小説『ソードアート・オンライン〜『猛獣使い』の少年〜』
作者:クロコト()

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SDIEカイト


「さて!さっさと行こう!そうしよう!」

「まってよカイト君!早いって!!」

俺達は白いドームまで戻ってきた。

「アスナ。準備は良いか?」

「う、うん・・・・・・いいよ」

その言葉の後俺は一気に扉を開けた。

だが、扉の奥は―――

「え・・・・・・・・赤?」

―――赤かった。

「――っ!アスナ!こっちこい!!」

俺は急いでアスナを抱き寄せた。

アスナが顔を真っ赤にしているが知ったことか。この状態は危ないんだ。

その後すぐにゴオォォォ!と言う音と共に俺達は吸い込まれた。













「空・・・・・じゃない?」

「・・・・・・・アスナ・・・・あれ」

俺が指を指した先には巨大な洞窟があった。

「アスナ。転移結晶の準備だ」

「え・・・・・・?そんなに危ないの?」

「少なくともいつもとは違う。何が起こるかは分からない」

「わ、わかったよ・・・・・・カイト君もだよ?」

言われなくたって分かってる。

誰がアスナを置いて死ぬものか。一緒に向こうに帰るって約束したんだからな。

「じゃあ・・・・・・行くぞ?」

「うん・・・・」

俺達はいつでも逃げられるようにして洞窟の中に向かった。










結論から言うと、洞窟の中は様々な鉱石が取れる採掘場だった。

「鋼鉄地帯っつーぐらいだから鉄ばっかなのかと思ったけど、宝石もあるんだな」

「ピッケルもってて良かったね!」

こんなに取れるのならもっと沢山持ってくれば良かった。

――数分後

「これだけ取ればいいだろう」

「そうだね。これだけあれば相当な額になるよ」

俺達のアイテムストレージは半分ほどが鉱石などで埋まった。

ここでふと思った。

「アスナ。この前と武器が変わってる気がするんだが?」

「ん?これは友達の鍛冶屋に作ってもらったの。今度紹介するね」

へぇ〜鍛冶屋の友達がいたのか。知らなかった。

「性能はいいのか?」

「うん。前の装備よりは良いな?」

前の装備は確かモンスタードロップだったよな・・・・・

「相当鍛冶スキルが高いのか?」

「うん。たぶん800はあるんじゃないかな?」

それは・・・・・なかなか高いな。

「まぁこれだけ取れたし、とりあえずココから出よう。」

「そうだね・・・・・・さっきからなにもPOPしないのが怖いし・・・・」

俺達が鉱石を取っている数分間。ココにはなにもPOPしなかった。

「まぁ用心するに越したことは無いからな」

俺がアスナと一緒に出て行こうとしたら


ビュッ!!


「のわっ!?」

俺の身体に白い糸のようなものが巻きつき、引き寄せられた。

「カイト君!!」

「アスナ!逃げろ!コイツは・・・・・」

カサカサ・・・・・・

いままでしなかった何かが動く音。

その音の正体は・・・・・・・・

「きゃあぁぁぁぁぁ!!蜘蛛ぉぉぉ!!!」

巨大な蜘蛛だった。

「アスナ!お前は下にいる小さいほうを頼む!俺はコイツをしとめる!」

「わ、分かった!」

アスナがレイピアを抜き、小さい蜘蛛を攻撃し始める。

「さて・・・・・」

俺は腰につけていた短剣を抜いて身体にまとわり付いていた糸を切った。

「よっと・・・・・・・水平で助かった・・・・・」

俺は蜘蛛の巣に降りた。

蜘蛛の巣は、普通の縦糸と粘着性のある横糸で出来ていて、横糸さえ踏まなければくっつくことは無いのだ。

「さて・・・・・・気持ち悪いから速攻で終わらせるぞ?」

俺は背中のゲイボルグを構え、スキルを発動させた。

「なりゃぁぁぁぁぁ!」

固有スキル【因果逆転】。

25層のボスには効かなかったが、コイツは基本的には避けられない。

ビュンッ!

真紅の槍が巨大蜘蛛めがけて猛スピードで飛んでいく!

