小説『ソードアートオンライン〜2つのスキルを持つ蒼の剣士〜』
作者:レイフォン()

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第10話 出会いは突然。ギルド『月夜の黒猫団』



このデスゲーム…ソードアートオンラインが開始して4カ月近くが経過した。
階層は現在、第24層まで攻略されている。


クリスマスイベントで手に入れた『願いの紙』で2つ目の願いは「月に2度、攻略された階層で手に入るアイテム

などをリズの武具店に贈られますように」と願い、願いがかなったのか知れないが家兼店を買った次の日にリズ

当てのアイテムの詰め合わせが届いていた。
この事にリズは驚き、クリスマスイベントの事を話し、喜ばれた。



今ではリズはかなり有名な鍛冶師となっている。
第10層クリアボーナスとして、ギルドの設立する事が出来るようになり、俺やアスナ、鍛冶師のリズに勧誘がわ

んさか来ている。
俺とアスナは有名な攻略組のタッグ。リズは有名な鍛冶師。
入れたい人達はいるだろうな。


そうそう、クラインは前に話していたリアルでの友達6人とギルド『風林火山』を作り、俺とアスナ、リズは宴

に呼ばれ、そこでその6人とフレンド登録した。
クラインはギルドの装備をリズに依頼。仲間で頑張ってコルを溜めたと言うと、リズが「半額にしてあげるわ」と言ったのでクラインは「何て優しい子なんだ…」と言う。


他にはヒースクリフもギルド『血盟騎士団』を設立し、今ではSAO最強のギルドの団長として頑張っている。
一度、本人が俺達に家に来て、勧誘してきたが断った。俺はどうもそう言った集団の集まりに入るのは好きじゃないんでな。アスナは俺が断ると断った。ヒースクリフが帰った後に聞いたら「レンの相方は私にしか勤まらないでしょ?」とのことだ。嬉しかったよ…そう言ってもらえて。


後、キバオウだ。あいつは第1層攻略後、同じ隊で戦ったプレイヤー達と共に『アインクラッド解放隊』と言う
のを最初は作っていた。が、巨大集団『MTD』を吸収し、ギルド名を『アインクラッド解放軍』と改名した。
そこまではよかったんだが…最近、攻略組のやり方に文句を言ったり、下層で何やら税金やら何やらを取り立てているとか。だけど、その解放軍のリーダーであるシンカーと言う男がそれを最小限に抑えているとか。






さて、今俺達が何をしているのかと言うと……スキルの熟練度を上げている所だ。
第20層攻略後、装備を新しく新調した。


まず俺だ。
・武器はエリアルブレード。ソ−ドスキル:エリアル・スクエアは風の斬撃を飛ばすことができるし、風を纏ったまま、攻撃することもできる。
固有スキルは麻痺。確立10%で相手モンスター及びボスを麻痺らせる事が出来る。麻痺はありがたいな。

・防具はスプラッシュヴァーミリオン。第15層のイベントクエ「水の精討伐」と言うクエの報酬で手に入れた防具をリズに強化してもらった。
固有スキルがいつものように隠蔽に加え、戦闘時回復スキルとは違う戦闘時回復のスキルが付いていた。
・アクセサリーはブレスレットの他にクリティカルリングと幸せの指輪を装備している。

アスナは。
・武器がロイヤルレイピア。ソードスキル:スター・ライト・スプラッシュは8連続の突きを食らわす。
・防具はホーリィコート。俺と同じ回復スキルが備わっている。
・アクセサリーはブレスレットの他にクイックリングを装備している。


そして、俺達のレベルは37。安全マージンをしっかりとっている。
で、そんな俺達はスキルの熟練度を上げている。







ザシュ!


