第13話 レン編 死の恐怖と発動するスキル
アスナ達が限定装備を取りに行ってから俺は別のフィールドに来ている。
フィールドの名は 死屍魔天と呼ばれる全てが黒と赤で装飾されているフィールドだ。
このフィールドに現れるという【Terror of Death】死の恐怖を見つけに来た。
このモンスターの事が情報や噂で流れ始めたせいでこのフィールドには俺以外には誰もいない。
聞いた話によるとそのモンスターは色が黒で、右手には大鎌、左手からは光弾を出すと言う遠距離と近接戦闘ができるモンスターとのことだ。
戦ったパーティーは全員がHPがレッドのギリギリで逃げ帰って来たという。
ソロで戦った者もいたが、ソロの腕に自身のあるものも逃げ帰って来たということだ。
ヒースクリフから聞いた話では血盟騎士団も被害にあったとか。
ヒースクリフ自身も団長という立場のため、忙しい。そこで俺に話しが来たと言う事だ。
俺もそのモンスターには興味があったし、それを引き受けた。
俺は今、その死屍魔天へと向かっている最中だ。
〜第34層 死屍魔天〜
「うっわ、マジで黒と赤しか色がないぞ」
ドス黒い赤って感じになっているじゃねぇか。気味悪い……まるで地面や木がプレイヤーの生き血を吸った感じに見えるな。
木も岩も転がっている石も突き刺さっている剣も何もかもが黒赤。
これ、アスナやサチが来たら絶対に悲鳴とか上げるところだろ。
「さて、【Terror of Death】がいつ出てくるかね」
そう、思っていると…
ガチャ
「ん…?」
[コォオオオオオ]
[グゥオオオオオ]
[キシャァアアア]
骸骨剣士に、オーガ、スネークマンか。しかも複数か。
「はっ!団体様いらっしゃいませ〜……行くぜ!」
最近、手に入れた武器…片手剣のアスカロンを手にする。
この剣はリズに作ってもらい強化・加工など数十回に渡り、手に入れた現在俺が持つ剣の中で一番強い。
何しろこれを作るのにアダマンタイト×1・黒曜石×1・瑠璃石×1・サファイア×1・アクアマリン×1・バジリ
スクの鱗×3・バジリスクの牙×3・魔物の血×2・飛竜の鱗×2・龍の爪×1という鬼畜レベルの何物でもないほ
どの大量な素材が必要になり、鉱石は『願いの紙』で月に2度、リズの店に自動で送られるが、それ以外はモン
スターを倒さないといけない。いやー大変だった。
けど、苦労した甲斐があった。何せこの剣は…
[コォオオオオオ!]
[グゥオオオオオ!]
[キシャァアアア!]
モンスター達が俺を襲ってきた。だが、
「ぶっ飛べ!」
身体を回転させながらソードスキル:屠竜剣を食らわす。
するとどうだ?
[コォオオオ…]
[グゥルルル…]
[ギシャァア…]
吹っ飛ばされたモンスター達に状態異常が発生した。
このアスカロンの固有スキル…屠竜剣は斬りつけた対象の防御力&耐久値を弱体化させる。なお、龍殺し
の剣と現実ではいわれている通り、龍・竜種には絶大なダメージと龍・竜種以外の倍以上の状態異常を起こす。
なので、吹き飛んだモンスター達は弱体化していると言うわけさ。
「ふはははは!さあ、狩りを続けようじゃないか!」
ザシュ!ドス!ズドーン!パリーン
俺の前にいるモンスター達を次々、無数のポリゴン片にしていく。
そして、
「ラストォ!」
ザシュ!
[グルォォオオオオオ!]
パリィィィン
最後のモンスターも倒し終えた。
レベルが上がる。さっきまでの俺のレベルは51だ。で、今レベルが上がり52だ。
「ふぅ……出てこないな」
目当てのモンスターが出てこないのに若干、がっかりしている俺。
「もっと奥に行かんと駄目か」
仕方ないか…と呟きながら俺はさらに奥に進む。
〜奥を目指して数分後〜
「だぁああああああ!?ここ、モンスターの再出現するの早?!」
気のせいか、狩れば狩るほど増えてきている気がする。
いや、絶対に増えてるぞ!?
ザシュン!
「どちくしょうがぁあああ!」
ザシュ!ザシュ!
剣を振りまくってモンスター達を斬りまくる。
無論、体術とかも使っているぞ。熟練度があと少しで完全習得だし。
「ぜぇぜぇ……流石に疲れたな」
ポーションを取り出し、飲んで回復する。
「ふぅ……出てこないな」
いや、別に経験値やアイテムとか手に入るのはいいんだけど……何かな…ここには目的があってきたのに。
「仕方ない。出直すか…」
そう思って後ろを振り向くと…
[………]
「へっ?!」
右手に鎌、左手にはバスターのようなもの、黒色の身体。間違いない!こいつが【Terror of Death】か!
