小説『ソードアート・オンライン〜『猛獣使い』の少年〜』
作者:クロコト()

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連投です!!

よろしくお願いします!









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SIDEカイト





アバターの設定をして、俺が目を開けたら目の前にはレンガ造りの巨大な門があった。




「すげぇ・・・・」



つい声が漏れてしまった。


「ついに・・・・」


ついに来た。俺の新しい現実。俺が俺らしく居られる新しい居場所。



「早速レベル上げをしなくちゃな」


俺は始まりの町へと足を進めた。




















SIDE OUT




SIDE???


「戻ってきたんだ・・・・」

俺――キリト――は二度目となるアインクラッドの風景に感動していた。



「今度こそ、頂上まで上ってやる。」



βテストでの最前線は第六層。


今回は期限が無い。どんなに時間をかけても最後まで行ってやる。


「とりあえず、狩場に急がないと」





俺は走って狩場に向かった。


























―始まりの町近くの狩場―




途中でクラインという男に
「ちょっとレクチャーしてくれよ!」と初対面で頼み込んできた図々しさに押され
「は、はあ。じゃあ・・・・・武器屋いく?」とNPCのごとき返答をしてしまい、なし崩し的にパーティーを組む羽目になった。

俺たちが行った場所には先客が居たが・・・・

「おい・・・ありゃピンチじゃねぇか・・・?」

クラインがそういった。


そう、その先客はモンスターに囲まれていた。


クレイジーボア――レベル1の雑魚モンスター――4匹に。

両手長槍を手に持った彼は微動だにせずただ敵を眺めていた。


「あれは・・・・不味いな・・・」

いくら雑魚とはいえ囲まれていたらさすがに危ない。


俺がたすけに入ろうか迷っていた次の瞬間、俺は目を疑った。



シュバッ!!

ザシュザシュッ!!

パリーン!


一瞬にして四匹のイノシシがポリゴンになって霧散したのだ。



「ふぅ・・・・・ん?」

「おい、コッチ見たぞ?あいつβテスターか?」

「さすがに全員知ってるわけじゃないけど、最前線にあんな奴は居なかった。」

「じゃ、じゃあビギナーってことかよ!?あんな動きしてるのにか!?」

俺たちが話していると、そいつが近づいてきた

「あの〜・・・何か用でしょうか・・・・?」

「いや・・・・すごい動きだなって思って・・・・」

「な、なあ!お前βテスターか!?」

クラインが興奮している。ちょっと怖いぞ?

「いや、応募はしたけど見事に落ちちゃってさ」

「なっ・・・・じゃ、じゃああの動きは!?≪剣技(ソードスキル)≫か!?」

クラインがビックリしている。

無理もないか、そういう俺だって驚いてるんだから。

「いや、違うぞ。あれは・・・・そうだな・・・・言うなれば≪システム外スキル≫・・・・かな?」

「システム外・・・・・・てことはあれは、いま自分で考えたのか?」

俺がこいつに聞たら

「てか、お前名前は?俺クライン!こいつはキリト!よろしくな!!」

「俺はカイト。こちらこそよろしくな。」

そういえば自己紹介してなかったな・・・・

まぁいいや。

「で、どうなんだ?」

「ん?・・・あぁ、ちょっと違うかな?」

「?どういうことだ?」

俺はまたカイトに聞いた

「あれは俺が習ってた槍術の技なんだ。さすがに現実じゃああんなに威力は出ないけどな。」

へぇ・・・・そういうことか・・・・・

だから剣じゃなくて両手長槍なんだな。

「す、すげぇじゃねぇか!?この世界じゃそんなことまで出来るのか!?」

「そんなことが出来るのはカイトぐらいじゃないか?」

「まぁ、俺はこの力を手に入れることで失ったものもあるわけで・・・・・」

ん?何かカイトが遠い目を・・・・・

「わるい。聞いちゃいけなかったか?」

とりあえず謝っておこう

「・・・・・・・・ん?あぁ別に、気にしないで・・・・?」

「あのさ!ここで会ったのも何かの縁だし、フレンド登録しようぜ?」

「おう!よろしく頼むぞ?」

「あぁ・・・・よろしくな」


こうして俺たち三人はフレンド登録をして夕方まで狩り続けた。





SIDE OUT


SIDEカイト


やった!友達が出来た!!