パリーン・・・・・・

巨大蜘蛛はあっけなくポリゴンになった。

「アスナー!大丈夫かー?」

「大丈夫じゃないよー!助けてーーーー!!」

およ?アスナのレベルなら大丈夫かと思ったんだが・・・・・・

「なんか急にPOP率が上がったんだよー!一秒に5匹はでてきてるー!」

「なっ!?」

一秒で5匹ってなんだよそれ!?

「ローズ!」

「グルアァァァァ!!」

ローズが来た。

「アスナ!ローズに捕まれ!!」

「う、うん!」

アスナが思い切りジャンプしてローズの尻尾をつかんだ。

「よし!ローズ!【ブレス】で焼き払え!!」

「ゴガアァァァァァァァ!!!」

ローズの口から巨大な火の玉が発射される。

そのせいであたり一面焼け野原だ。

「うひゃー・・・・・・相変わらずすごいねー・・・・・・」

アスナが絶句している。

「25層ボス攻略のほうがすごかったろ?」

あの時は使い魔全員で一斉攻撃したんだからな。

「まぁいいでしょ?さっさとココのモンスターをテイムしに行こ?」

「それもそうだな・・・・・」

こんな気持ち悪いところから早く出たいと思っていたから俺たちはローズに乗って『鋼鉄地帯』の街に向かった。



SIDE OUT




SIDEアスナ



「はぁ〜・・・・・・気持ち悪かったぁ・・・・・」

「確かにあんなに群がっていたら気持ち悪いよな・・・・・・」

私達は街について早速宿を取った。無論、同じ部屋で。

「でも・・・・・・見たことも無い鉱石が取れたし良かったかな?」

「そうだな。これを使えば良い武器が出来るかもな」

「カイト君はそれがあるからいいでしょ?」

私はゲイボルグを指差しながら言った

「俺はな?でもお前のは作ってもらったほうがいいだろ?」

「それもそうだね」

「スピード系の鉱石は・・・・・・あった。『羽衣水晶』だってよ」

「いかにも軽そうな名前だね」

「良いレイピアが出来そうじゃね?」

確かにね、と私は同意した。

リズの腕なら良い武器が出来るに違いない。

「ところでカイト君。ずっと気になってたんだけど・・・・・・・」

「ん?なに?」

「そのローブの下に何装備してるの?」

「へ?この下?防具だけど・・・?」

カイト君はいつも私に装備を見せてくれない。

名前とスキルは知っているんだけど、ステータス画面からは見た目が分からない。

「見た目のことを聞いてるの。どんな格好をしてるの?」

「すっごい過激なファッションだよ?見たいの?」

「見たい!」

「うぐ・・・・・そこまで言うなら・・・・・」

カイト君がメニューを操作してローブをはずした。

そこには――――

「なっ!?殆ど裸じゃない!!」

――――カイト君の裸があった。

相変わらず綺麗な肌だなぁ・・・・・・

線が細いが、しっかりと鍛えられ、絞り込まれている体。

こんな体に抱かれたら私・・・・・・・もう・・・・・・

「そんなにじろじろ見るなって・・・・・・恥ずかしいじゃん・・・・・・」

「はっ!ダメダメダメ・・・・・・」

カイト君の声で正気に戻される。

つい見惚れてしまっていた。自重しなきゃ・・・・・・

「もういいか?てかもうお終い!!」

カイト君がローブを着てしまった。

あぁ・・・・・・もったいない・・・・・

って!何言ってるのよ、私は!!!

これじゃ変態じゃない!!

「じゃ、今からどうする?」

「そ、そうだね・・・・とりあえず行こ?レベル上げもしたいし」

「そうだな・・・・・アスナが強くなれば俺もいくらか楽が出来るし・・・・・行こっか!」

「――っ!うん!」


この日、ここのPOP率の異常さのおかげで私のレベルが78になった。


明日はいよいよ、カイト君の使い魔探し。

早く寝なくちゃ!!


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あとがき

どうも、クロコトです。

ゴーレムを出すとか言ってでてきませんでした。

誠に申し訳ありません。次回は必ず出します!!

アスナのレベルが上がっているのにカイトのレベルが上がっていないのはパーティーを組んでいないからです。

結婚して無条件でパーティーになるなんて書いてなかったので勝手にやらせていただいております。


では、また次回にお会いしましょう。

誤字脱字、使い魔アイデア、質問等ありましたらコメントにでも書いてください。






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