カーソルにもそう、表示されているしな。……ん?名前が変化しただと?
名前は……【Skeith】スケィス?名前が変わるモンスターもいるんだなぁ!?
「いきなり攻撃かよ!?」
飛んできた光弾を避け、距離を取る。
奴の武器は右手に持った鎌と左手のバスターだ。
さて、スケィスのHPケージは3つ…どうするか。
[……]
「えっ!?」
考えていたらいつの間にかスケィスが俺の目の前にいた。大鎌を振りかざそうとしている。
「避けられない!?くっ!」
ガキィィィィィン!ドン!
何とかアスカロンで防御するが、吹き飛ばされる。
「がぁ!何だこいつは!?」
[……]
バンバンバンバン!
しかも空中に浮いている俺に向かって光弾を放つし!
「くそっ!」
ガン!
アスカロンを地面に刺し、そのまま柄を持ったまま軽く回転し、空中へと飛ぶ。
シュンシュンシュン!
俺がいた所を光弾が通り過ぎる。俺は今のうちに別の武器を取り出す。
それはエリアルブレード。前に俺が使っていた武器だ。今も使っているが、ここに来る時にアスカロンに変更したんでな!
[……]
スケィスは飛んで俺に鎌を振りかざしてきた。
「防御しかないだろ!?」
空中で、しかもこのタイミングじゃはじくことはできない。
再び、防御する。しかし、
ドン!ザシュ!ドスン
「がぁあああ!」
地面に叩きつけられた俺。ダメージが大きかったのかHPケージがイエローになる。
[……]
倒れている俺に再び、鎌を振りかざしてくるスケィス。
ガラァ
「!」
直ぐそばにアスカロンが転がっていた。俺はアスカロンを左手に持ち、2本の剣でスケィスの鎌を防御。
ジリリリリリリ!
「くっ!舐めるな!」
ドスン!!
スケィスの腹を体術スキル:烈破を蹴りで使い、スケィスを蹴り飛ばす。
シュゥ〜〜〜ン……ズドーン!
岩場にぶつかるスケィス。その隙にポーションでHPを回復する。
「あ、危なかったぜ」
アスカロンが傍に転がってなかったらまずかった。
エリアルブレードを鞘に、アスカロンを右手にもちかえる。
本来、二刀流のスキルはない。なので、剣を2本持っていたらスキルが使えないので鞘に収める。
「ちぃ、アスカロンで防御力&耐久値を弱体化をさせまくるしかないか」
構える間、スキル発動のタイミングを図る。
[………!]
岩名から飛び出し、飛翔しながら俺に突っ込むスケィス。
だが、鎌をギリギリの所で避け、
「クラェエエエエ!」
ザシュ!
[……!]
カウンター気味にソードスキル:屠竜剣を食らわす。
飛んできた勢いにプラスし、ソードスキルカウンターを受け、倒れるスケィス。
スケィスのHPケージの上に防御力&耐久値のマークが出ている。
ギシ…
[グゴォアアアアアアアアアアア!]
突如、今まで黙っていたスケィスが声……いや、奇声を発した。
シュン!
「なっ!消え…左!」
ガキィィィン!
鎌を何とかギリギリ、上に逸らす。
「あっぶねぇ…な!」
俺の腕が黄色に光、体術スキル:エンブレイザーを零距離でスケィスを貫き、大ダメージを与える。しかも、防御力&耐久値によりさらにダメージ!どうだ!
[ガァアアアアアアアアア!]
ズドドドドド!
怒り狂ったスケィスがバスターを連射してきた。あれ、あんなに連射できたのか!
「くっ!」
何とか避けるがまずいな。かなり…!
[ウガァアアアアア!]
ま、まずい!防御を!
鞘に納めていたエリアルブレードを左手に持ち、剣を×の形にして、防御する。
ガン!ドスーン!
「がぁっ!」
ぐっ!身体が…。
スゥゥゥゥゥ……
[………]
くっ、スケィスが近づいてくる。何か……何かないか!?この場を退けるものは……
動けない身体で必死にメニューウィンドウを開く。
何か…何か!
[……]
スケィスが鎌を上にかざした。
っ!これは!これに賭ける!
ブゥオン!
ガキィィィイィン!
俺は2本の剣でスケィスの鎌を受け止め、
「テンペスト・ストーム!」
ガァーン!
鎌を押しのけ、鎌に何度も攻撃する。
「うぉおおおおおおおおおおお!」
ガン!キィン!ザン!
「くぅぅうううだぁあああけぇえええちぃぃぃいいれぇぇえええええ!」
ザン!ザシュ!ガキィィィン!
俺の怒涛の8連撃に、
パリィィーン
スケィスの鎌が砕け散った。
「これで……」
二刀流ソードスキル:テンペスト・ストーム!
