第22話 神々の聖地
第41層のフロアボスを倒して早1週間。
その間も第42層フロアボスの部屋を探す調査は続いている。
最近発見された35層隠しエリア『オリュンポス』。
この隠しエリア…どうやら俺とアスナが発見した『黄泉の国』、さらにユニ達と出会った『凍結地獄の迷宮』に続く、隠しエリアのようだ。
このエリアを発見したソロプレイヤーがいたのだが、出現するモンスターのレベルは50から60ぐらいで流石に無理があるとの事で中を探索するのを断念したそうだ。
そのソロプレイヤーが俺やアスナ、ベルガの知り合いという事もあり、その情報を貰った。
んで、今ここにいるのは俺とアスナ、ベルガ…元攻略組タッグとソロプレイヤーの3人に+コバルで来ている。
他のメンバーは「2人にだけ頼ってても仕方がないし、俺達は黄泉の国でレベルをのんびりと上げてくるぜ!」
と元2つのギルドメンバー全員で黄泉の国に向かった。
現在、俺達は情報にあった35層隠しエリア『オリュンポス』に来ているわけだが……
キィィン!
[ヤァアアアアアアア!]
[トォオオオオオオオ!]
[チェリォオオオオオ!]
その『オリュンポス』の神殿の中で戦っているわけなのだが…モンスター『ギリシャの戦士』が多く出現し、連携を取って戦っている。
モンスターが集団戦で連携とかあり得ないだろ!?
「おぉぉ!?」
ガキィィン!
「やぁあああ!」
ガン!
「ぬぅあああああ!」
ドスン!
攻撃してもしっかりと盾で守ってくる『ギリシャの戦士』達。
俺達が若干苦戦している。まさかここまでしっかりとした連携ができるとはな。
[アォオオオオオン!]
カチカチ!
コバルは『凍結地獄の迷宮』にいたからてっきり攻撃は氷系と思っていたが、それだけでなく…
[ガォオオオオオ!]
バチバチバチ!
氷の他に雷などを発生させることができる見たいだ。
「消えろおお!」
ザシュ!
「しつこい!」
ザシュシュシュ!
「潰れろ!!」
ドスン!
パリィィィン
『ギリシャの戦士』達を倒し終える。一息付く俺達。
すると
[アォオオーーーーン!]
あ、コバルのレベルが上がった。
どうやらテイムした使い魔もしっかりとレベルが上がるようなのだ。
てか、コバル…かなり万能じゃないか?だって…
・氷結、雷撃、火炎、毒、麻痺攻撃。
・遠吠えで複数の同族を呼び、戦えるし
・パーティーのHPを回復させるし
このステータスじゃあ、思いっきり万能と思えるだろう。
「しっかし、ここ、色々と凄いな」
「うん。こんな回復アイテムを手に入れることができるなんてね」
カラァン
アスナが持っている水晶でできた瓶。
これはネクタルという回復アイテムで飲む事で体力全快、状態異常治療等の効果を発揮する。
よくゲームに出てくるエリクサーとかそんな感じのアイテムだ。
こいつは宝箱だけじゃなくて水晶を壊すことで手に入ったりもした。
「それにしてもここ、奥まで来たがボスらしいのはいないんだな」
「レアモンスターにも遭遇しないし…」
「出会うのは『ギリシャの戦士』ばっかりだしな」
そう、話していたら
ビシャァーーーン!
雷が鳴り出し、それと共にモンスターが現れた。
[グゥオオオオオオン!]
カーソルには【Hellenes】と表示されていた。
「おおっと、お出ましか?」
[グゥオオオオオオオ!]
バチバチバチ!
雷が走る。
バチィ
「全員!後ろに跳べ!」
『っ!』
俺の合図に2人とコバルが下がる。俺達がいた場所に雷が落ちる。
「あぶねぇ…雷が落ちる一瞬の音が聞こえたから避けられた。まさか直接攻撃せず、雷を放つとは…」
「レンがいなかったら危なかったわね」
「こいつは手ごわそうだ。けど…」
ベルガが斧を構える。
「ああ。この程度…フロアボスと比べたら…」
剣を構える俺。
「どうってことないわね」
レイピアを構えるアスナ。
ビシャーン!
雷が鳴るのを合図に俺達は走りだす。
「ぬらぁああああ!」
ベルガが両手斧『ツインファング』のソードスキル:旋空回転戟で横薙ぎに殴り、そのまま7回転してヘレネス
を転ばした。
「はぁあああ!」
俺は装備しているアスカロンと武御雷(タケミカヅチ)のソードスキル:屠竜剣で防御力&耐久値を弱体化させ
、雷帝の裁きで動きを止める。
「やぁー!
