小説『ソードアートオンライン〜2つのスキルを持つ蒼の剣士〜』
作者:レイフォン()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第25話 轟く咆哮、天魔狼


一昨日、48層フロアボスを攻略し、49層が解放された。
49層は今までの階層と違い、かなりの広さを誇っている。


俺は現在、49層のアイテム屋のNPCにある話を聞いた。
その話というのは…SAOの世界で満月の日にフィールドに稀に出現する2頭の狼の話だ。
咆哮と共に現れると近くにいるプレイヤーを襲うとのこと。


その2頭の狼を倒し、素材アイテムからかなり強力な防具が手に入り、しかもこの防具は他の防具の上から装備することができると言う事だ。
ただ、倒すのは結構苦労するそうだ。2頭は片方がピンチになると援護しに来るとのことだ。
それを聞いた俺は厄介だなと思う反面、面白いと思った。モンスターが仲間のピンチを援護すると言うのは面白いなと。


俺は48層 リンダースの家に帰り、その事をアスナに話すとアスナもやっぱり、面白いねという。
そして、SAOの世界で満月になる日を計算し、その日に言ってみる事となった。











そして、話を聞いた数日後の夜……満月となった。




〜49層 蒼天に轟く鼓動〜


この49層の蒼天に轟く鼓動というフィールド……夜になるとフィールドが綺麗に蒼く光ると言う特殊なフィールドだそうだ。蒼天……俺が好きな色のフィールドだ。
蛍のようなのが空を飛んでいる。


「綺麗なフィールドだな」


「うん。こういうところ、あまり見ないからね」


俺はアスナを見る。
蛍のような光がアスナを照らし、アスナをより美しく見せている。
この少女が俺の妻だと思うと誇れるな。


「どうかしたの?じっと私の事見て?」


「ふふ、アスナがいつも以上に綺麗に見えるからな」


「えっ///もう、いきなり何を言うのよ///」


顔を赤くし、モジモジするアスナを見て、すっごく襲いたい衝動に駆られそうになったがそこは抑える。
こんな所で襲うとか俺、野外プレイとかは嫌だしな。
アスナの声を他のプレイヤー達に聞かせたくないし。


「ま、フィールドを歩いていれば出てくるだろう」


「そ、そうね///」


まだ顔の赤いアスナ。いい加減、慣れればいいのに。
夫婦になっているんだしさ。


「こんなフィールドに出るんだし、その2頭の狼もきっと美しかったりするんだろうな」


「ああ、それは言えているわね。月下に舞う狼って感じ」


そう、アスナと話をしている時だ。


[[アォォォォォォーーーーーーーン!]]


狼の遠吠えが2つ聞こえてきた。


「来たか」


カチャ


「ええ」


シャキィン


剣とレイピアを構える俺達。


そこへ


ドォオン!


ズドオォン!


[[アォォォォォォォォーーーーーーーン!]]


白い毛並みの狼と黒い毛並みの狼が空から降ってきた。


「こいつ等が…」


「話しの狼?」


カーソルには【天狼 ハティ】と【魔狼 スコル】と表示されていた。


[ガォオオオオオオオオオオ!]


ボォン!


「避けろアスナぁああ!」


「えっ!?きゃぁあああ!」


ドゴーン!ドサッ!


「あ…がぁ……ああ」


一瞬、何かが撃たれる音がし、アスナに言うが遅かった。
どうやら風か空気を圧縮した弾を撃ったんだろうな。


「アスナ、大丈夫か!」


「う、うん…何とか…」


…おいおい、アスナのHPがイエローだぞ!?
この黒い毛並みの…スコルって奴はどんだけの威力を出すんだ!


[アォオオオオン!]


ザシュン!


「くっ!」


ハティという狼は爪で斬撃を飛ばすようだ。


「わかったわよレン!スコルは圧縮した空気を弾丸に撃って、ハティは毒付きの爪で斬撃を放つって!」


「やっぱりか!なら…」


俺は剣から刀の…炎龍・氷龍刀に変える。


「凍ってしまえ!」


氷龍刀を一振りし、氷の斬撃をスコルに放つ。


[!??!?!!?!?]


