小説『愛されたくて愛されたくない』
作者:水士()

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沙耶と別れてから車内は桜井さんと二人きりになった。
「ねぇ、今日知花ちゃんの家に行っても良い?」
桜井さんが言った。
「良いですよ。だけど沙耶は良いんですか?」
「うんどうせ彼氏の所に行ったしね。それに沙耶は俺達の事まだ知らないし」
そうだろうな・・・・
「それに知花ちゃんに言っておかないといけない事もあるしね」
言っておかないといけない事?
なんだろう?
話している内に私の家の駐車場に着いた。
部屋に入った瞬間桜井さんが私にキスをしてきた。
「とりあえずシャワーに入りたいんですが・・・・」
私はキスの後に言った。
「そうだね。いっといで」
シャアアアア
シャワーに入りながらこれからする事を考えていた。
また抱かれるのかな?
はぁ沙耶が桜井さんの一番になるまでこんな事が続くのかな?
それより言っておかない事てっ何だろう?
そんな事を考えながら、シャワーを出て服を着て寝室に向かった。
寝室では桜井さんは本を読みながら寝転んでいた。
「お帰り。さっぱりした?」
「はい、それよりもさっき桜井さんが言ってた言っておきたい事てっ?」
「あぁそれはね。俺はこうして沙耶とくっついたけど君の事を抱くでしょう?だけど沙耶にはこの事伝えないで欲しいんだ。沙耶が傷つくから。この事は二人だけの秘密。駄目?駄目なら俺は今日から何も君にはしない。部屋を出て行くし」
私は悩んだ。
だけど桜井さんとそういう関係になる事が駄目になる事を怖かったし、
沙耶に気づかれて沙耶を傷つけてしまうのも怖かった。
「分かりました。これは二人だけの秘密です」
私は私が傷つく方法を選んでしまった。
だって私にはこれが一番二人にとって良い事だと思ったからだ。
それに私は離れたくなかった。この二人から・・・・

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