小説『ハイスクールD×D〜闇皇の蝙蝠〜(第二部)』
作者:サドマヨ()

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同じ様にドラゴンの性質を持つ赤龍帝の一誠が籠手にアスカロンを収納して何事も無く使用出来るのは、天界の助力と神器(セイクリッド・ギア)が例外の類(たぐい)に属してるからである

ジークフリートの神器(セイクリッド・ギア)は亜種ではあるが、例外の類ではない

最強の魔剣に選ばれても、持ち主が有していた能力までは魔帝剣グラムに祝福されていなかった

皮肉、運命の悪戯と呼べる……

言い替えれば、ジークフリートは聖書の神が残した神器(セイクリッド・ギア)システムと魔剣による試練を生来背負わされていた

一度距離を取り、ジークフリートはグラムを回す

「……禁手(バランス・ブレイカー)状態で、こうやって攻撃的なオーラを完全に殺して使用する分には鋭利で強固なバランスの良い魔剣なのだけれどね。それではこの剣の真の特性を解き放つ事が出来ない。かと言って力を解放すれば……禁手(バランス・ブレイカー)状態の僕では自分の魔剣で致命傷を受けてしまう。こいつは主の体を気遣うなんて殊勝な事をしてはくれないさ」

ジークフリートがグラムを使用するのは禁手(バランス・ブレイカー)を解いた時しか無い

『威力を抑えたグラムを含む5本の魔剣と1本の光剣+禁手(バランス・ブレイカー)版「龍の手(トゥワイス・クリティカル)」』と『本気のグラムを含む魔剣三刀流+通常版「龍の手(トゥワイス・クリティカル)」』

現状と疑似空間で祐斗達を相手に出来るのは前者の方しか無かったと言う事だ

「そう、グラムを使いたければ普通の状態でやれば良い。けれど、禁手(バランス・ブレイカー)六刀流と比べるとそれでは対応しきれないんだよ。特にキミ達との戦いではそれが顕著だ。闇人が乱入してくるなら尚更。――――禁手(バランス・ブレイカー)の能力を使わなければ上手く相対出来ないからね。しかし、禁手(バランス・ブレイカー)状態でも魔帝剣グラムを使用出来るようになるとしたら、話は別だ」

そう言ってジークフリートは注射器を自らの首元に近付け――――先端の針を挿入させていった

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