しばらく歩くとタバサがとある部屋の前で止まった。ここがタバサの部屋らしい。
「改めて私は悪の魔法使い、真祖の吸血鬼、不死の魔法使い(マガ・ノスフェラトゥ)等々色々呼ばれているモア・ファランドールよ。よろしくね、タバサ」
「よろしく」
「そういえば聞いてなかったけど、使い魔ってマスターを守る以外に何かあるのかしら?」
私は使い魔になったことも使い魔がいるわけでもないから詳しいことはわからない。
「使い魔の仕事は三つ。一つは使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられる」
目となり耳となりって人権無視も良いところね。まあ、私人外だけど。私が召喚された後にピンクの髪をした子に喚ばれた青のパーカーを着た男の子は只の日本人みたいだしかわいそうね。機会があったら少し鍛えてあげようかしら。
「でも貴女から見ている物は見えない」
「他には?」
「二つ目は主人の望むものを見つけてくる事」
「望むものってお金とかかしら?」
「違う。よくあるのは硫黄や苔のように秘薬の原料となるもの」
「へえ、硫黄や苔、ね。随分とめんどくさいやり方で秘薬を作るのね」
というよりそれ数百年前の技術よね。今ならティッシュとアルコールで回復薬が作れるっていうのに・・・・。
「最後に主人を守る事」
「それなら簡単ね。・・・そういえばタバサの血は吸わせてくれないのかしら?」
タバサにダメ元で聞いてみる。もしかしたら吸わせてくれるかもしれない。駄目なら仕方ないわ。
「ッ!・・・・・・・少しなら」
最初は驚いていたけどタバサは許可をくれた。何でも聞いてみるものだなと思う。
「じゃあ今日は?」
「・・・・・・・・・(こくり)」
久し振りの魔法使いの血ね。確か100年ぶりかしら?魔法使いは魔力が多く入っているから一般人より美味しいのよね。そういえばタバサの顔が赤くなっている。恥ずかしいのかしら。
「じゃあベッドに横になって」
タバサはいう通りにする。
私はタバサの上に乗っかって犬歯に魔力を通して長くする。そしてタバサの首元に刺していく。刺すときに弱い麻痺毒を入れれば痛くはない。そして血を吸っていく。
「そういえばタバサの血は吸わせてくれないの?」
「ッ!」
モアがそういったとき、嫌悪感が襲ってきた。いくらギアス・ペーパーで契約したと言っても不安はある。
モアとコントラクト・サーヴァントをしたときに覚悟を決めたはずなのに。
「少しなら良い」
モアは大丈夫だと思っても牽制してしまい簡単には言えなかった。そんな自分が恥ずかしい。
「じゃあ今日は?」
大丈夫。モアは、大丈夫。そう何度も自分に言い聞かせながらうなずく。
「じゃあベッドに横になって」
私はモアに言われるがまま行動する。私が横になるとモアが肩に顎を乗せる様に抱きついてくる。
まだ少し恐怖はあったけど後戻りは出来ない。
「んっ・・・・・」
痛みは無かったけど私の首にモアの長くなった犬歯が突き立てられている感触が伝わって来た。
とても奇妙な感覚、痛いはずなのに痛くない。
まるで痛みを忘れてしまったかのような・・・・・そんな感覚。
自分の血が吸い出される軽い虚脱感。
「!!?んぁッ・・・・!はあッ!!!」
そして、物凄い気持ち良さが襲ってきた。今まで経験したことがないような快感。思わず声をあげそうになるのを手で口を塞いで押し殺そうとするけど上手く出来ない。
身体が勝手に跳ねて、痙攣する。
モアが血を吸う度に気持ち良さが増していく。身体の力が抜けていき抵抗が出来なくなる。モアが何かを言っているけど理解が出来ない。手で口を押さえるので精一杯。
痛みなら、今まで何度も経験したから我慢できるし耐えられる。
だけどこんな快感は初めて。私は癖になりそうだと思った。
しかし、そのあとの記憶はない。モアがいうには体が大きく痙攣したあと気絶してしまったらしい。明日もやって欲しいと思った。
タバサの血を吸っていたらタバサが声を上げたり痙攣したりした。変な毒入れたかしら?只の麻痺毒のはずなのに。
そのあと、声をかけても反応が無いので血を吸ってたら突然激しく痙攣してそのまま気絶してしまった。・・・子供には早すぎたかしら?この反応、ちょっと変な方向に向かっているわよね。吸血プレイって・・・・・・。
タバサも寝ちゃったし私もこのまま寝ようかしら。