小説『愛されたくて愛されたくない』
作者:水士()

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私はカフェに向かっていた。
久しぶりに友達と呼べる女の子とお茶をしに行くことで私はどきどきしながらカフェのドアを開いた。
沙耶いるかな?沙耶の姿を探したら一番奥の席に座っていて私に一生懸命手を振っていた。
やっぱり沙耶の行動一つ一つが可愛いな・・・・
私とは全然違うなと思いながら沙耶の所に向かって歩いた。
「久しぶり!なんだか知花ちゃん明るくなった?」
沙耶はうれしそうに聞いてきた。
「うん色々あったんだ。休みの間にね。とりあえずドリンクバーでも頼もうかな」
私はそう言ってボーイさんを呼びドリンクバーを頼んだ。
沙耶は何故だか嬉しそうにしているので私まで嬉しくなってきた。
もしかしたら沙耶は天使なのかな?
一緒にいるとこっちまで嬉しくなる・・・・
私は照れながら聞いた。
「そういえば沙耶は彼氏とかいるの?」
私が聞いたのは何よりも桜井さんの為だった。
沙耶の事は大好きだったが桜井さんも同じくらい好きだったので沙耶に彼氏がいたら桜井さんが傷つくだろうと思い沙耶に聞いたのだった。
沙耶は照れながら言った。
「うん。3年目になる彼氏がいるよ」
私はどうしようと思った。
桜井さんにどう伝えよう?
この事を知ったら桜井さんは傷つくだろうか?
「どうしたの?知花ちゃん?何かあった?」
沙耶は固まっている私を見て心配をしたようだった。
私はぎこちない笑顔で言った。
「ううん。なんでもないよ。気にしないで。それよりも桜井さんの事どう思う?」
「桜井さん?かっこいいよね〜私のタイプだけど彼氏いるから駄目だと思うよ」
沙耶はぎこちない笑顔で言った。
どうやら私の言いたい事が沙耶には分かったようだ。
そうだよね。
彼氏いるのに駄目だよね・・・・
私はなんだか悲しい気分になった。

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