「ラスト」


俺達は第20層でモンスターを狩りながらスキル熟練度を上げている。
ここのモンスターは結構、多く出現するから上げるのにはもってこいだ。


「これで私達、熟練度は700まで来たわね」


スキル完全習得は1000までなのだ。んで、俺とアスナは直剣と細剣の熟練度が700ちょいなのだ。
索敵などは毎回使っていたらから俺は完全習得し、その派生スキルとして追跡が出た。


「一旦、街に帰って休もう」


「そうね」


俺達が帰ろうとすると、


「きゃぁああああああああ!」


悲鳴が聞こえて来たではないか!


「アスナ!」


「うん!」


声が聞こえた方へ走っていくと……5人のプレイヤーが獣系モンスターの群れに襲われていた。
しかも5人のHPがほとんどレッドだった。
俺達は武器を抜き、5人に声をかける。


「そこの5人!そのままこっちまで走れ!モンスターは俺達が引き受けた!」


「え!?」


走っていた先頭の青年が俺達を見ると驚き、他のメンバー二その事を伝える。


「皆、全力疾走だ!」


それに合わせて俺達は獣の群れに突っ込む。


「ハイハイハイハイハイ!!!」


「やぁああああああ!!!」


すれ違い際に何体かのモンスターを一瞬でポリゴンとかす。


「す、すっげぇーー!」


「あの2人って攻略組かな?」


「そうだよ。高レベルのプレイヤーだよ!」


「どうしてこんな下層に?」


そんな声が聞こえたが今はモンスターの殲滅が先だな。


「多いな…面倒だ。システム外の武器の持ち方だが…」


俺は左手に短剣を持つ。俗に言う二刀流って奴だ。無論、そんなスキルはないけど。


「魔神剣・刹那!立ちきれ!」


エリアルブレードに風を纏わせ、短剣にもその風をまとわし、斬撃を飛ばしてモンスターを一掃する。


残っていたモンスターはアスナが素早く倒した。


「お前等無事か?」


「あ、ああ…。ありがとう、ございます…」


どうやら自分達が逃げる以外の選択を取れなかった群れが、目の前であっという間に消滅してしまったことに呆

然としているようだった。まあ、無理はないか。


「ほれ」


5人に回復ポーションを渡す。5人は呆然としていたが回復する。


「それで?何であんな事になっていたの?」


アスナが5人メンバー唯一の女性であるプレイヤーに聞いたところによると…
何でもギルドのホームを買いたいが金がない。なのに少し無茶だが、普段狩りをする層より上で戦えばレベルも

