小説『ソードアートオンライン〜2つのスキルを持つ蒼の剣士〜』
作者:レイフォン()

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第19話 ギルド『シュヴァリエ』との出会い編


ユウト達を助けた俺とアスナは35層のフィールドを歩いていたが、ある違和感を覚えた。


「…アスナ」


「何レン?」


歩くのを止めた俺を不思議そうに見るアスナ。そんなアスナに俺は聞く。


「ここに…こんな道あったか?」


「道?……あれ?なかったわよね?」


ここ、35層のこのフィールドは一度、レベル上げに使っていたフィールドだ。
なのに、その時はこんな道はなかったはずだ。
となると……前の黄泉の国という隠しエリアと同じ隠しエリアって事になるな。


「気になる…言ってみよう」


「ええ。嫌な予感もするし」


俺とアスナはなかったはずの道を歩く事にした。







歩くこと数分。扉のようなものを発見した。
しかも、少し開けただけでもの凄く寒い冷気が伝わってくる。


「さむっ!」


「念のため、暖かいコートを…」


「ああ」


アイテム欄からコートを取り出し、それを着る。
その後、改めて扉を開けて中に入る。


「おお」


「うわー…!」


そこは氷で覆われた世界だった。
しかも、モンスターであろうもの達をも凍結させるほどの……このエリアの名前は…『凍結地獄の迷宮』と言うのか。


「凄い氷の数ね」


「モンスターの凍った氷像まであるぞ」


恐らくは隠しエリアかなにかなのだろう。その証拠にマッピングされないしな。


「…とにかく進もう」


「ええ」


俺とアスナは慎重に進む事にした。






[ガウゥウウウウ!]


氷を纏ったアイスウルフの群れが俺達を襲ってきたが、俺は炎龍刀で斬り、追加効果のやけどにし、倒していく。
稀に氷を纏っていないモンスターが出てくるときは氷龍刀で斬る。
アスナは素早い動きでアイスウルフ達を攻撃し、片づけていく。


カチャ。


「片付いたな」


「ええ。ここのモンスター……結構厄介ね」


アスナはレイピアについている氷を取り払う。


「斬れば斬るほど剣などに氷が付着するか。厄介だな」


「完全に凍ったら折れるかもしれないしね」


折れたら修復不可能になるだろうな。俺はそれにすぐに気付き、炎龍刀で氷属性のモンスター達を斬っている。
しかし、アスナの持つ武器の中に火や炎を纏う武器はない。気をつけないとな。


「…ん?この奥にプレイヤーの反応があるぞ」


「え、本当?」


俺が指さす方を見ながら俺に聞く。


「ああ。…5人か。ギルドかなにかか?」


「でも、この迷宮…かなりレベルがないときついわよ?攻略組なら問題ないけど」


「行ってみよう」


「ええ!」


その場から駆けだす。








反応があった場所に着くとそこには1人のプレイヤーを守る4人の女プレイヤー達がいた。


「アスナ」


「うん!」


駆けだし、巨大なウルフに斬りかかる。アスナは周りにいたウルフを突き飛ばす。


「大丈夫か!」


俺は5人に声をかける。
俺はその中に1人に見覚えがあった。


「ベルガ!?」


「レン…か」


ベルガはソロプレイヤーの攻略組のプレイヤーだ。盾を持たないのに異様な防御力を誇るベルガは最前線で活躍しているプレイヤーだ。


「まさかお前がいるとは……なぁ!」


ガキィィィン!


巨大ウルフの爪を受け止め、炎龍刀で斬るつける。


「いつものお前ならそこまで苦戦しないだろ」


「……すまん。武器を凍らせられてしまってな。腕も凍ってて動かせない状態なんだよ」


……確かに武器を持っていないな。ってことはあのウルフはブレスか何かを吹くのか。


「何でこんなにウルフがいるんだ!?」


俺のいった事に4人パーティーの…ギルドリーダーが答えた。


「あの巨大ウルフが遠吠えをしたらアイスウルフが出てきたのよ!」


「そう言う事か…」


なら、話は早いな。


[ガォオオオオオ!]


「うるさいわ!この犬っころがぁああ!」


バキィィ!


[キャィィィン!?]


殴り飛ばした。


『えっええええええええええ!?』


4人は驚き、


「相変わらず出鱈目だな…」


ベルガは苦笑している。


「お前、少し…」


俺は武器を武御雷(タケミカヅチ)に換え、


「黙って…」


【雷帝の裁き】で動きを止める。再び、炎龍刀を装備し、


「消えろ」


二刀流炎龍氷龍刀限定スキル:火炎氷演舞!


ザシュ!ゴォォオオ!カチカチ!パリィィン


この技は燃やし、凍らせ、砕け散る技だ。


巨大ウルフがいなくなるとそこには……


[クゥゥン…]


通常のウルフよりも大きい、ウルフがいた。
しかもそのウルフが俺に近づき、頭を俺の脚にくっつけてきた。


「あはは、もしかしてレンの事気にいったんじゃない?」


アイスウルフ達を片づけたアスナがそう言ってきた。


「そうか?テイミングも可能って出ているけどよ」


「テイミングしたらどう?」


「……いいかもな」


テイミングを押す。すると


≪守護者の狼をテイミングしますか?≫と表示され、yes・noのyesを押すと


≪テイミングを確認しました≫と表示された。


[ウォン!]