現実じゃあ出来なかったのにここなら簡単に出来る!!

俺は嬉しくなって夕方になるまで何匹のボアを狩ったか分からない。いつの間にかレベルが3になっていた。










「はぁ・・・・はぁ・・・・・・」

クラインが息を上げている。

「だらしないぞ?クライン」

「だ、だってよう・・・・」

「ココじゃ疲れないだろ?」

この世界はあくまでゲームの中。

痛みも当然無いし、息をする必要も無い。

「き、気分の問題なんだよ・・・・」

そんなものですかねぇ?

「どうする?まだ続けるのか?」

時計はもう五時十五分を過ぎていた。

「わりぃ。俺落ちるわ。五時半に熱々のピザ予約してっからよ!」

にかっ!と笑うクライン。

「用意周到だな。」

キリトがそういう。

「あったぼーよ!!その後またログインするから、そん時にでも会おうぜ」

そういってメニューを開き、ログアウトしようとしたときに、問題が発生した。


「あれっ?なんだこりゃ・・・・・ログアウトボタンがねぇぞ?」

・・・・・・・・・・は?そんな馬鹿な・・・

俺は急いで自分のを確認したが、

「たしかに無いな・・・・キリトは?」

「俺のも無い・・・・・」

「ま、初日だからな。こんなバグもでるだろ」

「そんな余裕かましてていいのか?もうすぐ五時半だぞ?」

キリトが意地悪い声音で言った。

「あああああ!!俺様のアンチョビピッツァとジンジャーエールがぁー!!!」

なんか喚いているが気にしたら負けだ。

「でも自発的にログアウトする方法なんて無かったよな?」

「・・・・・・・・確かに・・・・となると現実でナーヴギアを取って貰わないといけないのか」

「で、でもよぅ・・・・俺一人暮らしだぜ?お前らはどうよ・・・?」

「俺は姉ちゃんと母さんと父さんが居る」

「俺は・・・・・・妹と母さん。夕飯の時間に降りてこなかったらすぐに分かると思うけど・・・・」

「なにぃ!?カイトの姉ちゃんとキリトの妹さんって幾つ!?」

・・・・・・・・クラインがなんか気持ち悪い

「お、落ち着けってアイツは運動部だしゲーム嫌いだし俺たちみたいなのとは人種が違うって」

「そ、そうか・・・・じゃあカイトは!?」

「俺の姉ちゃんは、彼氏持ちらしいよ?」

らしい、というのは実際にはあったことが無いからだ。

「・・・・・・・・orz」

沈んじゃったよ・・・・

「そんなことよりおかしいと思わないか?」

キリトが突然口を開いた。

「そりゃおかしいだろ。バグなんだから。」

「違うぞ、クライン。『ログアウトが出来ないなんて今後の運営にかかわる大問題だ。発覚と同時に全員を強制ログアウトさせるべきだろ。』ってキリトは言いたいんだよ」

「そうだ。開発元の≪アーガス≫はユーザー重視で名を上げてきた会社なんだ。こんなのは絶対におかしい。」

「GMにも連絡つかねぇし・・・・・」

「このままじゃVRMMOってジャンル自体が規制されかねないぞ・・・・」

それは・・・・・・非常に困る。

現実じゃ友達が居ない俺がやっと見つけた居場所なんだ。なくなってもらっちゃ困る。


すると・・・・・・・





リンゴーン・・・・・・リンゴーン・・・・・






遠くで鐘の音が聞こえ、俺たちは光に包まれてどこかに飛ばされた。



この日から、夢の世界は一気に地獄へと変わった。




-3-
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