小説『赤い女』
作者:たまちゃん(たまちゃんの日常サタン事)

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田中さんが家に帰ると、誰も居なかった。

奥さんは、昼の仕事をしていて夜にならないと帰宅しないんですね。

シャワーを浴びて、

ソファーに、ごろんってなって、

そのまま。。。

すぃ〜寝ちゃったそうです。





暫くして、ふっと目が覚めた。

キッチンの方で音がする。



じゃー


カチャカチャ


とんとんとんとん


料理を作ってるんだ。

(ああ、帰って来たんだ?)

って思って、

ソファーからこう、

ブリッジする格好でキッチンを見た!

そして、すぐまた元の体勢に戻った。








違う!






一瞬だが、赤いのが見えた!



スカートか?エプロンかは、分からない!


でもまぁ別に、奥さんがそんな格好してても不思議じゃないんですよね。





でも、

昼間…あんな変な事があったもんだから、

田中さん怖くなっちゃって、声で確認したんだ。




「おいっ!帰ったんか?」






じゃー


キュッ!





水を止める音がした。

おかしな事に音が消えた途端に、

人の気配まで消えたんだ。






ぴたっ


ぴたっ


ぴた





ダイニングキッチンを、裸足で歩く音がする。

どんどん近づいてくる。

部屋は畳になっているので、

今度は畳を擦るように歩いてくる。






すっ


すっ


すっ






近づいてくる。

確実に妻ではないと思って、目を開けられない。

すると彼女がソファーに手をついて、





ぐぐぐーっと、

田中さんの顔を覗き込んできた。

もう吐息まで感じられる距離まで近づいているんだ。

おそるおそる目を開けた!







赤い女が


にぃ〜と笑った!







うっ!となって、

目を閉じるのと、

目を覚ますのが同時だったそうです。







部屋の中は真っ暗なんです。


もうすっかり夜なんだ。

(リアルな夢を見たなぁ?)

田中さんは、ドキドキしていた。






すると、






カチャ





玄関で音がした!

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