小説『ソードアートオンライン〜2つのスキルを持つ蒼の剣士〜』
作者:レイフォン()

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第23話 リズの頼み


あれから時が過ぎ、現在は11月。
そう、このデスゲームが開始されてから早1年が経過したのだ。
1年経った現在、攻略されたのは47層まで。現在は48層のフロアボスの部屋を探している所だ。


その間のも俺達は色々していた。
まず、11月6日に1年間生き残ったパーティーを親しい人達を集めて開いた。
場所は無論、うちのギルドでだ。
久しぶりにケイタ達と出会った気がしたよ。
何しろケイタ達とは攻略の時以外会わないからな。
他の皆とはちょくちょく迷宮やフィールドで会ったりしていたし。


次に俺達の拠点を第48層 リンダースに移したこと。
その時、特殊な手続きで11層にあった家とギルドをそのまま移して、大きくした。
うちのギルドに入りたいと言うプレイヤー達がいるが生憎、俺は入れる気はない。
だって目がうちの女プレイヤー…アスナ達を見ていたんだぞ?邪な感情でギルドに入られても困る。


そして、ギルドを移して1週間が過ぎたころ、リズに俺とアスナは頼まれた。











「ええ?48層にあるダンジョン…『鍛冶神の工房』に一緒に来てほしい?」


「ん?」


朝飯を食べている俺とアスナ(他のメンバーは朝から下の階層に用があると言うのでいない。ベルガはソロ仲間だった奴らに情報をもらいに言っている)にリズが頼みごとをしてきた。


「そうなのよ。『鍛冶神の工房』にあるアラームのトラップの付いた宝箱から手に入る職人専用の武器があるのよ」


「ほぉ。職人専用か。面白いなそれ」


「そうなの。それでエギルさんや他の鍛冶職人仲間から情報を貰ってね?何でも鍛冶職人が装備しているとプレイヤーの作る武具や防具を通常よりも遥かに能力の高い物で作り出す事が出来るんだって」


それを聞いて驚く俺とアスナ。そう言った特殊な武器が宝箱から手に入ると思わなかったぞ。


「けどね?そのダンジョンで出現するモンスターがかなり強い傾向にあるらしくて、殆どのモンスターがレアアイテム…主に武具をドロップする事が多いらしいの。エギルさんによればそれにチャレンジしに行った職人が危うく死ぬところだったんだって。それで攻略組のパーティーに頼んでいっても駄目だったそうよ」


「なるほどな。そこで俺とアスナの出番か」


「ええ。あたしが知る限りではあんた達以上に強いプレイヤーは知らないわ。攻略組最強の夫婦さん」


夫婦と言われても、最初の頃と比べて恥ずかしくなくなった。
まあ、かなり長い時間夫婦でいたからかもしれないけど。


「面白そうだな。アスナ、どうだ?」


「ふふ、親友の頼みとあれば断るわけにはいかないわね。リズにはずっとお世話になっているんだし行きましょう!」


「ふ、いうと思ったよ」


「いいの?」


「「無論!断る理由はない!」」


ハモったか。


「ありがとう2人とも!」


笑顔になるリズ。


「じゃあ、早速行こうか」


「ええ!」


「ってもう食べ終わっているの!?早!」


いつの間にか朝食を食べ終えている俺達に驚くリズでもあった。













〜第48層 『鍛冶神の工房』〜


このダンジョンにきた瞬間、他のプレイヤー達が出てきた。
その中には攻略組で見た面々もいる。


「ああ。レンにアスナさん…」


そのうち1人が俺達によわよわしい声を上げて名前を呼んだ。


「おいおい、どうしたんだ?」


「どうしたも……こうしたも、ないよ。ここ、はモンスターがもの凄く…強いんだ。とてもじゃないが、最深部にある宝箱に…到達することなんて…僕達は帰るよ」


ヨボヨボ歩いて帰っていくプレイヤー達。


「さて、聞いた通りだ。アスナはリズの護衛を頼む。俺はこの…」


シャキィィン


「この大鎌・鉤刺鳥<カンザシドリ>で出てくるのをなぎ倒す!」


「行きましょうリズ」


「ええ!」


俺達はダンジョン内に入っていった。














[ゴォオオオオオオ!]×3


このダンジョンはどうやら色んなモンスター出る事が判明した。
今戦っているのはリザードゴーレム…爬虫類とゴーレムが合体したような感じのモンスターだ。
かなり固く見えるが…


「蒼天大車輪!」


キュィン!ザシュン!ドタ


何も胴体を斬らなくても首を胴体から切り離せばいいんだからな。


パリィィン!