これにより転んだ状態のまま麻痺となっているヘレネスにアスナが『凍結地獄の迷宮』で手に入れたアイスブランドというレイピアのソードスキル:氷撃刺殺という刺した場所を凍らせる技を手足へと放った。
「さらにこれを…」
装備を変えるベルガはコキュートスを取り出し、
「喰らえってな!」
氷河爆裂撃で氷柱を次々に生み出してヘレネスを凍結状態にした。
「おぉ…モンスターがプレイヤーの攻撃で凍結状態になるのは初めて見たぞ」
「私もよ。こういうことができるのね。しかも、凍結状態なのにHPがどんどん減っているわ」
「ふむ。凍結状態になるとHPが減っていくっと。覚えておこう」
そして、凍結状態のままヘレネスのHPが0になり、消え去った。
それと同時にヘレンスの持っていた武器が小さくなり、その場に突き刺さった。
ガチャ
それを俺が引き抜き、固有名を見る。
「武器の種類は投剣。武器名は『ケラウノス』か。ソードスキルは【ブレイブサンダー】。相手に投げつける事で発動する。剣その物が雷となって相手に襲い掛かり着弾と同時に周囲に雷撃の広範囲ダメージを齎し、剣自体はそのプレイヤーの手元に戻って来る…か。いいじゃんこれ」
俺は仕舞う。
「さて、行きますかお2人さん」
俺達はその後も、ここのエリアでモンスター達を狩った。
その結果遭遇したモンスター及び手に入れた武具が以下の通りだ。
・モンスター名【Poseidon】
ゲットしたのは両手槍『トライデント』
ソードスキル:【ポセイドンの憤怒】…穂先に青い光を纏わせ、相手に振り抜く事で発動。青い刃の衝撃波と共に水流が現れ、衝撃波による物と水流による二つの攻撃を与える。
・モンスター名【Athena】
ゲットしたのはアーマー『アテーナー』
固有スキル:【戦女神の守護】…装備したプレイヤーのHPと防御力を飛躍的に上昇する。また装備したプレイヤーとパーティを組んでいたり、ボス戦において複数のプレイヤーと合同で戦っていた場合そのプレイヤーたちの攻撃、防御力を上昇させる。そしてアーマーでありながらコートと同じくらい軽い。
・モンスター名【Ares】
ゲットしたのはアーマー『アレス』
固有スキル:【血塗れし戦神の咆哮】…装備したプレイヤーの攻撃、防御力を上昇させるが狂化状態(いわゆるバーサク状態)になり戦闘では回復などを行わず敵を全滅させるまで戦う様になる。
・モンスター名【Artemis】
ゲットしたのは短弓『アルテミス』
ソードスキル:【ハンティングアロー】…弓に矢をつがえ、矢に緑色の光を灯した状態で相手に放つ事で発動。相手に向かって飛んでいくホーミングの特性を持っており確実に相手に命中する。またその攻撃で敵を倒した場合確実にドロップアイテムが出現する。獣形のモンスターであれば質の良いアイテムが出現する事もある。
・モンスター名【Apollon】
ゲットしたのは弩『アポロン』
ソードスキル:【エビテミックアロー】…弩に矢を番え、矢に青白い光を灯した状態で相手に放つ事で発動。相手に命中すると疫病(毒状態の様に相手の体力を減らすだけでなく能力値を軒並み低下させる。制限時間は4分)状態にさせる。この矢にもホーミングの特性がある。
・宝箱からゲットしたのはアーマー『光輝』と兜『ハデスの兜』
アーマー『光輝』の固有スキル:【ユピタルの威光】…装備すると常に発光して明りの無いダンジョンでは松明を必要としない。またこの光には攻撃判定が付く為接近して攻撃をするプレイヤーにとっては援護にもなる。装備するとHPと攻撃、防御力が上昇する。
兜『ハデスの兜』の固有スキル:【姿隠し】…プレイヤーが装備する事で最高習熟度並みの隠蔽を発揮できる。またこの隠蔽は目の無いモンスターすら感知する事が出来なくなる。
である。ここでかなり珍しい武器などを手に入れたな。
短弓『アルテミス』と弩『アポロン』はどうしようかね。何となく俺が持っていた方がいい気もするし。
ま、後で考えればいいか。
今日はこのエリアの探索で終わったか。
「帰ろう」
「うん!疲れたよ〜」
「ああ。レアモンスターのオンパレードだったしな」
俺達は帰る事にした。
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はい、今回は隠しエリアでの武具などを集めたりでした。
戦いばっかり書いていくのもつまらなくなるかなって思って一戦だけ書きました。
それと自分のこの小説…ソードアートオンライン〜2つのスキルを持つ蒼の剣士〜が殿堂入り小説候補に選ばれました。この小説を見てくださった皆様方には感謝しています!これからも更新を頑張っていこうと思います!