第1話 LOG IN!
ふふふ……本日、2022年11月6日、日曜日。
ついに…≪ソードアートオンライン≫正式サービスが開始された。
今から2か月前、βテスターの抽選に外れ、悔しい思いをしていた俺は来る日も来る日も正式サービスが来るのを待ち望んでいた。
しかし…今日、遂にできるんだ!
俺は家の近くにあるゲームショップの先頭で並びながら怪しい笑みを浮かべていると…
「錬君……いくらなんでも気味が悪いぞ?俺と交代で4日前から並んでいるせいで頭がおかしくなったか?」
俺の後ろに並んでいる男性……俺の幼馴染の兄である結城 浩一郎さんが呆れた表情で俺を見ている。
「当たり前でしょう!学校も4日前からサボって並んでいるんですよ?ただでさえ、明日奈からサボってないで学校に来なさいよ!ってメールとか来てるんですから」
「あ〜確かにな。あいつは真面目だし、仕方ないだろ」
俺の幼馴染である結城 明日奈は俗に言うお嬢様で俺も俗に言うお坊ちゃまなのだが…俺は特に自分はお坊ちゃまとは思ってない。上品な食べ物よりも屋台で食べるのも好きだし、服も豪華・高いものよりもファッションには凝っているしな。
そんな、明日奈の話をしていると、
≪まもなく開店します。βテスターの方がいれば優先で販売します≫
お、ようやくか!くぅ〜〜〜!待ってたぜ!
ガララララ〜〜〜
シャッターが上がるとともに店に駆けこむ俺達。
〜数分後〜
「ぜぇぜぇ……人の波に酔いそうだったぜ…」
「ま、全くだ…」
俺と浩一郎さんは目当ての物を手にしている。
「さぁ〜て、早速家に帰ってLOG INするぜ!」
「ああ、だな」
家に帰ろうとすると、
♪〜〜♪〜〜〜
浩一郎さんの携帯が鳴る。
「ん?うちの会社から?はい、結城です……えっ!?…はい、はい…わかりました…至急、準備していきます。はい、では…」
ピッ
携帯を切りながらしまう浩一郎さんの表情に影がかかる。
「ど、どうしたんですか?」
「俺が務める会社からだ…緊急な仕事ができて、今から支度をして出張することになった」
「…なんですとぉ!?」
何というタイミングだ!こんな日に!
「…帰ろう」
「そうですね…」
俺と浩一郎さんは家に帰る事に。
〜結城家〜
俺は明日奈にゲームに集中する事を言いに浩一郎さんと共に結城家に来ている。すると、
「あ、兄さん。それに錬も」
明日奈が自分の部屋から玄関まで出てきた。
「よっ、明日奈。おはよう」
「ええ、4日間も学校をサボっていたものねぇ〜」
ジロリと俺を睨む明日奈。
「うっ、し、仕方ないだろ?これ(SAO)は人気なんだし」
「ふぅ〜ん…私もやってみたかったな…」
珍しいな明日奈がこういったゲームをやってみたいとか。
「そうか。なら、明日奈。俺のナーヴギアとSAOを貸してやるよ。兄ちゃんは仕事が入って出張する事になってしまってな。ゲーム初心者なら、錬君に教えてもらえばいいぞ」
「えっ!?いいの、兄さん?」
浩一郎さんも言ったことに明日奈は驚き、そんな明日奈にSAOを渡す浩一郎さん。
「ナーヴギアは既に俺は持っているから後で俺の部屋に取りにきな」
「ありがとう兄さん」
笑顔になる明日奈。その顔を見て、ドキっとする俺。
「じゃあ、俺は変えるぜ」
手をあげて結城家を出る俺。
「じゃあ、後でね錬」
「おう」
俺は自分の家に帰っていった。
〜数時間後〜
家に帰ってきた俺は早速、ナーヴギアとSAOをセットし、キャラ作成をする。
キャラはリアルの俺と同じような容姿にした。髪型は黒髪のウルフスタイルだ。目の色はブラウン。
作成し終え、飯を食べ、午後1時になると
「いざ!SAOの世界に…リンク・スタート」
俺は…ソードアートオンラインへとダイブした。