第21話 初陣!ギルド『蒼光の軍勢(ブルーシャイン・ヘタイロイ)』
ギルド設立から6日。その間に色々と準備をした。
まず、家の増築とギルドホームの設立だ。
家は周りの土地が開いていたので金を払って家を建てた。元々、俺達が住んでいた家と繋げ、ギルドの会議や話し合いはギルドホームでし、寝る・食べるなどは俺達の家ですることにした。
次に防具などにギルドマークを刻んだ。
俺とアスナの使う武器…剣、刀、レイピアの重ね、蒼と白にクロスしたマークだ。
次はギルドメンバーで俺とアスナを除いた全員のレベルの強化。
俺とアスナのレベルは70。ベルガのレベルは50、他のメンバーのレベルは大体が40。
俺達とかなりのレベル差があるので俺達が前に行った隠しエリア黄泉の国で戦わせた。
それにより皆の武具は強化され、レベルは…ベルガが50から60に、他のメンバーは55まで上げることができた。
しかし、全員がレベルアップ後、こう語った。
『こんな無茶なレベル上げ、二度としなくない』と。
武具の強化は装備を変えたのではなく、リズに強化してもらった。
そのために必要な素材などは店にあったのでリズはサービスとして格安で強化した。
今の装備なら今の階層から大体70層辺りまで使っても戦える。
といった感じだ。
そして、俺達はギルドの初陣に相応しいと思い、迷宮区の奥を目指している。
そう、第41層のフロアボスを俺達で倒しに来ているのだ。
最初は皆、驚いていたが何故かやる気になっていた。特にラナやエリがやる気になっていた。
「んじゃ……行くぞ!」
『おお!』
キィィィィ―――――バタバタバタ!
41層のフロアボスのいる部屋の扉を開け、部屋に入る。
ボォ!
それと同時に部屋の明かりがつき、ボスの姿が見えた。
[キエェエエエエエエエエ!]
もの凄い叫びが響く。
「っ!レン!相手の名前は【Gryphon】。こいつは飛んで戦い、異常状態の起こすスキルは効かないって書いてあるわ!攻撃方法は鋭い爪と翼の羽を飛ばすって!」
「ってことは雷神の裁きは効かないか。空中からの攻撃が得意って事か」
飛んでいる相手…それもボスがか。厄介な。
「飛んでいる相手は私に任せて下さい」
ハクロが弓を構えながら言う。
「よし、とにかくまずは飛んでいる会いつの動きを止めるんだ。その後、地面に近づいたグリフォンの翼を破壊するんだ」
『了解!』
俺は今は鎌を装備している。
[キェエエエエエエエ!]
シュバババババ!
羽を飛ばし、ハクロを狙う。
「させん!」
「さっせないよー!」
俺は鎌を回転させて羽を弾き飛ばし、ラナは短剣・レイヴンとイーグルで弾いていく。
「食らいなさい!」
ハクロはスキル:【ブレイクアロー】でグリフォンを狙い撃つ。
シュシュン!
[!]
グリフォンは自分に迫る矢に気付き、翼で防御するが…
「甘いですよ」
グサッ!
矢は翼を貫通し、グリフォンにダメージを与えた。
[キィェエエエエエ!!]
翼を貫通され、ダメージにより地上に近づくグリフォン。
「今だ!いくぜえええ!」
レイナはジャンプしながら武器…獅子戦槍を二又に分け、両手に槍を持ち、金色に輝く。
「食らえ!」
ソードスキル:【レオンクロウ】…グリフォンの翼に向かって三本の衝撃波を放つ。
[ギィェエエエエエ!]
ビキビキ…
翼から鈍い音がした。
「行くぞ!」
俺は鎌を持ち、ソードスキル:【環伐弐閃】で何度も斬りかかる。
片方を翼が砕け散る。
「行きますよ!」
ウェザが槍を持ち駆けだしていく。白い光が槍の先で光り、ソードスキル:【セブンスター】の七連続の刺突攻撃が翼を襲った。
バキィィン!
[ギィヤァアアアアア!]
