小説『愛されたくて愛されたくない』
作者:水士()

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部屋に着いた瞬間私は服を脱ぎベッドに倒れこんだ。
はぁ久しぶりに会うと流石に疲れるな。
何だろう?とても沙耶や桜井さんに会いたかった・・・・
今まではそんな事無かったのに。
私はそんな事を考えていると桜井さんからもらった携帯電話が鳴った。
プルルルルル 着信 桜井
桜井さんだ。何かあったのかな?やっぱり急に店休んだこと怒ってるのかな?
そんな事を思いながら電話に出た。
声が出ないことを分かっていたのに・・・・
「・・・・・」
「もしもし?どうしたの?さっき雀荘の従業員から連絡来て突然知花ちゃん休んだって聞いて心配になったから電話したんだけど何かあったなら話してみ?」
話してみ?と言われても声が出ないんですが・・・・
「・・・・・」
「何で何も言わないの?やっぱり何かあったんだね?とりあえず今いる場所は部屋かな?今から向かうからそこにいてね」
桜井さんはそう言って電話を切った。
プープープー・・・・・・・
もし私がいなかったらどうするんだ?
それよりも来ないだろう。
今までも来るからという人はいたが誰も来なかった。
それはそうだろう。
誰も面倒なことには関わりたくないはずだ。
だけど私は心の中で少しだけ期待していた。
もしかしたら桜井さんがきてくれるかもと・・・・
やっぱり私はおかしいのだろうか?
こんな事を思うのなんて私は怖かった。
何かが変わっていくようで。
そんな事を思っていたら玄関のドアを叩く音がした。
ドアに近寄ると桜井さんが私の名前を呼んでいたので私はドアの鍵を開けた。

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