小説『愛されたくて愛されたくない』
作者:水士()

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私は沙耶と別れてから急いで家に向かった。
桜井さんが来てるかも・・・・
早く帰らなきゃ・・・・
部屋の前に立つと静かに深呼吸をした。
スーハースーハー
よし!大丈夫!
私は勢いよく玄関のドアを開けた。
中からテレビの音が聞こえる。
やっぱり桜井さん来てるんだ。
待たせて悪かったな・・・・そう思い部屋に入ると桜井さんはテレビの前で眠っていた。
「桜井さん?」
「うぅん、もうちょい寝かせて・・・・」
そう言ってもう一度眠った。
なら桜井さんが眠っているうちに夜ご飯の用意でもしよう。
私はそう思い夜ご飯の用意を始めた。
ご飯食べる時にでも桜井さんに沙耶の事言おう。
そう思っていると桜井さんが台所に入ってきた。
「やっぱり帰ってきたんだね?良い匂いがしてたから・・・・」
「はい、桜井さん寝てたから夜ご飯でも作ろうと思って・・・・後ですね。ご飯食べる時に嬉しい報告があるのできちんと聞いてくださいね?」
「嬉しい報告?うん。分かったよ。ちなみに何か手伝いいるかい?」
「いいえ、もう出来上がりですから大丈夫ですよ」
「そっかなら奥に戻ってるね」
桜井さんはそう言って台所を出て行った。
きちんと沙耶の事言わないと・・・・
そう思いながら皿におかず達を盛り付けた。
奥の部屋の机に夜ご飯を置いていって桜井さんと食べ始めた。
言わないと・・・・
「桜井さん!」
「知花ちゃん」
同時に言葉を発した。

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