小説『ソードアートオンライン〜2つのスキルを持つ蒼の剣士〜』
作者:レイフォン()

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第4話 決意と出発


「ぜやぁあ!」


現在の時刻は5時。アスナを寝かせたのが大体、10時頃だったはずだ。
あのままずっと俺ははじまりの町からクラインに教えた村の間のルートを行き来している。


モンスターを倒し経験値、片手直剣スキルと体術などの熟練度を上げ、コルを稼ぎ、回復ポーションがなくなればはじまりの町のNPCが経営しているアイテム屋で買うを繰り返し、レベルを上げている。


ソードスキルは硬直時間が大体3秒〜5秒なので、硬直時間の少ない体術スキルやシステム外の技などを多用して青イノシシやドッグ、バード、ウルフなどを狩り、それとホルンカの村で一度、秘薬クエの説明を聞いただけでクエは受けていないが、レベル上げのために森で戦っていたらそのクエに必要な≪リトルぺネント≫の胚珠が偶然手に入った。


そして、今は丁度はじまりの町に帰ろうとしているのだ。
さすがに7時間近くレベル上げをしているからな。町と村を行き来してた時に落ちていた剣や盾をいくつか見つけた。おそらくモンスターとの戦闘でHPが0になったプレイヤーのものだと分かった。俺はそれを拾い、ショップなどで売り、短剣などは投げたりするのに使えるので所持している。


今現在の俺の持つスキルは片手直剣スキルと体術、索敵スキル、武器防御などだ。
レベルが今現在8。パラメータを全部ATKとAGIに振り分けている。伊達に数々のオンラインゲームをプレイしてないぜ。けど、このゲームは結構レベルを1上げるのにも時間がかかるな。


そんな説明をしている間に町に着いたな。1,2時間ぐらい寝れればいいがな。まぁ、睡眠時間はこれぐらいで十分だしな。今まで3,4日徹夜でゲームしてたし。








宿の借りている部屋についた。
アスナはまだ寝ていたので俺も自分のベットに入り、眠りについた。







〜2時間後〜


目を覚ますとアスナは起きていた。


「おはようレン」


「おはようアスナ。良く寝れたか?」


そう聞くとアスナは頷いた。けど、顔色があまりよくない。まあ、ただのゲームが生き残るか死ぬかのデスゲームになったんだ。仕方ないか。


「ねぇ…レン」


アスナは俺の座っているベットの隣に座る。


「…あの人が言ってたこと、全部本当、なのかな…」


一晩寝て、いくらか気分が落ち着いた中、俺が寝ている間も考えていたんだろうな
けど、まだ完全には受け止められないようだ。


「あぁ、本当だろう」


「そっか…」


アスナは少しの間黙り、そしてこちらに少しだけ顔を向け、新たに問いかけた。


「……レンはこれからどうするの?」


そんなの決まっている。そんなのはとっくに決めているぜ。


「…俺は、最前線で、このアインクラッドを攻略しようと思っている」


俺がそう言うとアスナは大きく目を開く。


「そんな…!だってレン、死んじゃうかもしれないんだよ!?」


確かにアスナの言う通りだ。
最前線で戦うと言うことは死ぬ確率が高いし、危険が大きい。
この町で誰かがクリアをしてくれるのを待つと言うのも選択肢の一つだろう。
だが…


「アスナの言う通り死ぬこともあるだろう…」


「だ、だったら!私と一緒にこの町に言うよ!」


「けどな、アスナ。これは絶対に誰かがやらないといけない事なんだよ」


「だけど…それをレンがやらなくちゃいけないってわけじゃないわ!」


「そうだ。確かに俺がやらないくちゃいけないというわけではない。けどな…」


俺は昨日の事を思い出す。ただのゲームがデスゲームになり、現実に帰れない事を聞かされたアスナが泣いていたのを。俺達の両親や浩一郎さんが心配していることを。


「俺は自分の事とアスナの事を他人に任せて自分だけがのほほんとしているのが……我慢できない。俺は生き残るために戦うんだ。そして、帰るんだ俺達の本当の世界に」


俺は帰るんだ。絶対に!


