小説『ソードアート・オンライン〜『猛獣使い』の少年〜』
作者:クロコト()

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SIDEカイト


俺が今日も迷宮区に行こうとしていたら、団長からメッセージが入った。

その内容は・・・・・・

「『至急本部に来るように』・・・・・味気ないねぇ〜」

だが、このくらいなら聞いてもいいかな?

「面倒臭いけどさっさと行くか」

俺は早いとこ終わらせるためにクソ狭い本部へと向かった。





場所は変わってここは第三十九層の田舎町。

「相変わらずちっさいねぇ〜」

現在の血盟騎士団本部は俺達の家より二部屋ほど多いだけの家だった。

「これで最強ギルドなんだもんなぁ・・・・・・」

少数先鋭、と言うほど少数でもないがそれでも聖龍連合なんかに比べると少ない。

「さて・・・・・・・・用件はなんだろ?」

俺はぼんやりしながら本部に入った。

中には沢山の人がいた。

見つかったら面倒なのでさっさと行こうとしたら・・・・・・

「あっ!!カイトさん!!」

見つかってしまった。

「え!?あっ!ホントだ!!」

「みんなー!カイトが惚気話をしに来たぞー!」

「しねぇよ!!」

こんなやつだけならいいのだが・・・・・・

『異端者には死の鉄槌を!!』

「お前らそんなことしてるからもてねぇんだよ!!」

こんなやつや

「カイトさん!ぜひ私を愛人に!」

「俺はアスナ一筋だ!」

こんなやつまで、まだまだ沢山群がってくる。

ココまで来ると面倒臭い。

「ええい!俺は団長に呼び出されたんだよ!さっさと行かせろ!!」

俺は人の波を掻き分けて、団長室に入った。

「人気者じゃないか、カイト君?」

「疲れますけどね・・・・・で、何ですか?」

俺は用件を聞いてさっさと迷宮に戻りたいんだよ

「ふむ。君をアスナ君の部下からはずそうと思っている。」

「はぁっ!?俺、クビ!?」

イヤだぞ!?アスナと離れるのなんてイヤだ!!

