小説『ソードアート・オンライン〜『猛獣使い』の少年〜』
作者:クロコト()

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SAOと言う優れた原作と皆さんのおかげで・・・・・・

アクセスが10万を超えました!!


ありがとうございます!

そしてこれからもよろしくお願いします!!

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SIDEカイト

俺たちは第二十四層主街区――ルーラに来ている。

どうやらもう攻略会議が始まっているようだ。

「は、入るのか?」

ケイタがいかにも『緊張してます!』という顔で聞いてくる。

「勿論!ココで入らなくていつ入るんだ?」

「さ、流石に会議に遅刻してくるようじゃ駄目じゃないのか?」

なるほど。その心配か・・・・・

「大丈夫だよ、ケイタ。こいつの上司が指揮官だから」

キリトがニヤニヤしながら言う。

「あ〜・・・・・・・・うん。大丈夫。俺に任せとけって!!」

俺はドンッ!と胸を叩く。

「ね、ねぇキリト・・・・・私たちにはまだ早いんじゃ・・・・・・?」

「大丈夫だよ。君達は俺が絶対守るから。それに他の攻略組のやつらもいる。
取りえず今回の目的は前線の空気を知ることだから、怖かったら任せればいい」

キリトが怖がるサチを説得している。

「話はまとまった?じゃあ行くよ?」

俺はその言葉の後すぐに―――


「のりゃあぁぁぁ!!」

ドゴォン!

――扉を蹴破った。

まぁ、蹴破ったといっても破壊不能オブジェクトなので派手に開いただけなのだが・・・・・

「すいませ〜ん。遅刻しましたぁ〜」

あれ?みんなが驚愕してるぞ?何かあったのか?

「カイト君!!」

「あれ?アスナさんではありませんか?えっと・・・・・怒ってる・・・・・・?」

アスナの後ろにアシュラが見えるぞ・・・・・?

「ん?別に?怒ってないよ?私の頭は今、すっごくクールになってるよ?」

誰もが見惚れるようなとても綺麗な笑みを浮かべるアスナ。

つーか、クールって・・・・・・・そんな次元じゃないでしょ!?

吹雪じゃなくて絶対零度のほうがしっくり来る笑顔なのですが!?

「で、でも俺だって強くなったし、新しい仲間も連れてきたんだぞ・・・・・・?」

「それとこれとは話が別なんだよ?君が連れてくるんだからそれなりには出来るんだろうけど・・・・・・・」

アスナは一呼吸置いて言葉を続けた。

「心配・・・・・・・・したんだから・・・・・」

今にも消えてしまいそうな声でアスナは呟いた。

・・・・・・・・ギャ、ギャップが・・・・・

「し、心配って・・・・・・・・・たった数時間だぞ?そんなに心配されるようなことはして無いし・・・・・・・・」

「それでもっ!!普段はお世辞にも真面目とは言えないけど、今まで君が攻略会議に遅れることなんて無かったから・・・・・・
何かあったんじゃないかって思っちゃうよ・・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・そんなに不真面目にみえていましたか?

などと大変に的を外れたことを考えてみる。

こうでもしないとこの可愛らしい生き物を抱きしめてしまいそうだ。

「はいはい、お二人さん。仲がいいのは分かったから、攻略会議の続きをよろしく」

キリトの言葉に俺たちは一気に正気に戻った。

周りを見渡すとみんな、苦笑していた。

良く見るとクラインがものっそいニヤニヤしてる。

・・・・・・・・・・・・・・・・はっっっっっずかしいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!

きっと今の俺の顔は真っ赤に違いない。トマトや茹蛸の比じゃないくらいに。

熱を持ちすぎて熱いを通り越して痛い。

「じゃ、じゃあ続きをはじめようか?」

「お、おう・・・・・・」

こうして第二十四層攻略会議が再開された。






・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・・




「―――以上で攻略会議を終了します。攻略は明日の朝10時から、それまで各自準備に取り掛かってください」

数分後、攻略会議が終わった。


要約すると、

ボスの名前は【The Bombr】大きいさは2mほどで、ピエロみたいな容姿だそうだ。

その名の通り、攻撃は爆弾。当然爆弾の大きさによって威力が変わる。

爆竹、手榴弾、ダイナマイト、マンガのような丸くて黒いやつ、さらには遠距離型のミサイルまであるそうだ。

さらにカレンの情報によると、HPバーが半分を切るとパンチなどの通常攻撃も爆発するようになり、武器破壊の特性が付くらしい。

そして厄介なことにダイナマイトを始めとする導火線が付いているタイプのやつにはあろうことか導火線が無いらしい。

つまり触れたらドカン!だそうだ。


いままでで一番厄介かもしれない。的が小さい分すばしっこいらしいし・・・・・・・・・


ケイタたちを連れて連れて来て良かったのか?と思ってならない。

「大丈夫か?今回は結構不味いかもよ?」

俺は黒猫団のみんなに聞いた。

そしたらみんなあろうことかワクワクしてきたと言ったのだ。あの怖がりなサチまで。

「つ、ついにキリトの戦闘狂(バトルジャンキー)の性質がうつったのか・・・・・」

「ちょっとまてぃ!誰が戦闘狂だ、コラァァァァ!!」

「きゃーキリト君が怒ったーこわーい(棒読み)」

「てんめぇぇぇ!!」

「うおっ!?剣は無しだって!!」

「うるせぇ!!今日と言う今日はゆるさねぇぞ!!」

軽く性格崩壊を起こしながらキリトが襲い掛かってくる。

「ちょっ!?みんなもキリトをとめてよ!!」

そんなところで笑ってないでたすけてぇ!!

