小説『ソードアート・オンライン〜『猛獣使い』の少年〜』
作者:クロコト()

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SIDEカイト

俺はサチたちのレベ上げのために『使い魔の森』に来ている。

正確にはドームの中にいるのだが。

「さて、平均30だって言ったよな?」

「ああ、一応ね」

ケイタが答えた。

「キリト。お前は?」

キリトに聞くと少し嫌そうな顔をした。

「言わなきゃ駄目か?」

「そりゃ駄目だろ。言わないと犠牲者がでるぞ?」

「・・・・・・・・・46」

「すごいな!!いつの間にそんなに上げたんだ?」

ケイタが驚く。

「ケイタ、俺が攻略組なのを忘れたか?それにレベルなら化け物がここにいるぞ?」

そういって俺を指差すキリト。

「俺に話を振るのかよ・・・・・」

「当然。人に言わせといて自分は言わないなんて無いよな?」

うぐっ!痛いとこ突きやがって・・・・・・・

「・・・・・・・・・絶望するぞ?」

「いくつなんだ?」

コラ、ケイタ。そんなに目を輝かせるんじゃありません!

ほら!他のみんなも!!そんな目で見ないでくれ!!

「ほれ、いくつなんだよ?」

キリトがニヤニヤしながら聞いてくる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・90」

『・・・・・・・・・へ?』

ほら!こんな空気になっちゃったじゃん!!どうするんだよ!!

言いだしっぺのキリトまで唖然としてるし!!

「ほ、本当なのか・・・・・・?」

ケイタが信じられないという感じで聞いてくる。

「残念ながら事実だ。俺のレベルは90。それ以上でも以下でも無い。」

海洋地帯に三日も滞在していたらそりゃこんなレベルになるわ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ココでレベル上げしたの?」

サチがおそるおそる聞いてくる。

「勿論。ココのことを知ってるのはウチの団長と副団長だけだ。情報屋も知らない狩場だ」

「その分危険とか・・・・・・・?」

「ハイリスク・ハイリターンだ」

「ちょっと待て!そんなにレベルの高いダンジョンにはいけないぞ!?」

キリトが怒鳴ってくる。

「俺だってそんなに危ないダンジョンに放り出す気は無いさ。だからココからはじめようと思う」

そういって俺が指を指したのは『火山地帯(推奨レベル30)』

「ココなら俺とキリトで守りながらいけるし、そんなに厳しいとは思わないと思うぞ?」

「・・・・・・・・・どうするケイタ?」

キリトがケイタに聞く。リーダーの判断に任せるってことか?

「・・・・・・・・・行こう。それで強くなれるなら・・・・・・」

覚悟は・・・・・・・・・あるみたいだな・・・・・

「他のみんなは?正直言ってあぶないぞ?」

『・・・・・・・行く!!』

「キリト?みんな行く気満々だけど?」

「・・・・・・・・・・行くよ、お前だけじゃ心配だ」

おいおい・・・・・少なくともお前よりは強いぞ?反応速度は別だが・・・・・・

「じゃあ行くか」

俺は火山地帯への扉を開いた。

「・・・・・・・・?何も無いけど・・・・・・?」

サチが呟く。

「カイト?どうしたんだ?」

キリトが聞いてくる。

「まぁ待ってろ。そのうち・・・・・・・・」

俺が言い終わる前にゴオォォォォという音と共に黒猫団のみんなが吸い込まれていった。

「さて、俺も行くか・・・・・・・・ん?何だこれ・・・・・・」

普段は黒い扉の中の空間が赤くなった。

「入ったら・・・・・・・・・ヤバイかも・・・・?」

だが、やはり恐怖心より好奇心が勝った。

「キリト達のためだ。初めてのダンジョンで迷子になったら大変だからな。・・・・・・決して俺が興味があるからじゃないぞ?」

俺はそれっぽい言い訳を言いながら扉の中に飛び込んでいった。










SIDE OUT













SIDEキリト

扉に吸い込まれた後に俺たちが出た場所は・・・・・・・

「空か・・・・・・?」

ササマルが呟いた

そう、空。それも上空1000mはあるところからのパラシュート無しスカイダイビング。

『うわあぁぁぁぁぁぁ!?』

重力に従い落ちていく。

「カイト!?どうするんだよこれ!?」

叫ぶが返事が無い。

不思議に思って回りを見るとカイトがいなかった。

「キリトーーーー!!どうすればいいのーーーーーー!?」

サチが俺の下から叫ぶ。

「サチーーーーー!下に何か無いかーーーーーー!?」

俺はある可能性にかけてサチに聞いてみた。

「街みたいなのがあるよーーーーーーーー!!」

――っ!!よし!!圏内なら安全だろ!!