「レンも結構スキルの熟練度、完全習得されたの多いわね」


「ああ。今は殆どが戦闘関係のスキルしかないしな。あるのは釣りと料理スキルだけだ」


前までは発掘とかなどがあったが、今ではそれは必要ないからスキルから外してある。


「それにしてもその大鎌…一回の攻撃で3体も倒すとはね」


大きく長い分、攻撃範囲が広いのでかなり便利だ。
ここ最近は片手剣と二刀流しか使ってなかったので今使っているのだ。


「にしてもさっきの奴にはいい事を教えてもらったな。宝箱の場所を俺達は知らなかったし、どうやらあいつらは奥以外の場所を探し終えたようだな」


「…だからレンは真っ直ぐに進んでいるのね」


「おかしいと思ったのよ。ずぅっと真っ直ぐに進んでいるから」


俺のことを何だと思っているんだこの2人は。


「でも、ここのモンスター……話の通り、レアアイテムの武具をドロップするな」


「ええ。レンのアイテムストレージを見ると色々と手に入っているね」


「うむ。珍しい鉱石も出るしな」


マジでここ、苦労する分…良いのが手に入るな。


「フン!」


ザシュン!


[ギャァアアアア!]


「消えろ!」


ザン!


[ゴォオオオン!]


「はぁああああ!環伐乱絶閃!」


ドゴーン!


[ヌゥアアアアアアア!]


「ええい!?出てくるモンスターが多いぞ!?しかも何気に強いから面倒だぞぉ!」


「本当にね!これ、ちょっときついわ」


リズの事を護衛しているアスナもちょいきつそうだな。


「けど、どうやらもう少しで最深部だな」


「ええ。段々、奥に近づいている気がするわ」


「まあ、それにつれてモンスターが強くなっている気がするけどな」


奥に来るに従い、どんどんモンスターが強くなっている。まあ、それでも負けないけど。


そうしている間にどうやら奥のようだな。光が見える。












最深部に来るとそこは光に見ていた。そして、祭壇のような上に宝箱が置かれている。


アラームのトラップの付いた宝箱だから気をつけないとな。


「じゃあ、リズ」


「ええ」


ガチャ


ピーピーピーピ!


宝箱を開けると宝箱から音がし、周りにモンスター達が現れる。


「2人とも、しゃがめ!」


2人にしゃがむようにいうと2人はしゃがみ、俺は鎌を振りかざす。


「環伐乱絶閃!」


両手を力いっぱい使い、周りにたモンスター達を全員、ぶっ飛ばす。


ドササササササッ!


祭壇の上からモンスター達が落ちると砕け散る音がした。


「さて、2人はそこで待ってな」


俺は階段で下りていき、転がっているモンスター達を倒していく。


「オララララララ!」


ザシュシュシュシュ!


[[[[[ギシャァアアアアアアア!?]]]]]


パリィィーン!


出て来ていたモンスター達を一掃した。











駆除を終えた俺は祭壇の上に戻る。


「終わったぞ」


「早!?」


「さすがレンね」


リズは驚き、アスナは特に驚いていない。


「さあ、宝箱をもう一度開けてみな」


リズは宝箱を開け、喜んだ。


「わあ!これが噂の武器かぁあああ!名前はヘパイストスか。武器としても使えるけど…この固有スキル【鍛冶神の加護】…鍛冶職人が作る武具や防具を通常よりも遥かに能力の高い物で作り出す事が出来るか。ふふ、ふははははは!これは良いわ!」


……テンションが凄まじく上がっているな。


「さあ、2人とも!帰るわよ!これで武器を作るのが楽しみよ!!アハハハハ!」


リズの様子を見ている俺とアスナは…


「「……この状態のリズがどんな武器を作るのかな…」」


果てしなく不安が過る俺とアスナであった。







――――――――――――


はい、今回はリズ専用の武器の入手編でした。
この後、リズがどんな武器を作るのか……楽しみですね(笑)
次回もお楽しみに!

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