上がり、お金も手に入るのではないか?と言う事になり、ここに来たようだ。


「……安全マージンを知っているか?」


「えっ?あ、はい、知っています」


「なら何で明らかに君たちのレベルでは危険な上に来る?仲間を危険に晒していいのか?」


「うっ…」


俺が少し怒り気味に言うと何も言わないリーダーらしき青年。


「……はあ。ギルドのホームが欲しいのは分かるけどな、時間をかけてコツコツ集めようって考えなかったのか




「……早く欲しかったので」


5人は反省しているようだ。けど、危なっかしいな。


「ねえレン。一度私達の家に連れていかない?流石にここに放置するのも」


「そうだな。5人ともついてきな。家に案内する」


「行きましょう」


そう、俺達が言うと再び、呆然とするが後ろから慌ててついてくるのが分かった。








〜第11層 タフト〜


家の前に来ると5人は驚いていた。


「こ、ここって…あの有名なリズベット武具店!?」


「ってことは2人は…」


どうやら俺達の事が分かったようだ。


「改めて名前を名乗らせてもらうぞ。俺はレン、よろしく」


「私はアスナよ。よろしくね」


5人は俺達の名を聞いて確信したようだ。


「あの、攻略組の……」


「高レベルのプレイヤーで……」


「最強のタッグ……」


「蒼白の双舞、レンとアスナだったのか……」


「どおりで強いわけだ……」


≪蒼白の双舞≫。これは俺達2人揃っての2つ名だ。第17層フロアボスが【Hell and Heaven】と言う双子のモン

スターだった。
弱点はモンスターを同時に倒すと言う事で、俺とアスナが同時に2体のボスを倒した時の戦い方が舞うような戦

いだったと言う事でこの名がついた。無論、蒼が俺で白がアスナだ。


「さあ、中に入ってくれ」


店の中から家に入る。


「いらっしゃいませ!リズベット武具店へようこそ!…ってレンとアスナか。後ろの人達は誰?お客様?」


「俺達の客だよ」


「そっか。なら、家の方で話してね」


「分かっているよ。商売頑張れ」


「ええ!」


ガチャ


別の扉を開け、2階の広間へ向かう。
実は家兼店を増築した。家一軒分の大きさぐらい増築した。
1階のリズの店の売上が予想以上になったのをいい機会に、店の大きさを以前の倍にし、それに伴い2階に広間を

大きくし、各自の部屋(空き部屋)も大きくした。
ここには偶にクライン達が息抜きに遊びに来たりするので、部屋も大きくな。
いや〜あの『願いの紙』が予想以上で、リズは客が来ない時は毎日武器と防具を作っているんだよ。
それに+して俺達がモンスターの討伐や特殊クエなどをしていたため、報酬などでコルも貰ったりしてたからお

金がどんどん、貯まっていったんだよ。
今では宿を殆ど使わないし、レストランやカフェは偶に皆で食べに行ったりするし、お金があんまりかからない

のが原因かもな。


「さあ、そこらへんに腰掛けてくれ」


俺が座るように言うと5人はソファーなどに座る。俺とアスナは部屋に戻って服を着替える。


「さて、皆の名前を教えてくれないか?」


「あ、そうだな。僕はケイタ。この『月夜の黒猫団』って小規模ギルドのマスターをやってる」


その後、ケイタから順にテツオ、ダッカー、ササマル、そしてサチの5人はリアルでは同じ学校に通う友達同士

と言う事だ。
んで、5人のレベル平均は20前。俺とアスナ、それにリズよりレベルが10以上低い。
安全マージンしていないので、20層はかなりきついはずだ。


「いくらなんでも無謀だ。命を落としかけていたんだぞ?大人しくもっと下の階層でコルを貯めるんだ。出ない

と命を落とすぞ」


いくらなんでも彼らのしている事は自殺行為だと俺もアスナも感じている。
ギルドホームのためとはいえ、仲間の命を守るリーダーがそんな事をするとはあり得ない。


「第20層で狩りをするなら最低でもレベル30前までにしないと。安全マージンをしっかりとらないと駄目だぞ。

わかったな?」


『はい……』


……結構、落ち込んでいるな。サチって女の子はここに来るまで怯えていた表情だったしな。


「レン、アスナ。頼みがあるんだ」


『何?』


「僕を……僕達を鍛えて下さい!」


土下座をするケイタ。それにつられて他の4人も土下座をしてくる。予想外の行動に俺達は呆気してしまう。


「僕は今回の事で改めて理解した!死ぬのが怖いと、皆が死ぬのが嫌だと!けど、僕達には20層をも生き抜く力

がない……だから、頼む!僕達を鍛えてくれ!」


『お願いします!』


土下座しながら一生懸命俺達に頼みごとをするケイタ達。
俺とアスナは困った表情をしていると…


「いいんじゃないの?鍛えてあげれば?」


『リズ……』


店を一旦、Closeして家に戻ってきたリズが俺達に言う。


「あんた達2人とも、第25層フロアボス攻略会議があるまで自由にしているんでしょ?なら、プレイヤーの1人や

2人、鍛えてあげればいいじゃない。あたしも武具とか特別に提供してあげれるし」


リズが腰に手をやりポーズを取りながら言う。
まあ、武具はかなりの数作り置きしてあるからな。
最近は、オーダーメイドしてくるギルドがあるし。聖龍連合に風林火山、血盟騎士団と言ったギルドから。


アスナを見ると、笑顔だった、目が「レンに任せるわ」と語っている。


「……わかった。鍛えてやるよ」


バッ!


