小説『ソードアートオンライン〜2つのスキルを持つ蒼の剣士〜』
作者:レイフォン()

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第19話 『五虎(フィフティ・タイガー)』との出会い編


第40層を解放し、第41層まで行けるようになった次の日。
俺とアスナは攻略会議前に話しで出てきた笑う棺桶(ラフィン・コフィン)の事で下の階層を見回っていた。


まあ、下の階に来てモンスターとかも倒しながらだがな。
二刀流の熟練度なども上げないといけないし、両手鎌もな。


「ふん!」


ザザン!


「やぁあ!」


シュシュン!


出てくるモンスターを倒しながら進んでいると…


「きゃぁあああ―――――――――!」


『!?』


奥の方から悲鳴が聞こえてきた。
俺とアスナは悲鳴の聞こえた方へと向かう事にした。









奥に進むと5人のパーティーが襲われていた。
5人のうち、4人は身体に麻痺状態になっているようだった。
恐らく先ほどの悲鳴の主はもう1人のパーティーの女性だろう。


「来ないでよ…!」


「グヘヘヘヘ!少しいい気持ちになるだけさ…」


「君も麻痺で動けないからね…指も動かせない…ククク」


その女性の周りには10人の男プレイヤー達が囲んでいた。
マーカーは…レッドってことは…


「(笑う棺桶(ラフィン・コフィン)か)」


「(恐らくね)」


俺とアスナは武器を構え…


「うりゃあああ!」


「はぁああああ!」


テンペスト・ストームとレ・ミゼラブルで周りにいたプレイヤー達を吹き飛ばす。


『ぐぅおおおおおお!』


吹き飛び、転がっていくプレイヤー達。


「アスナ。今のうちの5人の麻痺状態を治すんだ」


「わかったわ」


俺はアスナを含む6人をかばうように前に立つ。
その間に10人のプレイヤー達は俺に武器を構え、殺気を出している。


「てめえ…誰だゴラァア!」


「お前らこそ、何をしようとしていた」


「ああん?男が女にする事なんて1つだろ(笑)」


ペロリと舌で音をたてる男達。
後ろからアスナと先ほどの女性が気持ち悪そうにうえぇと言っているのが聞こえた。


「おっ、よく見たら女の子1人増えているじゃん」


アスナの事もキモい目で見ている。男達の目を見て初めて気付いた。


「…お前等、笑う棺桶(ラフィン・コフィン)だな?」


男達の手に笑う棺桶(ラフィン・コフィン)のマークがあった。


「そうだぜぇ〜。俺達は泣く子も黙る笑う棺桶(ラフィン・コフィン)さぁ〜ヒャッハッハ!」


そう言いながらマークを見せびらかす。


「ところで何でこの5人を襲った?」


「あぁあん?俺達は依頼である女プレイヤーを殺すように言われていてな?そいつを殺そうとしていたらそいつらが妨害してきたんだよ」


「確か……グリセルダって奴だったよな?お前等を殺し、女達で遊んだ後…殺しに行かないとな」


……とんでもない屑どもだな。


「そうか。なら、俺は見逃せないな」


「ああん?餓鬼がなに舐めたこと言ってやがるんだ?正義の味方気取りかよ?そこの5人と同じだな。馬鹿だな」


「違うな。彼等は馬鹿ではない。人を助けるのに理由は要らない。目の前で危機に陥っている人がいたら助けるさ」


『!』


後ろから息を飲む音がした。あの5人か。


「さあ、始めようか」


「なめんじゃねえ!野郎ども!かかれぇええ!」


『うぉおおおおおお!』


10人が俺に襲いかかってきた。







〜?SIDE〜


俺達が狩りに来ていた所である女性が男達に襲われているを発見した。
俺達は全員で15人ほどいた男達と戦い、女性を逃がした。


戦いの途中、奴等の攻撃を避け、同士討ちをし、10人まで減った奴等は俺達を麻痺状態にしてレイナを俺達から離し、何かをしようとしていた。


そこへ来たのは1組の男女だった。
その男女は凄まじい速さで攻撃し、男達を吹き飛ばした。


「アスナ。今のうちの5人の麻痺状態を治すんだ」


「わかったわ」


アスナと呼ばれる女性が俺達にアイテムを使い、麻痺を治していってくれている。
……待てよ?アスナだって?あの攻略組の夫婦コンビで有名な?
という事は男の方はあのレンか?


「てめえ…誰だゴラァア!」


考え事をしていると吹き飛んでいった男達が武器を構えていた。


「お前らこそ、何をしようとしていた」


「ああん?男が女にする事なんて1つだろ(笑)」


…やはり、変な事をするつもりだったのか。


「おっ、よく見たら女の子1人増えているじゃん」


俺達を治療してくれているアスナさんに目を向けている男達。アスナさんは変な表情をしている。


「…お前等、笑う棺桶(ラフィン・コフィン)だな?」


レン?さんが笑う棺桶(ラフィン・コフィン)という事を言う。
あの殺人ギルド『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』か!?


「そうだぜぇ〜。俺達は泣く子も黙る笑う棺桶(ラフィン・コフィン)さぁ〜ヒャッハッハ!」


男の1人は手甲を外し、マークを見せる。本当に『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』とは。


「ところで何でこの5人を襲った?」


「あぁあん?俺達は依頼である女プレイヤーを殺すように言われていてな?そいつを殺そうとしていたらそいつらが妨害してきたんだよ」


「確か……グリセルダって奴だったよな?お前等を殺し、女達で遊んだ後…殺しに行かないとな」


っ!やはり、あの女性の殺害が目的だったのか!


