「ハッ!ダインスレイヴ!」
ジークフリートが魔剣を横に薙ぐと地面から巨大な氷柱が発生し、龍騎士団を貫いて凍らせていく
パキンッ!と言う儚い音を立てて、氷と共に騎士団は散った
ジークフリートが所有する魔剣はやはり侮れない
「ちょっと振るっただけであの効果かよ!うまく近付いたとしても、このままじゃ木場の体力が保たなくなる!」
そんな憂慮をする一誠
龍騎士の残りがジークフリートに斬りかかっていくが、ジークフリートは龍騎士の剣撃を体捌きだけでやり過ごす
「その新しい禁手(バランス・ブレイカー)の弱点は少しの手合いだけで理解出来た。――――キミの能力を龍騎士達に反映出来るんだね?けれど、技術はまだ反映出来ていない。速度だけの騎士団では、この僕に通じる訳も無い!」
ジークフリートが最後の一体を軽く受け流そうとしたその時……最後の龍騎士だけは今までの龍騎士とは違った
軽やかに動き、ジークフリートに生えた龍の腕を1本切り落とした
同時にジークフリートは大きく仰け反り、表情が苦痛の色にまみれる
自分を斬った龍騎士に視線を配らせると、龍騎士は兜のマスクを外す
その龍騎士は――――なんと祐斗だった
「……バカな……ッ!では、あちらのキミは!」
少し離れた位置で騎士団に指示を飛ばしている祐斗……しかし、その姿が徐々に消えていく
龍騎士の甲冑を身に着けていたもう1人の祐斗は、甲冑を脱ぎ捨てて不敵に笑む
「あちらの僕は幻術ですよ。魔力で作り出したモノ。本物の僕は龍騎士の鎧を身に纏い、騎士団に紛れ込んであなたが油断するのを待っていたんです」
「へぇ、そんな事をしてやがったのか」
「盾にした時に紛れたんだ。そして、あなたが僕の龍騎士団の弱点を把握して、油断するのを待った。案の定、あなたは僕の能力の弱点を見つけ、油断してくれた。――――相手の弱点を探るのが英雄派の戦い方でしょうから。それを逆手に取りました」
土壇場で自分の能力の弱点を逆に利用した祐斗
ジークフリートは自分の過失に憤慨しているが、それ以上に驚愕の色が強かった
「このダメージ……キミは龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の力を得たのか!」
ジークフリートの言葉に一誠も驚き、祐斗が手に持つ聖剣を前に突き出して話す
「ええ。――――『龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の聖剣』、あなたの神器(セイクリッド・ギア)が龍――――ドラゴンを冠する以上、例外無くこれには抗えない」
「龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の魔剣、聖剣は神器(セイクリッド・ギア)で創り出すのが一番困難だと言われていたんだけどね。発現してしまったのか。大した才能だ」
「元々、龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)についてはイッセーくんが再び暴走した時用の止める手段の1つとしてディオドラ・アスタロト戦後直ぐにアザゼル先生から打診されていたんだ。龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の聖剣、または魔剣をね。勿論、龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の聖魔剣にも出来る」
かなり前から暴走一誠を止める為の手段……龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の剣を研究していたらしいが、祐斗は苦笑する
「けれど、その後イッセーくんが『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』をやめて、暴走しない道を選ぼうと模索していたから、僕は龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の聖魔剣の修行を中断していた。でも、あなたとドラゴンの闇人に苦戦を強いられた後、再び発現を目指したんだ」
