小説『Endless Agony -Vol. 01- 〜東西日本動乱篇〜 (執筆中)』
作者:五十嵐 繚乱()

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『Deus Abscoditus』


略称『DA』はアメリカによって開発された二足歩行機動兵器である。

実際の米中戦争の戦場で使用され、現代の世間に確認されている兵器の中では最新でありまた最強とも謳われている。

10機と乗り慣れた搭乗者がいれば、小国であれば一晩で陥落させられるとも言われている程だ。

この兵器を保有している国はアメリカとアメリカと親睦の深い先進国だけで、そこら辺の武装集団が手に入れる事など不可能なはずだった。


「…アメリカの息の掛かった連中か?」

「いえ、違うと思います」


翡翠の疑問を戸惑いもなく否定する紫苑。


「この機体のフレーム…。現在アメリカで使用されているどの機体にも該当しません」


紫苑は倉庫の中を漂いながら全ての機体を観て回る。


「それにこのDA。通常の物より一回り小さいですね」

「言われてみれば…」


アメリカ製のDAの全長は10メートルなのに対して、このDAは6〜7メートル程である。


「早いとこ、どっかの国がアメリカの技術をパクったって事ね」


琥珀の咄嗟の一言に、一瞬だけ周りの空気が止まった。


「えっ…どうしたの?」

「…お前も偶には頭が回る事があるんだなって」

「スコールが来るんじゃないでしょうか?」

「…私の頭脳ってその程度?」


琥珀はあんぐりと口を開けて固まってしまった。


「ま…まぁ、この兵器は中国製で間違いないと思います」


紫苑は琥珀をあやしながら翡翠に自分の出した結論を述べる。


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