「このまま落ちるんだーーーーー!まっすぐ!街のほうに!!!」

「圏内だからーーーーーーーー!?でも怖いよーーーーーー!!!!!」

「俺だって怖いよーーーーーーー!!」


そういいながら数分後俺たちは街に落ちた。







「いててて・・・・・・カイトのやつ・・・・・・どうなってるんだ?」

「カイトはこの人数で来たことがなかったんじゃないかな?ちゃんとココの上に出たのが僕らだけで、カイトは他のところにいるとか・・・・・・・」

ケイタが言う。

そうか。ココのことを知ってるのはヒースクリフとアスナだけだったっけ?

俺たちは六人。カイトを入れて七人。おそらくはじめての大人数だったのだろう。

「まぁカイトならきっと大丈夫さ!」

ケイタが大きな声で言う。

「そうだな・・・・・・とりあえず、街で準備を整えよう。」

カイト・・・・・・・・無事でいろよ・・・・・・・・?







SIDE OUT




SIDEカイト



俺は真っ赤になった空間に飛び込んだ。


その後に出た場所は古びた洋館の前だった。

周りに道は見えない。おそらく隠しエリアか何かだろう。

「【夢魔の館】・・・・・・・・・・・直球すぎんだろ!!」

夢魔・・・・・・・・サキュバスやインキュバスのことだろう。たぶん。

「イヤだぞ?すっげー過激なファッションしてたら・・・・・・」

そんなのを連れて帰ってしまったら最後・・・・・アスナに殺されてしまう!!

「サキュバスの誘惑に屈しなければいいんですよ!」

「そうだよ!私たちやアスナも居るんだから!もう女の子はいいでしょ!?」

やけに二人が強く出てくる。

「・・・・・・・・・・・・・・まぁテイムのアイコンが出たらノーを押せばいいんだ。そうだ、そうすればいいんだ。」

俺は勝手にそう結論付けて館へと入っていった。




俺が屋敷に入ったとたんいきなりエンカウント!

「キャハハハハ!!」

サキュバスだ。見た目は大変美人なのだが・・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・過激だな・・・・・・・」

それって着てる意味あるのか?って位に布が無い。

もはや大事な部分も隠れていない。

「おにーさん!かっこいーね!私とイイコトしない?」

そこは言い伝えどおり誘惑してくるのね・・・・・・・・・

「間に合っております!」

ザシュ!!

「え!?いやあぁぁぁぁ!」

パリーン

サキュバスはポリゴンとなって散った。

「火山地帯だから流石に弱いな・・・・・・・・」

ふと、キリト達のことを思い出した。

「大丈夫かな・・・・・・?」

使い魔って送れたっけ・・・・・・?

「出来ませんよ?私たちはアナタの使い魔ですので」

「うおっ!?心を読むなよ!!」

「思いっきり口に出てたよ?」

「え?マジ??」

「マジマジ」

それは大変恥ずかしい。

「まぁキリトもいるし、レベルもクリアしてるから大丈夫だろ。」

俺はさらに奥へと向かった。







奥へと向かう過程でいろんなやつがでてきた。

「おにーさん♪」

「却下でーす!」

さっきと同じやつは勿論




「この豚野郎!」

「俺はMじゃない!!」

SMの女王様系のやつとか




「わたちときもちいことちない?」

「おめーみたいなチビに発情する変態と一緒にすんな!!」

さ行が発音できていない、見た目5歳の超ロリっ子まで出てきた。


・・・・・・・・・・これはデザイナーの趣味か!?それとも茅場!お前のなのか!?


「あ、あの!」

「ごめんなさ・・・・・い?」

明らかに感じの違う声が一つ。

振り返ってみると夢魔なのだが、今までのとは完全に嗜好が違う。

後輩の奥手なメガネっ娘といった容姿だ。

「わ、わわわわわわたしと・・・・・・・・///////」

顔が真っ赤ですが・・・・・・・?

これで本当に夢魔が勤まるのか・・・・・・・?

「私と?」

その後に続く言葉は分かっていたがあえて聞いてみた。

「私と気持ちイイコトしてくだしゃい!」

・・・・・噛んだ。舌を押さえて涙目になってるよ・・・・・・

「あの〜大丈夫ですか・・・・・?」

「ひゃい!!大丈夫でしゅ!!」

・・・・・・そこまでビックリするものか?

