小説『ソードアート・オンライン〜『猛獣使い』の少年〜』
作者:クロコト()

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SIDEアスナ


「モ゛オオォォォォォォォ!!!」

クリムゾン・バイソン♀がその巨体に似合わないほどの速度で突進してくる。

「くっ!」

私はそれをかわして横腹に剣をつきたてる。

さっきからこれの繰り返しで、もう12体ほど倒した。

一回倒すとまたオスを倒さないといけないが、レアアイテムをドロップするモンスターの割にはポップ率が結構いい。

まぁ、使い魔の森ほどでは無いけど・・・・・・

「ブルルルル・・・・・・・・」

私がさっきから戦っているやつが鼻息を噴いた。

「かかってきなさいよ・・・・・・・貴方の角がどうしても必要なんだから!!」

「モ゛オオオオオォォォォォォォォ!!!!!!!!」

ドゴオォォォン!!!!という轟音と共にクリムゾン・バイソンが飛び出してきた!

そのスピードはまるで弾丸。

あまりの脚力に地面が抉れてる!!!

「ッ!!!レイン!!」

「ガウッ!!」

私はレインに引っ張ってもらってやつが通るであろう道から横にずれた。

――――あれだけのスピードならすぐには曲がれないはず。

そう思っていた。

「モ゛オオォォォォ!!!」

「えっ!?ま、曲がってきた!?」

だけど、やつは突然グニャリと軌道を変えて私のほうへ向かってきた。しかもさらにスピードを上げて!!

何で!?SAOはあそこまで忠実に物理現象を再現してたのに!!!

「モ゛オオオォォォォォォ!!!!」

「キャアァァァァ!!!」

「ガウアッ!?」

私たちは避けられずに攻撃を食らってしまった。

私のHPバーがレッドゾーンに入ってしまった。

回復をしている暇なんてなさそうだ。

――――死ぬの・・・・・?こんなところで・・・・・・?

イヤだ・・・・・イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ!!!!!

「私は向こうでカイト君と会うって約束したの!!私だけこんなところで死んでたまるもんですか!!」

すると突然ガラスが割れたような音が響き、私の頭に大好きな彼の声が響いた。

『―――アスナ。焦らずに、落ち着いてやれば勝てるよ』

「カイト君!!身体は大丈夫なの!?」

『ははは。どうやってこれをやってるのかより俺の身体の心配か?』

「当然だよ!!もう毒に罹って二週間以上すぎてるんだよ!?」

『でも、アスナは頑張ってるよ。もう最後の一つなんだろ?』

「そ、そうだけど・・・・・・・どうしてそれを?」

『これが出来るようになったのがついさっき。お前が4つのなかの3つを手に入れたからだそうだ』

「そ、そうなんだ・・・・・・」

『何で困ってるんだ?アルカディア・ドラゴンの爪か?』

「違うよ?クリムゾン・バイソンの角。今戦ってる最中―――!!」

私は戦闘中だったのを思い出して身構えた。

が、しかし。辺りの時間は止まっているかのように何の音もしない。

『周りの時間は止まってるだろ?そういう効果なんだと。都合がいいねぇ〜♪』

「今回復したら体力戻るの?」

これが出来れば非常に楽になるんだけど・・・・・・・

『いや、お前の体力も例外なく止まっている。動いているのはお前の身体だけだ』

「そうなんだ・・・・・・」

『ん?そろそろ時間かよ・・・・・・アスナ!』

「なに、カイト君?」

『時間が動き出したら指笛を吹け。そうすればいい事が起きるぞ?』

いい事・・・・・?なんだろう一体・・・・・・・・・?

「わ、分かった。やってみるね」

『あぁ、じゃ――――』

カイト君の声は最後まで聞こえることなく切れてしまった。

「モ゛オオオォォォォォォ!!」

時間が動き出した。

クリムゾン・バイソンが突進してくる!!

「す〜〜〜〜・・・・・・・・」

私は息を吸い、カイト君に言われたとおり指笛を吹いた。

ピィィィィィィィ・・・・・・

辺りに甲高い音が響く。

その数秒後――――

ズドドドドド・・・・・・・・!!

「な、なんなの!?」

も、モンスター!?モンスターが来たの!?

全然いい事なんて起きてないじゃない!カイト君のバカー!!

だけど、そのモンスターの軍団は私の良く知っている子達だった。

「ガウアァァァァ!!」

「ろ、ローズ!?」

な、何で!?

『私だって居ますよーーーー!!!』

「ファラオまで!?」

こ、これって、カイト君が今までにテイムしたモンスターたち!?

い、一体どうやって!?

「アスナさーん!」

「サラちゃん!!これってどういうこと!?」

私は後ろから声をかけてきた藍色の髪の少女に聞いた。

「何でもカイトさんの『猛獣使い』の効果に新しいものが追加されたとか?」

「へ!?そ、そんなことってあるの!?」

「あるみたいですね!」

ご、ご都合主義にもほどがあるでしょ!?そこんとこどうなの!?


―――大変申し訳ございません  by作者―――


・・・・・・・・・・なんか変な電波を受信した気がする・・・・・・・・


「まぁ、私達が来たからにはアスナさんはしっかり守りますよ!!」

確かにこの子達が居てくれたらすごく心強い。

「・・・・・・・・うん!よろしくね皆!!」

「モ、モオォォォォォ!!!」

「ギャオォォォォ!!!」

レックスがクリムゾン・バイソンと対峙している。

バクッ!・・・・・・・バリ・・・・・・・ボリ・・・・・・

た、食べてる・・・・・お、お腹すいてたのかなぁ・・・・・?

