小説『愛されたくて愛されたくない』
作者:水士()

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「じゃあね〜また今夜!」
そう言って桜井さんは私の部屋を出て行った。
疲れた・・・・
色々な人と体を重ねたが桜井さんがこんなに性欲が強いなんて・・・・
私はさっきまで桜井さんといた寝室のベッドに倒れこんだ。
桜井さんの匂いがする。
嬉しいな。もしかしたら沙耶に紹介しなければいつまでも桜井さんとの関係が続くのかな?
私はふと思ったがやめた。
いや桜井さんは沙耶の事が好きなら一度は桜井さんを沙耶に合わせなければ。
せめて桜井さんの思いを沙耶に伝えて欲しい。
それに桜井さんも沙耶も私にとって大事な人たちだ。
だったら桜井さんも私なんかよりも沙耶の方が良いに決まってる。
なら今日桜井さんが夜に来るなら沙耶と付き合えるかもしれないと伝えなければ。
私はそう思った瞬間胸が痛かったが押さえ込んだ。
大丈夫。
二人が幸せならそう思いながら職場に行く用意をした。
カラン
「あっ!知花ちゃん!この前は大丈夫だったの?突然休んだりして」
店の従業員達が私の近くに寄ってきた。
「すみません。この前は急に用事があったので・・・・」
「そっかぁそれなら良いよ」
私は説明をしたがそれで良いのかな?とっ内心思った。
そのままスムーズに仕事が終わり夕方に携帯に沙耶から電話が来た。
「もしもし?元気だった?今日夕方からお茶しない?」
私は分かったと言って電話を切った。
よし!沙耶に会って桜井さんと会えるのはいつ位か聞いてこよう。
「また今夜!」
桜井さんが朝に言っていた言葉を思い出した。
そういえば桜井さん夜来るてっ言ってたな。
なら遅い時間までは沙耶とお茶できないなと思いながら沙耶との待ち合わせ場所に向かった。

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