小説『ソードアート・オンライン〜『猛獣使い』の少年〜』
作者:クロコト()

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SIDEカイト

「あの〜・・・・・アスナ・・・・・さん?その・・・・・ゴメンナサイ」

俺は『黒猫団』のみんなと別れてからアスナの所に来て謝っている

「なにが?別に私は怒ってなんか無いよ?」

「・・・・・・・・そんなにそっぽを向いて言われても・・・・・」

説得力が無いぞ副団長殿。

「だから!怒ってなんか無いって!!」

「うおっ!?いきなり怒鳴るなって!」

心臓に悪いじゃないかよ!

「ああもうっ!何で約束をすっぽかすのよ!ずっと待ってたんだからね!」

吹っ切れたのかいきなり怒鳴り散らすアスナ

「うぐっ!だから、謝ってんじゃん・・・・・」

「イヤ!ぜっっっったいに許してやんない!!」

そんなに溜めますか・・・・・

いや、約束をすっぽかしたのは俺だ。よって、悪いのも俺だ。

「何でも言うことを聞きますから・・・・・・そのゆるs「ホントに!?」へ?」

「そ・・・・・その・・・・な、なんでも言うことを聞くって奴のことよ」

急にもじもじしだしたぞ?一体何があったんだ?

「あ、あぁ。ホントだが?」

「じゃあ許す。その代わり明日は私のレベル上げに付き合って?」

「レベ上げ?いまさらその必要があるのか?」

「だって『使い魔の森』の捜索範囲が広がればカイト君だって楽できるでしょ?」

「確かに・・・・・ってことは俺のためか?」

『使い魔の森』でテイムイベントが起きているのは今の所俺だけだ。

その証拠にアスナや団長を連れて行っても一切発生しなかった。

「なッ・・・・・ち、違うわよ!べ、別にカイト君のためなんかじゃないんだから!!

 君が強くなれば攻略がもっと早く進むってだけよ!!」

顔を真っ赤にして否定するアスナ。

「さいですか・・・・・」

ちぇ・・・・期待した俺が馬鹿だったぜ・・・・・

「だから!明日は『使い魔の森』に行くんだよ!?今度はすっぽかさないでよね!」

「はいはい。分かりましたよ、副団長殿。」

俺はアスナの所から離れて、第一層の宿に向かった。









SIDE OUT



SIDEアスナ


「なんであんなに怒ってたんだろう・・・・?」

カイト君が帰ってから私は一人で悩んでいた。

「・・・・・・・・・・もしかして・・・・・・」

一つの可能性が浮かんだ。

これがもし本当なのならば、さっきの言動も気持ちも説明がつく。

だが・・・・・・・

「ないない・・・・・だってカイト君よ?」

確かに、容姿端麗、文武両道なんて言葉が良く似合うと思う。

実際にギルドの子たちにも人気だけど・・・・・・

「・・・・・・あれ?今なんか・・・・・」

カイト君がモテモテな所を想像して胸の辺りがチクッとした気がした。

「・・・・・・・・・・・・気のせいよね?」

私は明日のために早めに寝る事にした。



SIDE OUT


SIDEカイト


「早く来すぎたかな・・・・・?」

俺は『使い魔の森』に続くあの森の前に居る。

昨日メッセージで『9時に森の前に来て』といわれたんだが・・・・・

ちなみに今は7時40分だ。

「あれ?今日は早いのね。」

やっとアスナが来た。

「遅いですぞ、副団長殿?」

「まだ集合時間の一時間以上前なんだけど?」

「また遅れたら悪いと思ってな。早めに来たんだよ」

「ふ〜ん・・・・・いい心がけね」

「それより早く行こうぜ?どの辺りに行くんだ?」

「それは向こうについてから決めましょ?」

それもそうだな。じゃあ早速・・・・・

「リオ。道案内頼む。」

マッピングできないし、道が複雑だから道案内してもらわないといけないのだ

「キュウッ!」

リオが俺の頭から飛び降り、走り出した。

「見失う前に行くぞ。」

「分かってるわよ!」























リオを追いかけて数分。ドームに着いた。

「んで?どこに行く?」

「私の今のレベルが34だから・・・・・・」

今の最前線が23階層。やっぱり安全マージンはしっかり取ってんだな。

ちなみに俺のレベルは73。一ヶ月で四つしか上がってない。

「ん?ねぇ、カイト君。」

「ん?」

「リオちゃんがあの扉の前で固まってるんだけど・・・・・?」

「へ?・・・・・まさか・・・・?」

俺はすぐ近くにあった扉を開けようとした。

「・・・・・・・・・・・・・あかねぇ・・・・・」

「え・・・・・・・・・・・?」

他の扉も確認したが全く開かなかった。

「・・・・・・・・・・・リオ?そこに行きたいのか?」

「キュウッ!」

リオが座っていた扉には『海洋地帯(推奨レベル85)』と書かれていた。

「・・・・・・・・・・アスナ。悪いけどお前は帰れ。」

「え・・・・・・・・・なんで・・・・・・?」

唖然とするアスナ。

「これを見ろ。こんなところにお前を連れてはいけない。」

「で、でも!カイト君は行く気なの!?推奨レベルが12も上じゃない!!」

「大丈夫さ。俺が第一層攻略が終わった後に入ったダンジョンは推奨レベルが15も上だったんだから。」

「で、でも!」

「大丈夫。俺は死なないって!」

俺は笑顔でアスナに言った。

「・・・・・・・・・・・・・・・・ちゃんと帰ってきてよ・・・・・・?」

「勿論!こんなところで死んでたまるかっての!」

俺はリオを頭に乗せてドアノブに手をかけた。

「じゃあ・・・・・・いってきます!」

「・・・・・・・・いってらっしゃい・・・・!」

俺はその言葉を聞いた瞬間、扉に飛び込んだ。






飛び込む寸前に見えたアスナの目にうっすらと涙が見えた気がした。









SIDEアスナ




カイト君が行ってしまった。

自分よりもレベルの高いダンジョンに・・・・・・

私が行っても足手まといにしかならないくらい、レベルが高いダンジョンに・・・・・・












嫌いだ。全部が嫌いだ。



















弱い自分が嫌いだ。





















カイト君を止められなかった自分が嫌いだ。
























そして―――























―――彼の隣に立てない自分が大嫌いだ。
























ココまで考えてようやく気が付いた。




彼の隣に居たい。


彼とずっと一緒に居たい。



これってきっと・・・・・・・



「そうか・・・・・・私・・・・・カイト君のことを・・・・・・・・」











――――――――好きになっちゃったみたい・・・・・・・・





















だが、この言葉は届かない。

彼は今ココにはいないのだから。




「カイト君・・・・・必ず帰ってきてよね・・・・・君に負けないくらい強くなったら・・・・・この思いを伝えるからね?」


私は彼の入っていった扉を見つめて一人、呟いた。






SIDE OUT













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あとがき


ようやくアスナにフラグがたちました!


うまく書けているでしょうか?

自分的には無理矢理な気がするのですが・・・・・・・


そしてカイトが『海洋地帯』に行きました!

ここで出るのは大体想像がつくでしょうか?



では、誤字脱字がありましたらお知らせください!!

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