ピコーン!

「あ、でた」

あ、あんなに苦労したのに・・・・・・・

「でもこれで・・・・・・・・」

「カイトさんが元気になりますね!!!」

「うん!!」

待っててねカイト君!今すぐ行くからね!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。

「アイランドタートル・・・・・・どうしよう・・・・・・?」

私は今請けていたクエストのことをすっかり忘れていた。

ほ、本当にどうしよう!?




SIDE OUT



SIDEカイト


「・・・・・・・・・集まったみたいだな・・・・・」

俺は病院もどきのベッドの上で呟いた。

そのうちこっちに来るんだろうな。

そんな事思っていたら・・・・・

「・・・・・・・・・・・は?俺が飛ぶの!?」

俺がライトエフェクトに包まれて何処かに飛んでいった。



















「・・・・・ん?ココは・・・・・・教会・・・・・・・・?」

光が収まり、目を開けるとそこは綺麗な教会だった。

「何でこんなとこに・・・・てかドコの教会だよ・・・・・」

「カイト君!!」

バンッ!とすごい音を立てて部屋に入ってきたのはアスナだったのだが―――

「お前・・・・・・なんだよその格好?」

―――ウエディングドレスを着ていた。

「綺麗でしょ?・・・・じゃなくて!これ飲んで!!」

「ムガッ!?!?!?」

苦い!?辛い!?渋い!?良く分からないが物凄く不味いということだけわかった。

こ、これって・・・・・・

「ど、どう・・・・・?治った?」

アスナが心配そうに聞いてくる。

「・・・・・・・・・まじぃ・・・・・」

「な、何よそれ!こっちがどれだけ必死になって集めたと思ってるの!?」

「ははは、悪かったって。うん、良く効いてるよ」

俺は上体を起こし、アスナの頭を撫でた。

「ありがとな、俺のために」

「と、当然だよ////」

そういえば・・・・・・・・

「何で俺はタキシードなんだ?」

これじゃあ、まるで・・・・・・

「結婚式・・・・・・だね」

「・・・・・・・だな」

報酬のいいものって・・・・・・・・・・これ?

「カイト様、アスナ様。式の準備が整いました。どうぞこちらへ」

NPCであろう男性が俺たちの部屋に入ってきた。

「・・・・・・・・・・行くか?」

「・・・・・・・・・・うん////」

顔を赤くすんなって・・・・俺まで恥ずかしくなるじゃねぇか・・・・・////






















〜〜〜〜♪


結婚式でよく聴く音楽が流れている。

俺はやけにチャラそうな神父の前で待っているのだが・・・・・・・

「カイトー!!かっこいいじゃねぇかチクショウ!!」

「確かにかっこいいな」

「私はアスナのウエディングドレス姿がみたいな〜」

「カイトー!!似合ってるぞー!!」

「ふむ・・・・・一応祝福しておこう」

「カイト様が結婚・・・・・・!」

「私の・・・・・・・私のカイト様が・・・・・」

上からクライン、キリト、サチ、プルート、団長、その他血盟騎士団の女の子達。

他にもリズ、エギル、ケイタたち黒猫団など、俺とアスナのフレンドリストに登録されているプレイヤー達が全員この場にいる。

「な、何でこうなった・・・・・・・」

俺がうなだれた瞬間

「新婦の入場です」

ギィィィ・・・・

教会の扉がゆっくり開いた。

「―――っ」

そこに居たのはウエディングドレス姿のアスナとNPCの初老の男性だった。

一歩、また一歩とゆっくり俺に近づいてくる。

そして、アスナが俺の横に来た。

・・・・・・・・・綺麗だ。さっき見たときみたいな慌しい様子はドコにも無い。

落ち着いた雰囲気を纏った美しい女性がそこに居た。

「あ〜普通ならここで神父がなんか言うんだろうけど正直あんな長ったらしい文章は覚えておりませんので〜さっさとブチュッとやってくださ〜い」

はぁ!?な、何だよそれ!?

「カイトー!ブチュッとやっちまえー!!」

「ココでやらないでいつやるんだよ!」

クラインとプルートが大声で叫ぶ。

「カイトー!アスナを泣かせたら承知しないんだからねー!?」

リズまで!!

「ふふふ・・・・・なんだか騒がしい式になっちゃったね?」

「あぁ・・・・そうだな」

「ほれ、お二人さん。皆さん期待しておられますよ?ささ、ブチュッと!」

神父が矢鱈とグイグイ来る。

「・・・・・・・分かったよ・・・」

「あ・・・・・////」

俺はアスナの顔にかかっていたヴェールをあげた。

「・・・・・・アスナ・・・・これからもよろしくな?」

「こちらこそ・・・・・・ずっと一緒だよ、カイト君・・・・」

そっと、俺たちの唇は重なった・・・・・・



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あとがき


どうも、クロコトです。

どうもすいませんでした。

ご都合主義全開の使い魔大集合でした。

もうこんな事は無いと思われます。どうか見捨てないで下さい。

そして、最後の結婚式の神父のことですが、正直に言いますと僕が神父様がいう言葉を知らなかったのと、

調べたところ矢鱈と長ったらしかったので書くのを断念いたしました。

上手くかけているでしょうか?面白いと思っていただけたのなら嬉しいです。


それでは、コメントをくれると嬉しいです。

さよならー





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