祐斗の言葉にジークフリートが悔しそうな表情を浮かべる
虚を突かれたのが屈辱だったのだろう
そこへリアスが降りてきた
「イッセー、新、祐斗と毎回トレーニングしているでしょう?」
「え?ええ、そうですけど?」
「……私はそれが凄いと思うの。あなた達とそこまで付き合える祐斗の実力に感服するわ。イッセー、新、今のあなた達は相当な強さを持っている。全力を出し切れば、獅子の神滅具(ロンギヌス)と同化したあのサイラオーグと戦える程よ。そのあなた達と毎回トレーニングに付き合える祐斗をどう思う?」
「生身で俺達と付き合える時点であいつもバケモノですよ」
「あぁ、防御の向上を捨てて、回避に全てを費やしてるからな。どんな攻撃も当たらなきゃ意味が無い」
「イッセーと新のパワーの陰に隠れてしまうけれど、あの子も相当な手練れに育っているわ。私から見ればあなた達と祐斗は若手悪魔を代表出来る程の実力者よ」
自慢の眷属を誇るリアス
新、一誠、祐斗は最早グレモリーチームの最強オフェンスとも言える
「赤龍帝と闇皇、2人との修行が僕を何処までも高まらせてくれる。一度、彼らとのトレーニングをオススメするよ。――――ただし、毎回死ぬ覚悟を持って臨まないといけないけどね。2人は手加減なんてしてくれないから」
「……そうだね。それも考えよう。けれど、まずはこれらを退けてからだよ」
ジークフリートの周囲に霧が発生し、そこから死神の大群が現れる
駐車場を埋め尽くす勢いで次々と出現する死神
その数はおよそ1000体以上だった
「上手く鎌を避けきったキミ達だが、流石にこの物量をぶつければ鎌も当たるよね」
「ケッ、質より量作戦で来たか」
「……あらあら、これはちょっと大変ですわね」
空中で雷光を落としていた朱乃も合流
5人で固まって構えるものの、この場をどう切り抜くべきか模索する
周りに存在する死神軍団
一斉に襲ってきたら避けようが無い
次なる一手に苦慮していると、一誠の内側から話し掛ける者達がいた
『やあ、兵藤一誠。竜崎新。ピンチのようだね』
『それは大変だ』『死神はとても厄介だ』
声の主は歴代の神器(セイクリッド・ギア)所有者だった
その内の1人が紳士的な口調で言ってくる
『ふふふ、こんなピンチを抜け出すにはあれしか無いんじゃないかな?』『そうさ!あれしか無い!』『あれだろう!』
「……あれって、何ですか?まさか、また『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』とか言うんじゃないでしょうね!?」
しかし、一誠の意見に歴代所有者達はチッチッチッと返す
どうやら違うみたいだ
『違う!』『そう、私達は「覇龍(ジャガーノート・ドライブ)」を卒業したのだ!』『もっと素晴らしいモノをキミに教えてもらったからね。――――そう』
『『『『『――――乳力(にゅうパワー)をッ!』』』』』
新と一誠の思考が止まる
あまりにもふざけた事を言う歴代所有者達に一誠が文句を飛ばそうとした時、また1人が言ってきた
『――――スイッチ姫の乳に頼ろうじゃないか。闇皇の蝙蝠は黒髪のお嬢さんの乳を頼るんだ』
『そうさ、あの乳は未来を守るおっぱいドラゴンとエロ蝙蝠の源なのだからね』
「待てやゴラァ!俺は朱乃の乳を――――」
『私達はキミに触れて、おっぱいを嗜(たしな)む紳士になれた。ふふふ、悪くない気分だ』
「え!?何を口走っているのこの方々!?訳が分からないよ!」
『――――スイッチ姫と黒髪のお嬢さんのステージを再び上げる時が来たと言う事だ』
その一言に新と一誠は言葉を失うしかなかった
そこで激闘中のアザゼルに相談する事に
「せ、先生ッ!大変な事になってる!」
「なんだ、バカ野郎!こっちは死神様と超絶バトル中だ、くそったれ!って、この会話!タンニーンから聞いた話と被るんだが!?まさか、あれか!?あれなのか!?」
プルートの鎌を回避しながら仰天しているアザゼルに一誠は告げた
「歴代の先輩達が、リアスと朱乃さんの乳を次の段階に進めようって言ってきてるんだ!」
それを聞いたアザゼルは何故か狂喜乱舞の雄叫びを上げる