口に氷の斬撃が直撃し、口を凍らせた。


「これで圧縮弾はうてまい!」


次はハティの爪だ!


[ガォオオオオオオン!]


爪で俺に攻撃してくる。が


「凍って…」


カチカチカチ!


「砕け散れ!」


ボォォォ!バキィィィン!


炎龍刀で燃やして爪を足で叩き折る、


[ガォオオオオオ!?]


ドスン!


倒れこむハティ。それを見たスコルが…


[ッ――――――!!!!!!!]


ドスン!ザシュ!


「がっ!」


まさかあの距離を一気に詰めるとは……。


「レン!」


倒れる俺にアスナがハイポーションを飲ませてくれた。
HPが完全回復する。


「助かったよアスナ」


「うん。けど、スコルはもう圧縮弾を撃てない」


凍っている口を見てアスナは言う。


「ああ。先にハティを倒そう」


「ええ!」


改めて武器を構える俺達。スコルが俺とアスナを威嚇しているが怖くない。


「行くぞぉおおお!」


[ガォオオオオオオ!]


突っ込んでくるスコル。そんなスコルに


「うりゃぁあああああ!」


ザザザザザザ!


スライディングでスコルの腹部まで行き、


「ブッとべ!」


ドスン!


思いっ切り蹴り飛ばす。


[ギャォオオオオン!]


ヒュ〜〜〜〜ン!


空へと飛んでいくスコル。


「コバル!」


[ォオオオオン!]


口に氷の塊を出現させ、


[オオオオン!]


バシュン!


空中にいるスコルに放った氷の塊は途中でブレスへと変化し、スコルを凍らせた。。その間に俺はアスナと共にハティに斬りかかる。


[アォォォン…]


ザン!ザシュン!グサッ!


逃げ回るハティを2人で挟み撃ちにして攻撃する。


[ォォォン…]


傷つき、転がるハティ。
そこへ


ヒュ〜〜〜〜〜〜ン……ドスン!グチャ!パリィィンン!


凍ったスコルがハティの上に落ち、ハティは潰れ、スコルと共に砕け散った。


「よし、終わった」


「ええ…攻撃するのがないとここまで簡単だなんて…」


[アォォ――――――――ン!]


コバルが勝利の遠吠えを吠えた。


「おっ、天狼と魔狼のたてがみってのをゲット」


「それが今回の収穫?」


「ああ。これで防具が作れるなリズに渡しに行こう」


「そうね。ん〜疲れた」


[アォン]


俺達はリンダースへと帰る事にした。












〜48層 リンダース〜


帰ってきた俺達は早速リズに天狼と魔狼のたてがみを渡し、これを使って防具を作れるかといい、他にサファイアと瑠璃鉱石、黒耀石が必要だと言われたがそれは店の方に素材があったのでそれを使って防具を作ってもらった。その結果…


「これが天と魔の狼…スコルとハティからのみ手に入る素材…天狼と魔狼のたてがみから作った防具…コートか」


できた防具…コートの名前は蒼天魔獄(そうてんまごく)。
固有スキル:<蒼(あお)の魂>――装備者が『護りたいモノ』に戦うなら、全能力がUPする。ただし、少しでも弱気になると能力が反転するという呪われし魔装だ。
これは俺にとって問題ない装備だな。アスナの事はいつも護りたいモノとしているから。
しかもこれは他の防具の上から装備できる特殊なコートだ。
蒼極天シリーズの上に装備できるなんてな。


「うわーレン、かっこいい///」


「ええ。似合っているわね」


アスナとリズの前で装備するとアスナは頬を赤くしながらいい、リズは自分の作った装備が良い具合に俺に合っ

ている事を褒めている。


「これからもこれを装備し、アスナを護り抜く!」


そのためにもここから早く脱出しないとな!





――――――――


今回出た装備はまさにレンにはピッタリな装備だと思いますね。
しかも、装備の同時装備と言う作者オリジナルなやり方を書いてみました。
さあ、次回は懐かしのあるキャラが出てきます。

-28-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ソードアート・オンライン エリュシデータ (キリト) イヤホンジャック
新品 \4200
中古 \
(参考価格:\1890)