小説『始まりはいつも唐突で』
作者:孤狐()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

「おーい!こっち回せー!」

「結城には絶対に回すなよ!!」

「マーク増やせ!」

ただ今、体育の授業中。
男子はサッカー、女子は100メートル走。

「……暑苦しい」

日差しが強くなりだした今日この頃。
周りを野郎に囲まれ、自軍のゴール前で待機。
暑苦しくて仕方ないが、前回やりすぎてしまったから体育教師に攻めるなと悲願されたので、仕方なく守りに。
まぁ、今日は暑いから動き回ろうとは思わないんだが。汗もかきたくないし。

「結城、そっち行ったぞ!」

ぼーっと余所見をしていると、敵が攻めてきていた。
というか、相手はマークに人数割いてるのに…。

「結城リトー−−!!!」

喧しい奴が来てしまったもんだ。

「いつもいつも綺麗どころを集めやがって!!今ここで引導を渡してくりぇ!?」

「うるさい」

周りのマークを抜いて、特攻猿野郎からボールを奪い取る。

「っと。ほら」

軽く、ボールが割れない強さでゴールへシュート。
わざわざカーブまでかけたボールは、ネットへ突き刺さる。

「あーーくっそ!また入れられた!!」

「おい猿。5点入れたらおごってくれるんだよな」

「へいへい。何をおごりましょうか」

「商店街のたい焼き。昼休みが終わるまでに」

「ちょっ!?この鬼!悪魔!外道!フラグメーカー!!」

疲れているだろうに、喚きながらボールを追いかけに行く猿。
……ボールが来るまで待ってるか。

-25-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




To LOVEる―とらぶる― Blu-ray BOX
新品 \31610
中古 \30000
(参考価格:\39900)