「明日、俺はこの街を出ようと思う」


「………!」


俺の言葉に、肩を再び震わせるアスナ。


本当は今すぐにでも出ようと思うが、アスナのことが心配でもあるし、アスナの意思を聞いていない。


「別に、アスナが最前線で戦う必要性はない。危険が伴うしな。俺は浩一郎さんにもアスナの事を頼まれているしな。アスナ…戦うか戦わないかはお前自身の意思で決めろ。これは別に強制でも何でもない。己の意思で決めるんだ」


その言葉を最後に、会話が途切れた。
メニューウィンドウを呼び出し、時間を確認すると、7時30分だった。


「…さて!一度朝飯でも食べるとしよう。アスナも食べに行くか?」


「…うん」


俺は先にベットから立ち上がりドアへ向かい、アスナも俺の後ろをついてくるのだった。











〜1時間後〜


朝食を済まし、アスナを部屋に送った俺は道具屋で回復ポーションを買う。武器に関してはホルンカの村に行ったら≪リトルぺネント≫の胚珠を渡せば武器は手に入る。


買い物を済まし、俺は町を出る。アスナにはレベルを上げてくると言ってある。


フィールドに出てモンスターを倒している最中だ。


ザシュ!


目の前の敵を倒し、俺は一息つく。そしてメニューウィンドウのスキル欄を見る。


片手直剣スキルの熟練度は丁度半分を超えたか。体術スキルも半分を超えたか。まぁ、スキルの他に色々とやっているからね。にしても…


「まさか直剣と短剣と言う双剣ができるとは…いやはや驚きですな」


そう、今の俺は直剣と短剣を持っている。いやね?いきなり現れたモンスターに流石に索敵スキルで分かっても反応出来なくて、直感を頼りに短剣を持ったら目を突き刺して、怯ませて試しに短剣スキルを使ったら発動したんだよ。おかしいよな?双剣のようなスキルはまだ出ない筈だが…何故にスキルが発動?ま、結果オーライだぜ。


そんな訳で今、短剣の熟練度も上げているのだ。
戦闘中は直剣と短剣、体術、システム外の技やモーションを駆使して出てくるモンスター達を狩っている。


「ぶぎゃー!」


青イノシシを倒すとレベルが8から9になった。


落ち着きながらポーションで回復していると


「やっぱり、ここにいたんだ」


背後からする、この二日ほどで聞きなれ始めた声に、振り向いた。


予想通り、そこに立っていたのは…。


「アスナ…」


宿で待っているはずのアスナがいた。


「どうしてここに?」


右手に直剣を持っていると言う事はここまで来る間に戦闘をしたって事だ。


アスナから返ってきた言葉は、俺が予想していたものとは違かっていた。


「…ちょっと、レベル上げ手伝ってくれない?」


それを聞き、俺は頷いたのである。









〜2時間後〜


「アスナ、スイッチ!」


「うん!」


俺が単発ソードスキル:スラントで攻撃し、俺に続いてアスナがモンスターを攻撃する。


「はぁっ!」


アスナは単発ソードスキル:スラントを放つ。そして、そのまま硬直時間後、単発ソードスキル:ホリゾンタルを放った。2連続のソードスキルを食らい、モンスターは消えていった。


「ふぅ…2時間ちょっとで何とかレベルが5になったわ」


何故か俺の周りにモンスターが多く出現し、俺が体力の半分を削り、削ったモンスターをアスナが倒すを繰り返しながら、いつの間にかホルンカの村近くまで来てしまっていた。ちなみに今の位置はホルンカの村近くにある森の中である。≪リトルぺネント≫の胚珠がいくつか集まったりしたがな。
≪リトルぺネント≫の胚珠は花つきを倒した時に低確率でドロップするんだが…アスナが実つきを誤って攻撃し、実を割ってしまい、大量のリトルペネントを呼んでしまった時はマジで焦った。
だが、そこは俺のスキルやシステム外のモーションや技でなんとかし、HPを4割まで減らした所をアスナに攻撃させる。なのでアスナのレベルが2時間ちょっとで5に上がったのだ。けど、