「そうか。なら、俺は見逃せないな」


「ああん?餓鬼がなに舐めたこと言ってやがるんだ?正義の味方気取りかよ?そこの5人と同じだな。馬鹿だな」


「違うな。彼等は馬鹿ではない。人を助けるのに理由は要らない。目の前で危機に陥っている人がいたら助けるさ」


『!』


俺達はそれを聞いて驚いた。
俺達は同じ学校のサークルのメンバーで誰もが困っている人を見捨てられないメンバーばかりで、他の小規模ギルドの奴等からは「お前達のしているのは偽善の行動だ」と笑われていた。


けど、そう言ってくれる人もいると言う事を知って良かったと思う。


「さあ、始めようか」


「なめんじゃねえ!野郎ども!かかれぇええ!」


『うぉおおおおおお!』


男達がレン?さんに突っ込む。


「あの…アスナ…さんでいいよね?彼の事を助けに行かないと…」


ウェザがアスナさんに言うと…


「問題ないわ。だって…」


ドスーン!


「ぐぁあああああ!」


「何だこれは!痺れる!!!」


音がした方を見ると男達5人が動けず、地面に這いつくばっていた。


「レンに敵うわけないじゃない。あの程度の奴らに」


「ア、アスナさんは信頼しているですね。レンさんの事を」


レイナが苦笑しながらアスナさんに言う。


「当たり前でしょ?夫婦よ私達。レンとはここでもずっといたの。だから安心できるのよ」


「がーはっはっは!レンさんが羨ましい限りだぜ!なあ、ユウト!」


バーグが治療されながら大声で笑う。俺に同意を求めるなよ。
どう見てもこの状況で笑うのはおかしいと思うけどな。


ザシュン!


『がぁああああ!』


残りの5人も斬られて動けなくなっている。


「さて、終わりだ」


「な、何だこの麻痺は。強力すぎる」


そう、地面に這いつくばる男が言う。


「俺の事知らないとか…お前ら、かなり下っ端だろ。俺はレン。あっちにいる女性はアスナだ。名前ぐらいは知っているだろ?」


「…なっ、あの攻略組の…何で下の階層に来ているだよ!」


そう、男が聞くと


「俺の知り合いのギルドのメンバーが襲われたと聞いてな。気になって調べに来たらお前等発見。ついでに情報、吐いてもらうぞ」


「はっ!誰がぁあああああ!?「グサッ!」い、痛い!痛い!」


レンさんは持っていた剣を男に突き刺す。


「もう一度言う。喋って痛みから解放されるか死ぬか選べ」


ゾクッ


寒気がした。レンさんは本気だ。


「俺は別にお前等殺人ギルドの人間が死のうが何とも思わん。お前等は自分達の娯楽のために何人ものプレイヤー達を殺してきたんだ?1つ言っておこう。殺していいのは、殺される覚悟のあるヤツだけだとな」


ザシュ!


「がぁあああああ!すまない!言う!言うから!」


ザク


剣を抜くレンさん。今だけだけど奴らには同情するね。


「お、俺達には基本、ホームなどはないと思う。お、俺達下っ端はリーダーから受けた指示に従うだけなんだ!だから、リーダー達の場所とか知らないんだよ!」


周りに倒れている男達も同じことを言っている。


「そうか。なら、お前等は牢獄でこのゲームがクリアされるまで投獄されていろ」


レンさんは回路結晶を取り出した。


「さて。じゃあなお前等」


笑顔で言うレンさんは回路結晶を使い、男達を投げ入れた。


『恨んでやるゥウウウウウウう!』


そんな声と共に回路結晶にできた入口は消えた。



〜ユウトSIDE OUT〜






男達を回路結晶で牢獄へ送り、俺はアスナ達に近づく。


「お前等大丈夫か?」


「あ、はい。ありがとうございますレンさん」


さん付け…か。何か痒くなるな。


「やめてくれ。俺とお前、同い年ぐらいだろ。敬語はやめろ。さん付けも禁止だ」


「すいません。俺、この口調は癖なんですよレン」


さん付けはなくなっただけましか。


「誰もやられていないな?」


「は、はい。あ、俺達、ギルド『五虎(フィフティ・タイガー)』っていいます」


五虎?……5人に五虎っていえば三国志の…なるほどな。


「お前等、三国志の五虎将軍のファンか?」


「あ、はい。良く分かりましたね。俺達は同じ学校のサークルのメンバーなんです」


なるほどな。納得だ。


「2人はあのレンさんとアスナさんなんですよね!」


女の子が俺とアスナを見ながらキラキラした目で見ている。


「ああ。レンとアスナの2人組で有名なのは俺達だ」


「きゃぁああーーー!本物だわ!噂は聞いているんです!第1層の時からずっと最前線で戦い続けている2人組の美男美女のお2人の事を!かっこいいです!」


……女の子にしては珍しい熱血系か?


「さて、俺達はまだする事があるから。安全に注意して帰るんだぞ?」


『はい!/おう!』


「じゃあな」


俺とアスナは別のエリアへ向かう事にした。








〜ユウトSIDE〜


去っていく2人の姿を見て、俺は…俺達は決心した。


…彼らの家は確か…第11層 タフトにあると聞いたな。皆で尋ねてみるか。



〜ユウトSIDE OUT〜



――――――――


次回もこれに似た救助の話しになります。
何故、このような話を書いているのかはお楽しみに。

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