守護者の狼が尻尾を振っている。手でなでると喜んでいる。


「名前は……コバルでいいかね」


「良いんじゃないかな?」


守護者の狼改めコバルが俺の使い魔のようなのになった。


「ベルガ。手は平気か?」


「ああ。モンスターが倒されて治ったよ」


「良かったじゃないか」


全くだと言うベルガに俺は笑った。







〜?SIDE〜


突然の出会いでした。


私達は偶然、35層のフィールドを探索していたら扉のようなものを発見し、興味本位でその中に入った。
中は氷で覆われていて、氷を纏ったモンスター達が多く出てきていた。
けど、私達は攻略組入りするためにレベルを上げていたんだもん…この程度じゃ平気だよ。


私のギルド『シュヴァリエ』のメンバーは私…ユニを筆頭にここまでやってきたんだ。
平気だと思った。……けど、奥に着くと1人のプレイヤーが巨大なウルフに追い込まれていたのを見て私達は飛びだした。
戦ったけど……このウルフは明らかに35層にいるようなモンスターじゃないと思った。
どんどんHPを削られていき、駄目だと思ったその時だった。


「大丈夫か!」


見知らぬプレイヤーがウルフに斬りかかり、私達に声をかけてきた。


「ベルガ!?」


「レン…か」


私達が助けたプレイヤー…ベルガさんが私達を助けてくれたプレイヤー…レンさんの名を言う。
レンと聞いて思い出すのはずっと最前線の攻略組としてパートナーであり、妻であるアスナさんと共に戦っているあの有名な人よね?
今、私達の前に渡したいたが目指していた攻略組のトップの2人がいる!


心が躍っていると…


「まさかお前がいるとは……なぁ!」


ガキィィィン!


巨大ウルフの爪を受け止め、刀で斬るつけるレンさん。


「いつものお前ならそこまで苦戦しないだろ」


「……すまん。武器を凍らせられてしまってな。腕も凍ってて動かせない状態なんだよ」


そっか、ベルガさんが武器を持っていなかったのはそう言う理由だったんだ。


「何でこんなにウルフがいるんだ!?」


それに私が答えた。


「あの巨大ウルフが遠吠えをしたらアイスウルフが出てきたのよ!」


「そう言う事か…」


それだけで理解したレンさん。


[ガォオオオオオ!]


接近するウルフにレンさんは


「うるさいわ!この犬っころがぁああ!」


バキィィ!


[キャィィィン!?]


殴り飛ばした。


『えっええええええええええ!?』


私達は驚き、


「相変わらず出鱈目だな…」


ベルガさんは苦笑しているだけだった。え、普通今のような光景を見たら驚く事でしょ!?
なのになんでベルガさんは苦笑しているわけ!?


「お前、少し…」


レンさんは武器をに換え、


「黙って…」


ソードスキルを使うとウルフは動きを止め、さっきまで装備していた武器を装備し、


「消えろ」


炎と氷を纏った刀で斬りつけた。


ザシュ!ゴォォオオ!カチカチ!パリィィン


するとウルフは燃やしされ、凍らされ、砕け散った。


巨大ウルフがいなくなるとそこには……


[クゥゥン…]


通常のウルフよりも大きい、ウルフがいた。そのウルフがレンに近づき、頭をレンの脚にくっつけてきた。


「あはは、もしかしてレンの事気にいったんじゃない?」


ウルフ達を片づけたアスナさんが近づきながらそう言った。


「そうか?テイミングも可能って出ているけどよ」


「テイミングしたらどう?」


テイミングって確かモンスターを仲間にできる奴だっけ?


「……いいかもな」


するとレンさんは何かの操作をするとウルフの身体が光った。


[ウォン!]


ウルフが尻尾を振っている。レンさんが手でなでると喜んでいるように見える。
ウルフというより犬じゃない。


「名前は……コバルでいいかね」


「良いんじゃないかな?」


レンさんとアスナさんが話をしている。そして、レンさんはベルガさんに近づく。


「ベルガ。手は平気か?」


「ああ。モンスターが倒されて治ったよ」


「良かったじゃないか」


全くだと言うベルガさんにレンさんは笑った。


この2人ってもしかして知り合いなのかな?戦闘中も会話してたし、名前を知ってたし。


「あのあの!お2人は知り合いなんですか!」


私のギルドのムードメーカのラナが聞く。ナイスよラナ!


「ああ。ベルガは攻略組のソロプレイヤーだ」


『えっ!?』


聞いて驚いたわ。まさか私達が助けた人物が攻略組だったなんて。


「とはいっても俺は第20層辺りから参戦しているけどな」


「何を言う。お前に助けられたプレイヤーも多いだろ」


「確かにな」


「なあなあ、それってどういう事なんだ?」


ギルド1の熱血娘エリが聞く。


「ベルガが今の装備になってから付いた2つ名が動く要塞砦だ」


「それってどういう事です?」


副リーダーのクオンが聞いた。それに答えたのはベルガさん。


「俺の防具…オーガアーマーは固有スキル:【戦鬼の咆哮】は装備したプレイヤーのHPと防御力を飛躍的に上昇させ、また装備していると高揚状態にして、さらクリティカルも発生しやすくなるというものだ」


『…まさに要塞砦ですね…』


4人一緒に言った。


「ところでベルガ。お前の今、持っている武器…」


「ん?こいつか?ここで手に入れた武器だ。名前はコキュートス。このエリアと同じ名だよ」


うわーいかにも氷の攻撃とかしそうな両手斧ね。


「んじゃ、表に出て帰ろうぜ」


「そうだな」


ベルガさんは落ちていた武器も拾う。


「君達も来るか?俺達はもう、今日は家に帰るし」


『あ、はい!』


私達はあこがれの攻略組の人達と共に帰る事になりました。









この時、私…私達はある決心をするのでした。




―――――――――――


第19話の続きで、続いてギルドとソロプレイヤー達を助けたレンとアスナ。
この2つを書いた理由は次話にわかります。
そして、シリカと同じようなビーストテイマーとなったレンです。
この仲間になったウルフ…コバルにも無論、出てきた役割があります。
お楽しみに!

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