両翼が完全に砕け散り、飛べなくなったグリフォンはボスでもただのモンスターだ。
「うおりゃあああああああ!」
ベルガが両手斧:コキュートスを地面に叩きつけ、スキル:【氷河爆裂撃】により氷柱を次々に生み出し、グリオフォンを串刺しにした。
しかも氷柱によって身動きができない。
そうしていると
[[[キシャァアアア!!!]]]
小さなグリフォン達が現れた。
「どうやらボスグリフォンのHPが半分になると出てくるみたいね。今、表示されたわ」
「なるほどな。各自、出てきた複数のグリフォンを駆除するぞ!」
俺は鎌を握りしめ、
「うりゃぁああああ!」
両手鎌基本技:衝撃波を飛ばし、グリフォン一体を切り裂く。
「あたしの棍棒術、受けてみなさい!うりゃりゃりゃ!」
エリが棍棒で複数の子グリフォンを一気に叩いている。
「あはははは!私の剣技、見切ってみなさいよぉ!」
ラナが笑いながら次々出てくる子グリフォンを狩っていく。
「私の防御を貫けませんよ」
クオンは水の膜に覆われながら槍で子グリフォンを倒していく。
「オラァアアア!」
槍に子グリフォンを突き刺したまま、他の子グリフォン達をどんどん突き刺していき、叩きつけた。
ドスン!
それにより一気に5体ほどの子グリフォンが砕け散る。
「はぁあああああ!」
シュ!ザシュン!ザン!グサッ!
アスナはいつものように素早い動きで子グリフォンの動きを止め、次々に倒していっている。
いつの間にか子グリフォン達が全滅していた。
「さて」
俺は鎌を構え、
「これで…」
ユニは曲刀:スコルピオを構え、
「終わりだ」
ユウトは青竜偃月刀を構える。ソードスキルの発動のための溜めをしている。
「「「終わりだ/です!」」」
ザシュ!ザン!
同時に3人でグリフォンの各部分を切り裂く。
俺が手足を、ユニが胴体を、ユウトが首を斬る。
パリィィィン
砕け散るグリフォン。
空中には【Congratulation!!】とシステムメッセージが表示された。
「ふぅ…こんなもんか」
「うん」
「そうだな」
俺・アスナ・ベルガが言うと、
ドサッ!
『だぁあ…』
3人以外のメンバー全てが寝そべる。
「これが攻略組の戦いか……」
「き、緊張しました…」
ユウトとユニはお互いに背中をくっつけ、感想を言っている。
「私も流石に疲れたよ…」
「同意しますぅ…」
「あたしもだよ…」
レイナ・ラナ・エリの3人も疲れ切っている。
「ふむ。これが攻略組の空気か」
「これは結構精神的に疲れますね」
「死とのとの隣合わせか」
クオン・ウェザ・ハクロの3人は攻略組がどんなのかを実感している。
「皆、よく頑張ってくれた。俺が何故、こんな無茶をしたのか。それは…俺とアスナ、ベルガ以外に攻略組の空気などを知ってほしかったからだ。これから攻略組にいるとこういう事もある。気を引き締めていくぞ」
『おぉ〜』
元気のない声で言っていると…
「おや?これは一体…」
「ん?」
声がした方を見るとそこには…
「ヒースクリフに血盟騎士団と青龍連合の混合部隊?」
「やあ、レン君。今回は私も調査に来たのだが……君達が倒したのかな?」
「おう。俺達、ギルド『蒼光の軍勢(ブルーシャイン・ヘタイロイ)』がな」
俺がそう言うと驚いた表情をした。
「驚いたね。君とアスナ君がギルドを作るとは」
「ああ。この前な。んで、力試しにこのフロアボスを倒しに来たってわけだ」
「なるほど。こちらも安心したよ。こちらが被害などを出す必要がなくなったからね」
「ああ。早く他のプレイヤー達にも教えないとな」
「うむ。そうだね」
俺達は共に42層へと進むのであった。
翌日、41層のフロアボス攻略したことが新聞として流れ、俺達のギルド『蒼光の軍勢(ブルーシャイン・ヘタイロイ)』が一躍有名になったのであった。
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こんな感じでギルドの初陣でした。
一応ギルドメンバー(レンとアスナを除いた)武器の名前などを出しました。
原作の時間軸…大体第1巻の74層が始まった時にでもレンとアスナ、ギルドメンバーの紹介をしたいと思います