「本当か!」


顔を上げ、笑顔になるケイタ。


「だが、覚悟しろよ。俺はスパルタだ。早速、庭に出て5人の力量を見せてもらう。まず、どのくらいなのかを

見ないと訓練のスケジュールを作れないからな」


「わ、わかった。皆、頑張ろう!」


『おっー!』


4人が声を上げた。










〜庭〜


「まず、1人ずつ俺に攻撃して来い。俺は攻撃をはじくか避けるだけだ」


「なら、リーダーである僕から行くよ!」


そう言いながらケイタは棍を取りだす。


「へぇ、棍使いか。攻略組にはいないタイプだな」


「行くよ!」


「来い!」





〜5分後〜


ドサッ!


「も、もう駄目……」


棍を手放し、倒れるケイタ。


「リーダーなだけあるな。が、まだ甘い。棍を使いこなせていない」


「そ、うなんだ……がくっ」


気を失うケイタ。


「次」


「お、俺が行くぜ」


メイス使いのテツオだった。


「来い」











〜数十分後〜


「……」


「だはっ〜」


「ん〜〜」


「もう、だめ…」


「つ、つかれた…」


5人は倒れこんでいる。
5人の力量を見て、まあ予想よりかは強かったかが攻略組と比べるとな。


「決めた。俺の訓練は実戦。明日の朝の6時から朝食の時間まで武器の基本的な動きとソードスキルの発動のタ

イミング、その他もろもろ…教える。覚悟するんだな。ハッハッハ!」


「レン……珍しく燃えてるわ。私も手伝うわ…面白そうだしね」


『よ、よろしくお願いします…』


「今日は家に泊まっていきな。てか、これから当分家にいろ。訓練するのも好都合だしな」






こうして、ギルド『月夜の黒猫団』のメンバーは俺とアスナに鍛えられる事になったのであった。







―――――――――――――


今回登場、ギルド『月夜の黒猫団』の皆さんです。
コメントにもあったんですが、皆の生存とかは?とありましたので、折角ですし、レンとアスナの2人に鍛えさせて、生きていけるようにします。
それと少し時間が飛んでいったことで有名になっているレンとアスナ、リズの3人。
家兼店は相変わらず、第11層ですが上の階層からの客などが多く繁盛していると言うわけです。
家の増築も色々と考えて後の伏線として書きました。
原作だけではなく、オリジナルの話も書いていますし、武器などの固有名と固有スキル、防具などを作者がかつてプレイしたゲームから出ていたりします。
そこで、読者の皆さんがもし、武器及び防具の固有名と固有スキルのアイディアがありましたらこちらの感想か私自身にメッセージ、それか小説家になろうのユーザーIDがあれば私のマイページ(http://mypage.syosetu.com/77597/)の活動報告にアイディアを書いてみて下さい。






 SAOの武具のアイディア募集中!



タイトルの通り、アイディアを募集しています。
募集しているのは武器と防具です。

募集の仕方は次の通りです。

1.武器に関して
・[武器の種類]
・[武器の名前]
・【ソードスキル】の名前と技の説明
・色
・何層当たりまで攻略されていれば手に入るか。または作れるか。
(*どうやって手に入れたとかは作者が考えます。例えばレアモンスターを倒した時のドロップアイテムとか、特殊なクエを受けて、報酬で手に入れたとか。もし、考えた時に思いついたら読者の皆さんが書いてくれても嬉しいですね…特殊クエのこととかレアモンスターのこととか)

2.防具に関して
・[防具の種類](アーマーやプレート、コート、ロープなど)
・[防具の名前]
・[防具の固有スキル](原作でキリトが自分のコートには隠蔽スキルがつくといっていたので)
・色
・何層当たりまで攻略されていれば手に入るか。または作れるか。




なお、武器や防具はのちに出すであろうオリキャラ達が使ったり、レンやアスナが使います。
追加ですが、武器の名前や防具の名前は漢字でもいいです。

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