そんなことがありながら翌日になった。



ついに第二十四層攻略が開始した。


SIDE OUT



SIDEアスナ

私は攻略会議の後、宿のベッドの上で横になっていた。

「よかったよぉ・・・・・・」

カイト君がちゃんと帰ってきた。

私はそれがすっごく嬉しかった。

カイト君の強さはちゃんと理解しているつもりだし、レベルだけなら今のプレイヤーの中で一番だと思う。

けど、やっぱり心配なものは心配。

あのPOP率が異様に高いダンジョンに何ヶ月も潜っていたことがあるなんて、正気とは思えない。

しかも自分よりレベルが10以上も高いダンジョンに。

もし何かがあったりしたらと思うと、じっとしてはいられなくなる。

けど、私がいける場所には彼はいない。

私のレベルが39。彼のレベルが90。レベル差が51もある。

絶対的な壁が私たちの間にはある。

私が彼と一緒のダンジョンに潜っても、私はたちどころに死んでしまう。

彼と同じダンジョンに潜って助かる可能性があるのは団長だけ・・・・・・


彼と同じユニークスキルを持っているから。


私は彼と同じところにいて、同じ景色を見ている団長がうらやましい。


そして彼と出会って、この気持ちに気付いてからずっと思っていることがある。


――ユニークスキルが欲しい。


そしたら彼と同じところに立てる。

彼の横で、一緒に戦うことが出来るのに・・・・・・


でも、そう簡単に手に入ったら苦労しない。

だから少しでもレベルを上げて、数字だけでも彼に追いつく。

そうすれば、きっと彼は私を見てくれる。

今よりもっと、ずっとしっかり私のことを見てくれる。

そしたら私・・・・・・彼に――カイト君に告白をする。

そして・・・・・彼と一緒にこの世界で一日を積み重ねる。

現実で一日無くすのではなく、SAOで一日を積み重ねる。

それが、今の私の最大の願い・・・・・

「・・・・・・・・その日のためにも、どんどん前に進まなくちゃ!!」

私は明日に備えてしっかり寝ることにした。


SIDE OUT



SIDEカイト



「ん〜!今日もいい天気だ!」

「迷宮の中だから天気もへったくれもないだろ?」

「あり?ばれた?」

キリトの言うとおり、俺たちは今ボス部屋の前にいる。

「カイト君・・・・・・無茶はしないでよ?」

アスナが心配そうな声音で言ってくる。

「大丈夫だよ。俺には家族がいる。いざとなったら呼べばいい」

そう言って元気付けようとするが、アスナの顔から不安の色が消えることは無かった。

「・・・・君は確かに強いよ?けど・・・・」

だんだんとアスナの目に光るものが溜まっていくのが分かった。

「大丈夫だって。俺は死なない。俺はまだ現実(向こう)でやりたい事があるんだ」

そういいながらアスナの頭に手を置いて撫でる。

「アスナは自分に出来ることを自分のペースで頑張ればいい。俺はいつまでも待ってるから・・・・・・」

俺は一呼吸おいて

「頑張って追いかけてこい。な?」

精一杯の笑顔でアスナに言った。

「・・・・・・うん/////」

アスナは顔を赤くしながら頷き、扉の前に行ってしまった。

「・・・・・・・・」

俺は去っていくその背中をじっと見つめることしか出来なかった。


・・・・・・・・・俺はもうアスナの気持ちに見当が付いている。

それが正しければ今までの態度も何もかもが説明できる。

けれど・・・・・・・・アスナはまだ知らない。

俺がどれだけの事を過去にしてきたかを・・・・・

俺は確かに頭が良かった。

工学分野では姉ちゃんには敵わないけど、それ以外なら負けていない自信がある。

けど、俺が頭が良かったせいで――俺のせいで―――――

―――人が死んだ。


「・・・・・君!・・・・イト君!・・・・カイト君!!」

「っ!・・・・・なに?」

「なにか辛そうな顔してたよ?大丈夫?」

どうやら、昔のトラウマのせいで難しい顔をしてしまっていたようだ。

「大丈夫だよ。心配した?」

「だ、大丈夫ならいいのよ。もう始まるから準備して」

「分かった。ありがとな」


暫くして準備を終えて第二十四層のボス戦が始まった。



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あとがき

どうも、クロコトです

第二十四層攻略とか言っておきながらボス戦の直前で終わってしまった・・・・・・・

次回はボス戦ですので、ご心配なく。


そして今回は暫く登場していなかったアスナが頑張りました。

カイトはアスナの気持ちに気付いてはいますが、踏み込めないでいます。


では、次回もお楽しみに!




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