小説『ソードアートオンライン〜2つのスキルを持つ蒼の剣士〜』
作者:レイフォン()

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今回は特別編です。
アクセス数2万突破記念ですが、しっかり本編と繋がるように書きます。
なお、今回はいつもよりも短いですのでご承知を。















第8話 クリスマス



リズと出会い、武器や防具を作ってもらい、第4層までクリアした。
そして、本日2022年12月24日から12月25日の間にクリスマスイベントがあるとアルゴから聞いた。
そのイベントは2人1組専用で、第1層からクリアされた第4層のどこかにサンタクロースの格好をしたモンスターがいる。そのモンスターを倒したペアに特別なアイテムを手に入れることができるとの事だ。
なお、出現する場所は街を含め、サンタにだけ攻撃しても問題ないとのことだ。


その情報を第4層 ペルディオンで話し合う俺とアスナ。


「アスナ。このイベントやるか?」


「そうね…攻略攻略ってやっても息が詰まるだけだし……やろうかな?」


アスナもやる気ではあるようだ。


「けど、アルゴの話によるとこのサンタの姿をしたモンスターは一定時間以内に倒さないと自動で体力が回復し、どこかに転移するって話だ」


「そこが厄介ね。普段2人以上のパーティーで戦い、時間をかけて戦う人達にとってこれは一番の難関ね。けど……」


「俺達は普段から2人1組。連携も美味いし、回復する前に倒すことができるだろう。それに装備も整っているからな」


俺は自分の装備を見る。今装備しているのは前にリズに最初に作ってもらった武器…ハルピュイアだ。
防具がコートオブブルーオーシャンをリズに強化してもらった。
鍛冶スキルを上げると強化スキルと言うのが出現するらしい。
これは店で強化してもらうのと違い、素材を集め、強化することで新しい名前で武具が手に入る。
そこで俺はコートオブブルーオーシャンの強化に必要な素材を聞くと…≪コウモリの牙≫≪ウルフの毛皮≫≪ウルフの牙≫≪毒蜘蛛の糸≫だった。俺は全部の素材を持っていたのでリズに渡して強化してもらった。


強化されたコートは【ブルーオブレイン】 蒼き雨と言う名のコートができた。色は薄黒い蒼だ。
しかも固有スキルは隠蔽がついていた。う〜ん、いい装備だな。


アスナはリズに作ってもらったアベイユとシルバーコートだ。


「よーし。サンタを探しに行きますか!」


「でも、第1層からここの第4層のどこかでしょ?当てはあるの?街にも出るって聞いたけど」


アスナが言いたいことはもっともだ。殆どのプレイヤー達は迷宮区などに出ると思うだろう。
だが、俺は違う!


「俺は第3層 鍛冶師の街 アルハードに出ると思う」


「…その根拠は?」


「アスナに問題。サンタはどこから家に入っていくでしょうか?」


「えっ?そうね…」


考え込むアスナ。数秒後…


「煙突?」


「正解!よく、アニメや漫画などに出てくるサンタは煙突から家に入ってプレゼントを置いていくと言う話がある。そして、アルハードには他の街にない大きな煙突がいくつかある」


「なるほど…ってことはサンタが転移するのは…」


「ああ。他に煙突のある街とかになるだろう」


まあ、これはあくまで俺の仮設だがな。


「とにかく、アルハードに行ってみよう」


「そうね。言ってみれば分かるかもしれないし」


俺達は宿をでて、アルハードへと向かう。








〜アルハード〜


アルハードに着いた俺達は…いや、俺は索敵スキルで街にサンタがいないかどうかを確認する。
俺の索敵スキルは結構使っているし、熟練度も高い。


ん?あっちの煙突に何かいるな。


「アスナ。ここから東西の方角に何かいる。行ってみよう」


「わかったわ。行きましょう」


俺達は駆けだし、裏路地の壁を蹴って屋根の上に飛び上がる。


「いたぞ!」


「本当だわ!レンの仮設が正しかったみたいね!」


カーソルでモンスターの名前が表示された。


【The Santa Claus】……そのままの名前か。


「……大きさは人と同じぐらいね」


「…ああ。だが、その分動きが早いと思うが」


サンタがこっちを見る。ニヤリとすると袋から何かを投げた。


形は……手榴弾!?


「アスナ!」


ガシッ!


「えっ!?きゃああああ!///」


アスナの手を引いてその場からジャンプして避ける。


ドカーン!


「あぶねぇ…知識で知っていた形と同じだって気付いてよかった」


「レ、レン!降ろして///」


腕の中で暴れるアスナ。……あ、よく見たらこれ、お姫様抱っこになっているな。


「わ、悪い///」


「う、ううん…」


顔を真っ赤にしたアスナを降ろし、サンタを睨む。


「まさか手榴弾を使うとは……全部叩き落してやる」


そう、俺が言っているとまた投げてきたので…


「ぶっとびな!」


蹴りで蹴り返した。手榴弾はそのままサンタの持っていた袋の中に手榴弾が入り込み、中に入っていた他の爆弾系が引火し、大爆発を起こした。


ドカァーーン!


爆風が辺りに散らばる。


「うぉ!?」


「きゃあ!」


手で爆風から目を守る。腕を交差してその隙間からサンタのHPケージを見る。爆発の影響で一気に半分減り、イエローケージにあっている。


「アスナ!行くぞ!」


「ええ!」


剣とレイピアを抜き、怯んでいるサンタに攻撃する。


「食らええええ!」


ソードスキル:エクスファイントで5連続の攻撃を食らわす。


「スイッチ!」


「行くわよ!はぁああああ!」


アスナはソードスキル:レ・ミゼラブルで6連続の突きを食らわす。


「スイッチ!」


「これで…」


俺は回転しながらソードスキル:ヴォーパルストライクを発動させる。


「終わりだ!」


重い一撃をサンタの頭上から食らわし、サンタのHPが0になる。


無数のポリゴンとなりサンタは砕け散り、【Congratulation!!】と表示された。


「お疲れ様」


「ああ。手榴弾を使ってきた時はどうなるかと思ったぜ」


剣を鞘に収めながら言う。


すると、


【特殊アイテム:願いの紙】を手に入れましたと表示された。


「これが……特殊アイテム?」


紙には?と書かれている。


「紙……えーと?何々?≪このアイテムは頭の中で思い描いた事が時が経つと叶えられる事が出来るアイテムです。ここ、SAOの中でかなえられることであれば何でも叶えられます。ただし、フロア攻略などは含まれていませんのでご注意を。願いは3つまで叶えられます≫だってさ」


「…これ、使い方によっては凄い事が出来るんじゃないの?」


「うん。使い方は考えないと。けど、私達が使う1つは決まっているよね?」


「ああ」


2人で紙を握り、頭で願いを思う。




『どうか。アスナが/レンが無事、ここから一緒に出られますように!』



シュゥゥン


紙に書かれていた?が?に変わる。なるほど、これで願いは後2回叶えられるってわけか。
このアイテム、期限はないのか。なら、取っておこう。


「なんだかんだ、同じ願いだったな」


「私はレンと一緒にここから出るって決めたもん」


「俺もさ」








こうして、俺達のクリスマスイベントは終えたのであった。

-9-
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