小説『愛されたくて愛されたくない』
作者:水士()

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チュンチュン
どうやら今度はきちんと起きれたようだ。
横を見たら前と一緒で桜井さんはいなかった。
もう仕事に行ったんだな・・・・
台所の机に行くとメモ用紙が置いてあった。
「一応朝ごはん作っといたよ。それと今週の日曜日なら開いてるから沙耶と三人で遊びに行こう。沙耶とも話したいしね。 桜井」
三人で?
良いのだろうか?
私がいても・・・・
私はそう思いながら桜井さんが作ってくれた朝ごはんを食べた。
今日から風俗の仕事を再開する。
桜井さんの感触を消したくなかったが風俗の仕事をしているかぎり仕方ない・・・・
とりあえず今は何時なんだろう?
時計は昼の一時を過ぎていた。
私はお風呂に入ることにした。
お風呂に入りながら昨日見た夢を思い出した。
母を捨てられない。
あながちそうかもしれない。
母の事を諦めていても母が現れて財布からお金を抜き取った時に拒めば良かったのだ。
だけど私は拒まなかった。
体で拒めないなら言葉だけでも拒めばいいのにそれもしなかった。
結局私は拒めないのだろう。
一生・・・・
とりあえず出勤の用意をしよう。
いつ仕事が入るか分からないし。そう思いお風呂を出て用意をした。
その日はぼちぼち仕事をし一日終わった。
桜井さんは流石にこなかった。
寂しいな。
昨日の夜に会っていたのに・・・・
桜井さんが欲しくて欲しくてたまらないよ。

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