小説『ソードアートオンライン〜2つのスキルを持つ蒼の剣士〜』
作者:レイフォン()

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第11話 特訓開始!登場、レンコーチとアスナコーチ



ケイタ達に鍛えてくれと言われた翌日の朝6時。
俺とアスナはジャージ姿となり、庭に出る。


庭に出るとケイタ達が眠ろうにしていたが、俺達の姿を見ると眠気がぶっ飛んだのか整列する。


「よーし。そんじゃ、はじめていこうか」


「ところでレン。僕達にどんな特訓をさせるんだ?」


ケイタが皆の代表として俺に特訓の内容を聞いてきた。


「まず皆にして貰うのは俺とアスナが使っているシステム外スキルの先読みだ」


俺は木でできた唯の棒を取り出す。


「先読み?」


「システム外?」


「システム外って言うのはこのゲームにないスキルの事だ。たとえばスキルにない直剣と短剣の二刀流とか…ほれ、昨日見せただろ?」


皆は昨日の事を思い出すと納得の言った表情となる。


「んで、今から教えるのは簡単にいえば相手やモンスターの武器の位置と重心、それと相手の目。最後に相手がしてくる攻撃などを見抜く技術が先読みだ。攻略組ではあらかじめ情報を入手し、それから相手の動きなどを考えて、作戦とかを練っている。俺の知り合いにはアスナ以外にこの先読みができるプレイヤーが少なからずいる」


説明し終えると分かった表情をするが、サチが手を上げて俺に言う。


「あの…そう言うのって見て判るものなの?」


「ああ。そうだぜ?ケイタ、今から俺のあるソードスキルの構えを取り、技に似せた事をする。当ててみな」


そう言いながら俺は持っていた棍棒で構えを取る。
そして、棍棒を少しだけ後ろに下げ、一気に突く。


「それは…棍棒の基本技の瞬迅爪か?」


「正解。構えで分かったろ?」


そう言うと頷くケイタ。


「とはいっても俺は攻略組で見た技を真似ただけ。俺の専門は剣とかだしな」


なるほど…と考え込むケイタ達。


「とにかく、今は俺やアスナ、それにここにいるケイタ達で順番に構えを見せていく。それが何の構えなのかを覚えることから始めよう。朝食までの時間はこれに当てる」







少し時間が経ち、ケイタ達は自分達と俺達の構えを少しずつ頭で覚えていく。
そんな時、アスナがケイタ達に言う。


「私も最初はこんなことできなかったのよ」


「えっ……そうなの?」


サチがアスナの言った事に驚き、聞くとアスナは頷いて言う。


「ええ。レンは元々色んなゲームをしていたから先読みとかすぐに出来ていたわ。私は実戦に実戦を重ねて覚えていったの。それでも結構時間がかかったわね。私は2週間ちょっとで覚えたわ…レンといるとモンスターと戦う回数が半端ないからね」


「たったの2週間で…」


サチは驚いている。だが、アスナには初心者とは思えないほどの成長速度があるからこそできた事だろう。
特に今回みたいに丁寧に教えたわけではない。実戦で覚えるしかないとあの頃は思っていたからな。


「まあ、今回…5人には結構スパルタで行くからな…一か月以内に覚えさせてやる。ウケケケケ…」


若干黒いオーラを放つ俺におびえる5人。アスナは「やめい!」と頭を叩く。


「痛いぞアスナ。まあ、とにかく強くなるには己の精神力と実戦などが大事だと俺は思う。さて、一旦、特訓中断だ。飯にするぞ。アスナ、手伝ってくれ」


「わかった」


『ふぅ…疲れた』


5人は立った1時間で疲れの表情を見せている。まあ、仕方ないか。







〜2時間後〜


朝食を終え、9時までの休む時間を与え、今再び庭に来ている。


「さて、今からするのは朝食前に教えた先読みの習得のために俺とアスナで交代で模擬戦をする。まずはケイタからな。俺とするぞ」


「よし、頑張るぞ!」


棍棒を構えるケイタ。アスナ達は離れた所で見ることになる。


俺は剣を構える。






棍棒のソ−ドスキルは棍棒のスキルだけではなく、似たような長さの槍などのソードスキルを師匠できる。
しかし、その分、本来の槍のソードスキルと違い、威力が低い。
棍棒のソードスキルもそこまで多く存在しないと聞く。


棒などの利点はリーチの長さ。それを生かすも殺すも使い手次第。
ケイタはその利点を使えいないので、それを覚えてもらわないと。


「やぁああ!」


ドン!


