第30話 神聖剣…ヒースクリフ
時は12月20日。
あと少しでクリスマスという事で俺達はその日のための準備をしている。
何を準備しているかというとギルド女子メンバーはその日のためにいい食材を買いに行き、俺達はクリスマスツリーを作るために材料などを集めたりしている。
そのため、俺達は迷宮区に行っていない。
「ふぅ。ツリーの飾り付けの材料とかはこれぐらいでいいか?」
「そうですね。本当に大変でしたよ…」
「全くだ」
俺達男子は飾りつけなどの素材を手に入れるために下の階層を全部回り、素材集めのイベントがあったので片っぱっしにイベントクエを手分けして受けまくった。
受けた数は軽く50を超え、俺達は完全に疲労していた。
特にギルドの中で一番筋力のあるベルガとバーグの受けたクエは力仕事のクエだったため、精神的な疲労が凄まじいようだ。
ついでに女子メンバーの必要な素材のクエも受けていた。
一度、フロアボス級のモンスターと戦った。
そして、家に帰ってきた俺達を迎えたのは……慌ただしいアスナ達だった。
「どうしたアスナ?皆も」
「あ、レン!じ、実はね……」
慌てたアスナが説明をしてくれた。
なんでも50層のフロアボスが倒されたと言う情報だ。
倒したのはヒースクリフ、ただ1人だった。
話によると50層のフロアボスを調査しに行った時、ヒースクリフも同行したのであったが、部屋に入った瞬間、外に出ることができなくなり、閉じ込められたと言う事だ。
危険な目に合うギルドメンバー達を助けるためにヒースクリフはただ1人でフロアボスと戦った。
そこでギルドメンバーは奇跡を見たとのことだ。
強固な護り。崩されない動かない護り。それらをもってフロアボスの攻撃を耐え抜いたヒースクリフがフロアボスを倒したと言う事だ。
これによってヒースクリフはSAO最強のプレイヤーと言われる事となったとのことだ。
「まさか俺達が素材集めに行っている間にそんな事がな」
「驚きだな。しかし―――」
「空間封鎖ですか。驚きですね…まさかそんな部屋がフロアボスであるとは」
「驚愕だ。そんなのと1人で戦って生き残るヒースクリフもだがな」
俺も相手によっては1人でも平気だろう。しかし、調査隊のメンバーを護りながらという事になると自信はないな。
「ヒースクリフのユニークスキル:神聖剣か。あまり見たことがないがそれほど凄いんだな」
「ええ。まあ、今は新しい階層へいける事を喜びましょう」
そう、考えるようし、話を終わらせた。
「さて、俺達はクリスマスの準備をしよう!」
「ええ!そうね!せっかく楽しむために準備しているんですもの!」
俺達は準備を再開したのであった。
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ヒースクリフが最強と言われ始めたのは50層フロアボスを一人で倒したとのことだったと記憶していたので、今回はそれだけを書くことにしました。