「俺は上がらないけどな」


「それはレンが私が寝ている間にレベルを2から9にしてたからでしょ」


ぶぅ〜と不貞腐れるアスナの頭を撫でる。


「ちょ、髪が乱れる!」


「あっははははは!もうすぐホルンカの村だ。時間がお昼だし、そこで飯を食べよう」


メニューウィンドウで時間を確認すると11時20分と表示されていた。


「そうね。その村が町より近いのならそうしましょう」


「おっと。その前に≪リトルぺネント≫の胚珠がある事だし、俺は秘薬クエをやってくるよ。アスナは戦いまくって片手直剣の熟練度も上がってもう少しでレイピアも装備できるだろ。それまでの間に新しい直剣を装備していればいいな」


「そっか。それもそうかもしれないわね。レンが言うんだし、間違いはないわ」


頷くアスナを見て、俺は秘薬クエをするためにNPCのいる所に行った。









NPCに≪リトルぺネント≫の胚珠を渡して、報酬であるアニールブレードを貰った。この時点では結構強い武器なので、俺とアスナは安心した。
俺は試しに秘薬クエをもう一度受けれるかを確認したら…出来たよ。そこで、俺とアスナは持っている≪リトルぺネント≫の胚珠を全部使って、アニールブレードを何個も貰ったその結果、


「……俺はアニールブレード×10で」


「私が5…1個の売値30000だから…レンが30万稼いで…私は15万…何と言うか…」


「「やりすぎた?」」


そう、序盤で30万とか稼ぎ過ぎた間があるが…うん、気にしないでおこう。


その30万は他の町の武具屋で装備を買おう。ここの武具屋を見たけど、そこまで強くなかったし、ドロップアイテムの中には武具をドロップするのもいるしな。


「今日はもう、休もう。さすがに疲れた」


「そうね。私も疲れたし、お昼も食べたんだから今日は休みましょ」


宿に入ると丁度2人部屋が空いてたのでそこを借りて、俺達は疲れを取るために眠りにつこうとすると、


「…あのね…答え、出したんだ」


反対側で寝ているアスナが俺に言う。


「私も、戦う。最前線で、攻略を目指すよ」


アスナが言ったそれは、レベル上げを手伝ってと言われた時、予想していた。


「けどいいのか?」


「何がよ」


「死ぬ可能性が高いんだぞ?」


「それを言ったら、レンもでしょ?私も同じよ」


俺はその言葉に言い返すことができない。
俺だって死ぬかもしれないんだ。アスナのことを言えないか。


「…私ね」


どう言ったもんか、と考えていた時に、アスナが喋り始める。


「きっと私、一人だったら壊れてたと思う。悩んで悩んで、何かに追い込まれて、まともじゃいられなかったと思う」


けどね、とアスナはいい、こちらを向く音がしたので俺もアスナの方を向く。


「レンがいたから。最初の日、私が眠るまで手を握っててくれたから…レンと一緒だったら私、頑張れる。
だからね?私も戦うわ。自分のために、レンのために」


そういうアスナの目を見る。目には力強い意思が宿っていた。これは、俺がどういっても変わらないな。


「なら、これから俺とアスナはパートナーだ。よろしくな」


「うん!あらためて、よろしくね?」


そういい、俺達は眠りについた。










――――――――――


はい、主人公のレン君はこの時点でレベルが9。
おそらく全プレイヤーの中で一番レベルが高いかと思います。
モンスターが湧いてくる夜にモンスター(とはいっても原作ではそう言ったのがないので自分で考えたんですけどね)を倒したりしていたのが原因です。
何よりレンはアスナも守ることなどを考えていたため、気合いなどでモンスターを倒していくのである。
お金に関しては自分がよくやるゲームで、序盤にあるクエとかをして、武具などを手に入れると売ることがあるので、売値に関しては家宝と書かれているので30000にしてみましたw

-5-
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