「え〜と・・・・・・・相談になら乗るよ・・・・?」

「・・・・・・・・・本当ですか・・・・・・?」






それから俺は暫く彼女――カレンの相談に乗っていた。


なんでも、この館の主は大変に強いらしく、今までに成績の悪い夢魔たちが次々と消されていったそうだ。

で、今の成績最下位は自分で、一人分でもいいから精気を持っていかないと今度こそ消されてしまうそうだ。



・・・・・・・・・・・・・・・今まで良く消されなかったな・・・・・・・・・

そう思ったが当然口には出さない。

「カイトさん・・・・・どうするんですか?」

「ん?どうするも何も・・・・・カレン」

「はい・・・・・・・なんですか?」

話をして俺になれたのかさっきまでと全然違う。

「俺をその主のとこに連れてけ」

「えっ!?でも・・・・・・・・」

口ごもるカレン。

きっと俺を心配してるのだろう。

本当に『使い魔の森』のモンスターには頭がいいやつがいるな。

「大丈夫!俺は強いから!」

火山地帯の推奨レベルなど、とっくに超えている。

たとえココがイレギュラーな場所でも流石に90で苦戦するようなやつは出てこないだろう。

「そうですか・・・・・・・・・・・・・分かりました。案内します。」


俺はカレンに連れられて、主の部屋とやらに向かった。















「ここです。」

歩くこと数分。到着したのは巨大な扉の前。

「・・・・・・・・・・見るからにボス部屋!って感じだな」

「?それは主の部屋ですから」

『何言ってるの?』と言う感じで首を傾げるカレン。

「で、この奥にいるのは?なんて名前のやつなの??」

当然気になる。神話とかのやつだったら倒し方が分かるからな。

「この奥にいるのは英雄クー・フーリン。持っている槍が非常に厄介だよ」

「なっ!?」

クー・フーリンだって!?もしアイツの槍が伝承どうりだったら俺死んだじゃん!!

即死だよ!?こんなとこで死にたくないぞ!?

「どうしますか?今なら引き返せますよ?」

心配そうに俺の顔を覗き込んでくるカレン。

でも、俺がココで逃げたら・・・・・・・・

「・・・・・・・・・俺が逃げたらお前はどうなるんだ?」

「それは・・・・・」

口ごもるカレン。やっぱり死ぬ覚悟だったらしいな・・・・・・

俺はポンとカレンの頭に手を置いて撫で始めた。

「せっかく仲良くなったのに死んでもらっちゃ気分が悪いしな。俺に任せとけって!」

「・・・・・・・・・/////」

ん?なぜそこで赤くなる??

「まぁいいや。じゃあ行ってくるよ。」

俺は扉を押し開け、中に入った。

すると・・・・・

ズパアァン!!

「うおっ!?」

いきなり槍が飛び出してきた。じいちゃんに鍛えられていなかったら今のでお陀仏だぞ!?

「ほぉ・・・・・少しはやるようだな?」

赤い槍を肩に担ぎ、全身を青いタイツのような戦闘服に包んだ男がいた。

「・・・・・・・・・・・・・お前がクー・フーリンか?」

「あぁそうだ。おそらくそこにいる夢魔に教えてもらったんだろ?」

そういいながらカレンに槍の矛先を向ける。

「ひっ・・・・・!」

「止めろよ。怯えてるじゃねぇか」

「まぁそうだろうな。・・・・・・・・なぁおまえ俺と勝負してくんねぇか?」

「・・・・・・・・最初からそのつもりだよ!!」

その言葉と同時に俺は剣技(ソードスキル)『瞬迅槍』を発動。

「おっと!」

ガキィィィン!!

だが、意図もたやすく弾かれてしまった。

「よくもやってくれたな!!」


俺の攻撃をキッカケに俺たちの戦いが始まった。


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あとがき

どうも、クロコトです。

ついに登場!クーフーリンです!!

モデルはFateのやつですがちゃんと表現できているでしょうか?

それと、テイムしたモンスターたちですが・・・・・ALOにも連れて行くべきでしょうか?

SAOが終わった後のことを考えてなくて・・・・・・・・

ユニークスキルはキリトの『二刀流』がなくなってましたし『猛獣使い』もその例に漏れないと思うんです。

複数のモンスターをテイムするなんてできるのでしょうか・・・・・・・・?



・・・・・・・・・・まぁそれはSAOが終わりそうになったら考えればいいですよね!!


それでは、次回はクーフーリン戦です。


また、次回会いましょう!!さよなら〜







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