰ってから、俺は局員として仕事をしていた。強盗犯の逮捕・・・それがついさっきまでやっていた仕事だった。
だが、そんなことはどうでもよかった。俺は今朝に言われた、急に喋れるようになっていたサイレンスの言葉に苛立っていた。

『神崎拓也・・・25点で赤点。ナルシストすぎ』

俺が?25点?赤点?
これほど完璧な俺のどこが悪くて、25点なんだよ!?
それに、そう言った奴こそどうだよ。
不良のお前は、もはや0点だろ。

それに、そんな0点不良がまた俺のなのは達をたぶらかしやがって・・・。
ああ、クソッ!イライラするっ!

「なあ、神崎ー」

俺が苛立っているところに、俺がいる部隊の同僚が声をかけてきた。

「あん?なんだよ?」

「なんか、すげー苛立ってんな・・・なんかあったのか?」

「別に」

「ふーん・・・じゃ、神崎、今朝頃から噂になってる少年の話、知ってるかー?」

「あ?」

学校に行ってたから知ってる訳ないが、ちょっと興味を持った。

「レアスキル検査って、えらく時間食うことで有名じゃんか。でもって最近、検査期間が1週間っつー記録を打ち立てた奴がいるらしいぜ」

レアスキルの検査か・・・確かにあれは時間かかったな。
俺の力は、検査に1日半かかった。確か、今までの最長記録は3日間だったって、どっかで聞いたことがある。
・・・あれ、1週間って滅茶苦茶時間かかってるじゃん・・・。

「どこの誰で、どんなスキルなんだよ、それ」

「ああ、ちょっと待っててくれ。スキル長ったらしいから見てないんだよな・・・」

そう言って、そいつはモニターを出した。

「えーっと・・・『才能』って言って、同じ暴走性を持つ8つの能力の総称らしいな。で、そのスキル保有者は・・・」

8つ・・・明らかに多いな・・・まさかそいつも転生者か・・・。

「忌束キリヲ、13歳、第97管理外世界出身・・・おお、お前と歳も出身世界も同じじゃんか」

「っ!?」

アイツがだと・・・!?

・・・・・・そうか、アイツは転生者だったのか・・・!

「魔法文化0って言いながら、お前んとこの世界って優秀な魔導師が多いなー。お前だったり、高町なのはだったり八神はやてだったり・・・・・・ってか、どうした?お前。そんな不適な笑みを浮かべて」

「・・・いや、何でもないさ。それより、さっさと隊舎に戻るぞ」

「お、おう」

奴は転生者だからなのは達を手に入れようと、彼女達に近づき、そして誑かしてるんだな・・・!

俺からなのは達を奪おうとする上に、俺に恥を塗り、陥れた・・・許さねえ。
潰してやるっ・・・奴は転生者なんだ。もはや遠慮なんかいらねぇ・・・!
そして、なのは達を救い出す・・・!

待ってろサイレン――いや、忌束!俺の力で、お前をぶっ潰すっ!!


―side・out―

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