だが、俺の心配は杞憂だった。

「いや、君を副団長に昇進させようと思ってね」

「副団長!?いやいや、俺みたいなのが副団長って・・・・・・・ないっしょ?」

「別に問題は無い。それに、副団長になってくれるのなら君とアスナ君に休暇を与えよう」

ほぅ・・・・・・・・なかなかに気前がいいじゃないか・・・・・・・

「で?俺に何をしてもらいたいんだ?」

『甘い話には裏がある』これはSAO内に留まらずに現実でも一般常識だ。

「特に理由など無いよ。君のようなハイペースで迷宮に潜っていたら命がいくつあっても足りない。

 それでは君とアスナ君、両方を失いかねないからね」

「・・・・・・・・・まぁ、そういうことにしといてやるよ」

「では、君は今日から副団長だ。だが、契約どおり自由にしてくれて構わない」

「副団長ってのが気に入らないが、休暇がもらえるんなら喜んで」

俺は出口に向かっていき、出て行く寸前で

「部下のレベル上げばっかじゃなくて前線攻略もしてくれよ?」

といった。

「ふふふ・・・・・・ばれていたか・・・・・流石だな」

俺が出て行く寸前にそんな声がした気がした。




















キィィ・・・・・パタン

俺は団長室から出た。

その瞬間・・・・・・


「一体何の話だったんですか!?」

「まさか・・・・・・クビですか!?」

なんとも失礼なやつらだ。

「クビじゃねぇよ!」

「じゃあ一体なんだったんだ?」

「俺が副団長に昇進だとよ。これからは敬えコノヤロー」

「あり?俺よか上司だと思ってたんだけど・・・・・・違ったの?」

「知らなかったのか?俺は今までアスナ直属の部下だったんだぞ?」

「へ〜そうだったのか」

いまだに紹介していなかったがさっきから話しているこいつの名前はプルート。

ギルメンでも比較的仲がいいやつだ。ちなみに、うちの壁戦士チームのリーダーをやってる。

「まぁ、俺はアスナと一緒に休暇を貰ったから。お前らだけで頑張れよ?」

「マジかよ・・・・・お前らいないと辛いんだけど・・・・・・?」

「俺達に頼りきりだと駄目だからじゃねぇの?」

「そうだよな。仮にも攻略ギルドだし、メンバーの全員がそれなりに強くなくちゃな」

うんうん。そのその通りだ。

「じゃ、俺はウチに帰るから。じゃあな!」

俺はギルメンの間を駆け抜けて一気に本部を走り出た。


SIDE OUT



SIDEアスナ


「ふぅ・・・・・・疲れた〜」

私は『遺跡地帯』の街で休憩をしている。

今のレベルは72。推奨レベルを12も上回るダンジョンにいるのにこの効率はすごい。

そんな事より、リオって一体何なんだろう?

レインを連れていても何処かにいくことが無いし、何より――――

「ココに来るのにリオが必要ってどういうことだろう・・・・・?」

「キュ?」

私がリオに視線を向けると、それに気が付いたのか可愛らしく首を傾げるリオ。

一体何なんだろう・・・・

カイト君がテイムしてくる使い魔たちは、みんな高度なAIを持っている。

いや・・・・・・・使い魔の森にいるモンスターたちのAIがすごいんだ。

現に私とレインだって会話が成り立っているとしか思えない。

ユニークスキル――『猛獣使い』――

茅場晶彦は一体何が目的でこんなスキルを作ったんだろう・・・・・?

私達を極力死なせないため・・・・・?だったらこんなデスゲームは作らなくていい。

だったら一体・・・・・

私が思考に入ろうとしたら突然鈴のような音がなった。

目の前にメッセージアイコンがある。

差出人はカイト君だ。

その内容を見てみると

「えっ!?カイト君が副団長!?それに休暇まで取れたの!?」

まさか団長が許すなんて・・・・・・

「ん?今こっちに向かってるんだ・・・・・・あれ?リオ?」

辺りを見回すとリオがいなくなっていた。

きっとカイト君が呼んだのだろう。

「メッセージ打っとかなくちゃ・・・・・」

私は今『遺跡地帯』にいることを書いてカイト君に送った。

後は待つだけ・・・・・・・・

メッセージを送ってから数秒後。

「アスナーーーーーーーーー!!」

空から声がした。カイト君のものだ!!


ズドーン!!


「カイト君!?」

無事だと分かっていても、やはり心配になる。

「アスナ!今レベルいくつ!?」

なぜかすごく切羽詰っているカイト君

「な、72だけど?」

「ホントにか!?70あるんだな!?じゃあ行こう!」

「行こうって・・・どこに?」

「鋼鉄地帯!開くようになってたんだ!!」

――――――っ!!

鋼鉄地帯!?開くようになったんだ!!

鋼鉄地帯の扉は今まで硬く閉ざされていて、開ける事が出来なかった。

「どんなやつがいるんだろうな!楽しみだ!!」

「うんっ!早く行こっ!!」

このタイミングで開くことに疑問を持たなかった訳じゃないが

カイト君と一緒のところに行ける喜びのほうが大きかった。


私達はすぐに鋼鉄地帯に向かった。



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あとがき

どうも、クロコトです。

いかがでしたか?面白いでしょうか??

カイトが副団長昇進です。

あんなに強いのにいつまでもアスナの部下じゃいけませんよね。

遊撃隊長とかでも良かったのですがアスナと結婚してるわけですし、やはり副団長でしょう!

という結論に至りました。



そして、下戸様からのアイデアを採用させていただいて、次回はゴーレムを出します。

使い魔のアイデアはまだ募集しております。

全部出せるわけではありませんが、これだと思うものは採用させていただきます。

頭の弱い作者に知恵を下さい。お願いします!



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