「キタぁぁぁぁぁぁっ!よぉぉぉぉぉしっ!今すぐつつけ!揉め!触れ!ふはははははははっ!おい、英雄と死神ども!うちのおっぱい夫婦二組が噂の乳力を発揮するぞ!グレモリー眷属必勝のパターンだッ!」
「二組ィ!?もう一組は俺と朱乃を言ってんのか!?てか、なに敵を煽ってんだ!そんなパワー秘めてねぇし笑われるだけだろうがッ!」
「…………まさか、そんなバカな……!」
「うぉぉぉい!ジークフリート!なんで戦慄してやがんだぁぁぁ!?」
再び歴代所有者達の声が新と一誠の耳に届けられる
『いいか、後輩よ。あの乳に向けて譲渡の力を使う時が来たのだよ』
「じょ、譲渡の力……?ギフトをリアスの乳に使えと!?」
『ああ、そうだよ。キミはあのお乳にギフトを使ったらどうなるか、ずっと疑問だった筈だよ。――――それが今解明されるんだ』
そう、確かに一誠はリアスの胸に赤龍帝の力を譲渡したらどうなるか、ずっと疑問に思っていた
最大の研究テーマとして、いつか解明したいと願っていた
今それが、実現しようとする……
2人はまず確認を取るべく、それぞれの相手に話し掛けた
「あ、あの、聞いて欲しい事があります!」
「朱乃、頼みがある」
「何?イッセー、今更何が来ても驚かないわ」
「何でしょうか?新さん、新さんの頼みなら何でも聞いてあげますわ」
リアスと朱乃の覚悟を悟った新と一誠は互いに視線を合わせ、生唾を飲み込んだ後に告げた
「……そのおっぱいに赤龍帝のパワーを譲渡して良いですか?」
「……お前の胸に赤龍帝の力を譲渡させてくれ」
「「――――っ」」
一瞬言葉を失ったリアスと朱乃
京都の時と全く同じ光景である
2人は少し考えた後、力強く言い放った
「やっぱり、分からないわ。京都でもよく分からなかったし、今も正直理解が出来ない。――――けれど、分かったわ!私の胸に譲渡してみせてちょうだい!」
「新さんがそう仰るなら……分かりましたわ!あなたの為なら、躊躇う事無く私の全てを捧げます!」
「「――――ッ!」」
今度は新と一誠が言葉を失った
普通なら間違いなく拒絶するような要求を承認した
リアスと朱乃の想いに2人は鎧の中で大号泣
籠手に力が宿っていく
「いくぜ、ブーステッド・ギア!まずはリアスのお乳に力を流せぇぇぇぇぇっ!」
一誠は手の部分のみ籠手を消し、一気にリアスの胸を触った
生の手で触れた乳に力が譲渡される
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
『Transfer!!』
「いやぁぁんっ!」
一誠の譲渡にリアスは啼き、次は新に譲渡の塊を渡そうとした
「新ぁ!次は朱乃さんのお乳だ!お前の手で渡してやるんだ!」
「わ、分かった!朱乃!準備は良いか!?」
新の確認に朱乃は頷き、身に着けている衣服を脱ぎ捨てた
いつ見ても性欲をそそられる朱乃の裸体
新は一誠から譲渡の塊を受け取り、そのまま朱乃の乳を掴んで譲渡した
「あぁぁぁんっ!」
リアスと同じ様に啼く朱乃
その刹那―――――リアスの乳が紅いオーラ、朱乃の乳が光り輝くオーラを発し始めた
『BustBustBustBustBustBustBustBustBustBustBustBustBustBustBustBust!!』
一誠の宝玉からバストと言う音声が鳴り響く
更にリアスと朱乃の乳が輝いている事を確認した時、リアスの乳から一直線に紅い閃光が放たれ、それが一誠を包み込む
「これは――――オーラが回復していく!」
ドラゴンブラスターの連射で消費されたオーラが回復する
次に朱乃は――――
「新さん、背中を私に向けてください!」
朱乃の強い発言に一瞬戸惑うも、新は言われた通りマントを翻して背中を向ける
朱乃がその背中に密着すると……温かなオーラが流れてくる
新も一誠と同じ様に回復していった
「スゲェ、スゲェ!パワーが漲(みなぎ)ってくるぜ!」
「第3フェーズだッ!リアス!朱乃!お前らはッ!お前らの乳は第3フェーズに入ったぞ!乳力(にゅうパワー)だ!また1つ俺が唱える乳力の実在証明の証拠が見つかったぜ!」
アザゼルが叫ぶ中、新と一誠は再びプロモーションを開始した