「遅い!もっと素早く、鋭く突くんだ!」


「うん!やぁあああ!」


シュン!


模擬戦を初めて数分、最初の頃は前に見た通り棒などの利点を生かせていなかったケイタだが模擬戦中、俺が知る棒の使い方などを教えながら戦うとそれを吸収していっている。


「っ!そこ!」


棍棒基本技:瞬迅爪を使ってくるが、


「まだ甘い!」


素手で棒の表面を殴り、剣を持った手で腹を殴る。


ドス!


「がはっ!」


少し力を入れ過ぎたせいか、転がるケイタ。


「やっべ!大丈夫か!」


「だ、大丈夫だよ」


右手を上げてケイタがそう答えるのを見て、俺は1度剣を収める。


「ソードスキルは確かに強かったりするが、頼りすぎると硬直時間があるからな。その隙を攻撃されるとこうなるぞ」


「…うん。理解したよ。今まで僕達がどれほどソードスキルに頼っていたかってね」


ケイタが指差した方を見る。そこには…


「何と言う速さ…」


「全然、止められないし……」


「攻撃が一度も…」


「掠りすらしないなんて…」


地面に倒れている4人がいた。その前にはレイピアを手にしているアスナがいる。


「何したんだお前…」


「えっ?4人にね、攻略組なんだし、どのくらい強いか見せてくれよって男子3人に言われて、サチはそのノリで巻き込まれて、軽く戦ったんだけど……ちょっとやりすぎちゃった」


「テヘ」と舌を出しながら言うアスナに一瞬、固まる俺だったが、


「アホ。何してんだ」


コテン


「あいた!」


「お前の敏捷は攻略組トップクラスだろ!?そんなのを相手にしたら皆こうなるわ!」


「……ごめんなさい」


「分かればいいんだよ。4人とも少し休憩したら俺と模擬戦だぞ」


そう、俺が言うと4人は人生の終わった表情でマジ?と言うので


「真剣・本気と書いてマジだ」


そう言うと、固まった。


『鬼ぃいいいいい!』


失敬な。俺は鬼ではない。そう、言うと


『じゃあ、悪魔ぁああああ!』


そう、言うとどこからか


[悪魔じゃないもん!]


とか、電波で何かが聞こえてきた。


涙目になっている4人を見たアスナとケイタは目で頑張れと言っていた。









そして、昼食・夕食を終えた。
5人は今日一日で大体の先読みについては軽く覚え、後は実戦や特訓で覚えていけばいいな。


俺が部屋で寝る準備をしていると…


[ピピ]


メッセージが来た。ヒースクリフから?
メッセージを開くとそこには……


[やあ、こんな時間にすまないね。明日の午前10時に第25層フロアボスについての会議を開く事となった。
アスナ君にもメッセージは届いているはずなので、明日2人一緒に25層 リベードの大聖堂に来てくれ。では]


と書かれていた。


コンコン


「レン、起きてる?」


「アスナか。起きているぞ」


「入るね」


そういい、入ってきたアスナ。


「メッセージ見た?」


「今な。明日の朝食前の訓練の時に言っておこう。先読みに関しては5人で練習してもらえばいいしな」


「そうね。それにしても…ようやく、100層の4分の1が攻略されるのね」


デスゲーム開始から4ヶ月で25層か。100層まで一体何カ月、いや何年ぐらいかかるかね。


「とにかく明日に備えてもう休もう。おやすみアスナ」


「おやすみレン」


そう言ってアスナは俺の部屋から出て、自分の部屋に帰っていった。


それを見届けた俺はベットに入り、眠りに着くのであった。












〜翌朝〜


朝の特訓の途中、俺はケイタ達に攻略会議の事を話し、特訓は先読みの練習のためにローテーションで模擬戦をしててくれと言い、俺とアスナは家を出て、第25層 リベートへ向かったのであった。








―――――――――――――――――――


はい、今回は軽い特訓編でした。
前回、皆さんに募集した武具などはいくつか来ています。
武具に関しては随時募集していますので、考え付いたら感想・メッセージ・小説家になろうの私のマイページ、

活動報告か直接メッセージを下さい。
アイディア募集待ってまーす。

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