「終わりだぁああああああ!」
ザン!×8
一瞬で8連撃をスケィスの身体に刻む。
[グガガガガガガ!]
パリーン
スケィスは砕け散り、消え去った。
「終わった……のか?」
ガラァ…ドサ
俺は剣を落とし、座り込む。
「はぁ…はぁ…ぅん?」
目の前にウィンドウが開き、そこには……
【死の恐怖 スケィスを倒したプレイヤーに両手鎌スキルを解放しました】
と表示され、アイテムドロップに
【両手鎌 ダークパーセキュター】
という武器を手に入れた。
「それにしても……」
俺はスキル欄を見る。
【片手直剣 “二刀流” 投剣 両手鎌】と2つのスキルの間に表示されていた。こんなスキル、なかったよな?
「これって、今の所聞いたことないなスキルだな。俺のだけのスキル……ユニークスキルか?」
もしかしたら違うかもしれないし、この事は誰にも言わず、黙っておこう。
アスナにも黙ってたら後で何を言われるか分からんがな。
「にしても両手鎌スキルね……試し斬りして帰るか」
俺は装備をダークパーセキュターに変更し持つ。
「おー結構重いけど…問題ないな」
シュルルルルル……バッ!
両手で回すこともできるし、うん、いい武器だ。
[グルォオオオオオオオオ!]
「丁度良い、くらぇえええ!」
ソードスキル:環伐。自分を中心に円陣を敷き、全周囲の敵にダメージを与える技。
[グォオァアアア!]
クリティカルヒットし、モンスターが消滅する。
「ヒュゥ〜!いいねえ!」
武器を剣のアスカロンにし、俺は街に帰るのである。
〜第11層 タフト〜
俺が帰ってきて、リズの店に入るとアスナとサチがいた。サチの防具が変わっていた。
何でもこれが目的だった鋼鉄の乙女<アイアンメイデン>とのことだ。
「ところでレンの方はどうだったの?」
「…ああ。戦ったよ。危うく死ぬ所だった」
『えっ!?』
女子3人が驚いて俺を見る。
「大丈夫なの!?」
「何とかな…リズ。アスカロンとエリアルブレードの修理頼む」
そう言ってリズに2本の剣を渡す。
「それと皆、これを見てくれ」
俺は両手鎌 ダークパーセキュターを取り出す。
『鎌っ!?』
「ああ。【Fear of Death】死の恐怖……こいつの本当の名前はスケィスといった。こいつを倒したらこう、表示された。スケィスを倒したプレイヤーに両手鎌のスキルを解放…とな」
「それって血盟騎士団団長、ヒースクリフが持つユニークスキルみたいなもの?」
「いや。スケィスを倒したプレイヤーって事はユニークスキル扱いじゃないだろ。これはモンスターを倒した報酬みたいなものだし」
「けど、あたし達鍛冶師のネットワークにそんなスキル聞いたことはないわね」
「…もしかしたらモンスターを倒すことで手に入るスキルがあるのかもな…そうだな、特別なスキル…スペシャルスキルって感じだな」
「う〜ん、語呂が悪い気もするけど…まあいいわ。あたしは剣の修理をするから」
そう言ってリズは工房へと行く。
「さて、疲れたし…寝させてもらうさ。じゃあな〜」
「お休みレン」
「お休みなさいレン」
アスナとサチに見送られながら俺は部屋に戻り、眠りに着いた。
――――――――――
はい、今回は新たなスキル…スペシャルスキルというのを登場させてみました。
鎌に死の恐怖で.hackに出てくる碑文 第1相 死の恐怖スケィスから来ています。
ちなみにこれはタイトルの2つのスキルを持つ蒼の剣士というスキルの1つではありません。
スキルはキリトと同じ、エキストラスキル:二刀流の方です。
もうひとつはまだしばらくは出す予定ではありません。
さて、では、2話ほど描いたので再びアイディアの募集の仕方を書いておきます。
募集の仕方は次の通りです。
1.武器に関して
・[武器の種類]
・[武器の名前]
・【ソードスキル】の名前と技の説明
・色
・何層当たりまで攻略されていれば手に入るか。または作れるか。
(*どうやって手に入れたとかは作者が考えます。例えばレアモンスターを倒した時のドロップアイテムとか、
特殊なクエを受けて、報酬で手に入れたとか。もし、考えた時に思いついたら読者の皆さんが書いてくれても嬉しいですね…特殊クエのこととかレアモンスターのこととか)
2.防具に関して
・[防具の種類](アーマーやプレート、コート、ロープなど)
・[防具の名前]
・[防具の固有スキル](原作でキリトが自分のコートには隠蔽スキルがつくといっていたので)
・色
・何層当たりまで攻略されていれば手に入るか。または作れるか。
武具の名前は漢字でもOKです。
武器及び防具の固有名と固有スキルのアイディアがありましたらこちらの感想・メッセ・小説家になろうの私の
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