小説『愛されたくて愛されたくない』
作者:水士()

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ドアの鍵を開けた瞬間勢いよくドアが開いて桜井さんが目の前にいた。
「良かったぁ〜いたね!おやすごい格好だね」
嬉しそうに桜井さんが言ったので何を言ってるんだこの人はと思ったが私は思い出した。
今の私は下着姿だという事を・・・・
私は回れ右をして寝室に向かい服を着た。
後ろから桜井さんの声が聞こえた。
「残念!もう服来ちゃうんだ〜とりあえず何かあったんだろう?その痣を見る限り」
私の痣見られたんだ。
でもどうして今日出来た痣だと分かったんだろう?
古い痣や傷もあるのに。
そうか桜井さんも小さい頃父親から暴力を受けてたから分かるのかな?
そう思っていたら桜井さんが話しかけてきた。
「どうしたの?なんでさっきから喋らないの?」
私は声が直ったかもと思い声を出した。
「んあぁあがっあっうぅ」
やっぱり出なかった。
桜井さんは目が見開いたまま聞いた。
「声が出ないの?」
私は声を出すことを諦めて頭を縦に振った。
桜井さんの顔を見ると悲しそうな表情だった。
「そう。そうだったんだ。とりあえず俺薬局に行ってシップ買って来るわ。その後に詳しい話聞かせて?」
私は頭を縦に振った。
だけど桜井さんはそのまま出て行こうとしたが私は引き止めた。
私は手でお金のマークをし頭を横に振った。
「もしかしてお金が無いから良いとか言いたいの?」
私は頭を縦に振った。
「そんなのいらないよ。俺も腰が痛いから買ってくるだけとりあえずおとなしく部屋にいなさいね」
桜井さんはそう言って部屋を出て行った。

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